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蟯虫とコクシジウムって駆虫するべきですか?|フトアゴ飼い主の悩み・・・

4 フトアゴヒゲトカゲのQ&A この記事は約 7 分で読めます。 4,453 Views

フトアゴの健診で見つかる2つの寄生虫

フトアゴヒゲトカゲの健診で糞便検査をすると、蟯虫コクシジウムという寄生虫が検出されます。本人はとても元気なのに・・・この2つの寄生虫はどこでうつったのか?ブリーダー?ショップ?同居している個体から?それは分かりませんが・・・多くはブリーダーの親のトカゲから感染していることが多いと推測されます。

蟯虫

柿の種状の虫卵は蟯虫です。

成虫は小さくな白色のワームをしています。蟯虫は非病原性の寄生虫と見なされ、糞の中の繊維質(セルロース)の分解を助けると推測されています〔Telfor et al.1981〕。まれに、大量の寄生が見られると結腸の宿便を引き起こす可能性も一部示唆されていますが、めったに見られません。

 フトアゴヒゲトカゲの蟯虫

コクシジウム

コクシジウムはかなり小さな原虫です。サナギみたいなオーシストと呼ばれる状態で顕微鏡で観察されます。

フトアゴヒゲトカゲではコクシジムが検出されることが多く〔Raiti 2012〕、現在までに2つの種類の寄生が報告されています〔McAllister et al.1995,Walden 2009〕。1つはIsospora amphiboluriで、WCとCB個体の両方で報告され、オーストラリアのアガマに対して種特異性を持ち、腸だけに寄生します。幼体では重症になり死亡しますが、成体では病原性が低いです〔Greiner 2003〕。2つめはCB個体のフトアゴヒゲトカゲから検出され〔Walden 2009〕、Eimeria sp.に分類された新種類です。宿主名にちなんでアイメリアポゴナエ(Eimeria pogonae)という名前も提案され、腸だけの寄生なのか、肝臓などにも寄生するのかは分かっていません。しかし、このコクシジウムは核コクシジウムのCholeoeimeria spp.に新たに分類されました〔Paperna 2007〕。単に感染しただけでは無症状ですが〔Abdel-Baki 2014,Abdel-Baki et al.2014,Raiti 2012〕、生体の免疫が低下してコクシジウムが増殖すると、下痢、胆嚢や肝臓に影響する可能性があり、詳細はまだ分かっていません〔Jirků et al.2002,Abdel-Baki 2014,Abdel-Baki et al.2014,Al-Quraishy et al.2013〕。

本人はケロッとしている・・・

では、なぜお腹に寄生虫がいても元気なのかと言うと、この2つの寄生虫は病原性が低いからです。蟯虫は病原性が低く、そしてコクシジウムも普段は何も悪さはしません。フトアゴヒゲトカゲが免疫を持ち、寄生虫と上手くバランスをとっているからです。
フトアゴヒゲトカゲ

駆虫するべき?

病原性が低い寄生虫でも、フトアゴヒゲトカゲの免疫力が低下すると、寄生虫が増殖して、軟便・下痢を起こす可能性があります。特にコクシジウムは注意しなければなりません。診察している獣医師と相談をして、駆虫をするかどうか、よく相談して下さい。Dr.ツルは駆虫を勧めています。

爬虫類の駆虫についてはコチラ!

参考文献
■Abdel-Baki AS.Description of Choleoeimeria duszynskii n.sp.(Apicomplexa:Eimeriidae) from the gall bladder of the Middle Eastern short-fingered gecko Stenodactylus doriae (Blanford) (Sauria: Gekkonidae) in Saudi Arabia.Syst Parasitol87.299‐304.2014
■Abdel-Baki AS,Al-Quraishy S,Duszynski DW.Choleoeimeria salaselensis sp. n.(Apicomplexa: Eimeriidae) from the gall bladder of the horned viper Cerastes gasperettii (Serpentes: Viperidae) in Saudi Arabia.Folia Parasitol61.201‐205.2014
■Al-Quraishy S,Abdel-Baki AS,Al Otaibi MSA.Choleoeimeria bunopusi sp.n.(Apicomplexa:Eimeriidae) infecting the gall bladder of the tuberculated gecko Bunopus tuberculatus(Reptilia:Gekkonidae) from Saudi Arabia.Acta Protozool52.267‐272.2013
■Greiner EC.Coccidiosis in reptiles.Seminars in Avian and Exotic Pet Medicine12.49-56.2003
■Jirků M,Jirků M,Oborník M,Lukes J,Modrý D.A model for taxonomic work on homoxenous coccidia: redescription,host specificity,and molecular phylogeny of Eimeria ranae Dobell,1909,with a review of anuran-host Eimeria(ApicomplexaEimeriorinaJ Euk Microbiol56.39–51.2009
■McAllister CT,Upton SJ,Jacobson ER,Kopit W.A description of Isospora amphiboluri(ApicomplexaEimeriidae)from the inland bearded dragon,Pogona vitticeps(Sauria:Agamidae) J Parasitol81.281‐284.1995
■Paperna I.Ultrastructural review of Choleoeimeria spp.,a coccidium infecting the gall-bladder epithelium of reptiles.Parassitologia49(4).247-256.2007
■Raiti P.Husbandry,Diseases,and Veterinary Care of the Bearded Dragon(Pogona vitticeps).J Herpetol Med Surg22(3-4).117-131.67 Refs.2012
■Telfor SR JR,Campbell HW.Parasites of the American alligator,their importance to husbandry and suggestions toward their prevention and control.Proceedings of the First Annual Alligator Production Conference.46-51.1981
■Walden MR.Characterizing the epidemiology of Isospora amphiboluri in captive bearded dragons (Pogona vitticeps.Ph.D.thesis.Louisiana State University,Baton Rouge.Louisiana USA etd-05292009-214931.2009

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