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ボタンインコ・コザクラインコ

Lovebird

1分類・生態

●オウム目インコ科ボタンインコ属の鳥はアフリカに生息しており、カラフルな色をしています。ボタンインコ属は下記の9種の基亜種に分類されています。この中でルリゴシボタンインコ、キエリクロボタンインコ、コザクラインコがペットとして飼われています。この2種類のボタンインコは交雑種、あるいは色変わりの品種が多数つくられています。コザクラインコはボタンインコ以上の色変わりの品種が作られています。ペットでは原種が圧倒的に少なくなっていますので、このページでは個々の種類を強調せずに、ボタンインコ属全体の解説を行います。

アフリカにすむカラフルな小鳥です

●つがいの仲が非常によいため、英語ではLove bird(愛の鳥)と呼ばれています。

愛の鳥Love Birdです

1-1分類

オウム目インコ科ボタンインコ属
学名:Agapornis spp.
英名:
Love bird
表:ボタンインコ属の分類

和名 学名 英名
カルカヤインコ Agapornis canus Grey-headed Lovebird
ルリゴシボタンインコ A.fischeri Fischer’s Lovebird
ボタンインコ A.lilianae Lilian’s Lovebird
クロボタンインコ A.nigrigenis Black-cheeked Lovebird
キエリクロボタンインコ A.personatus  Yellow-collared Lovebird
コハナインコ A.pullarius Red-headed Lovebird
コザクラインコ A.roseicollis Rosy-faced Lovebird

Peach-faced Lovebird

ワカクサインコ A.swindernianus Black-collared Lovebird
ハツハナインコ A.taranta Black-winged Lovebird

1-2分布

・ ルリゴシボタンインコ:タンザニアの北東部
・ キエリクロボタンインコ:タンザニアの北部、ケニアの南部
・コザクラインコ:アフリカ南西部のナミビア共和国の西部~アンゴラ共和国の南西部

1-3身体(ボタンインコ)

●体長:約13cm
●体重:35~50g

1-4生態(ボタンインコ)

●環境:熱帯のサバンナに生息しています。
●行動
・数十羽の群れで生活をしています。

・1年中繁殖します。
●食性:植物の種子を食べる穀食性ですが、果物も好んで食べています。
●寿命:10~15 年

1-3身体(コザクラインコ)

●体長:17~18cm
●体重:42~55g

1-4生態(コザクラインコ)

●環境:森林、半砂漠および山岳地方の半乾燥地帯に生息しています。
●行動
・数十羽の群れをつくる。
・1年中繁殖します。
●食性:植物の種子を食べる穀食性ですが、果物も好んで食べています。
●寿命:10~15 年

2品種

2-1ボタンインコ

●ボタンインコとクロボタンインコは現在、野生でも個体数が少なく、ペットの飼い鳥で主体となっているのはルリゴシボタンインコやキエリクロボタンインコです
●カラーバリエーションとして、キエリクロボタンインコからつくられたヤマブキボタンインコ、ブルーボタンインコ、シロボタンインコなども流通しています。また、キエリクロボタンインコとルリゴシボタンインコの交雑化が進み、さらに多数の交雑種がつくられています。
●ボタンインコは雑種化が進み、純粋な原種はほとんどいません。例えヤマブキボタンインコという名称であっても、キエリクロボタンインコやルリゴシボタンインコの変色という場合も多くみられます。ここでは品種も、外観や各種資料を参考に基づいて判断していますが、品種名についての確約はありません。一部におきましては品種の特定が困難ですのでご理解ください。

●ボタンインコの最大の特徴は、目の周りの白色の眼瞼輪(アイリング:Eye ring)で、基本的にクチバシは赤色をしています。

白いアイリングが可愛い

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キエリクロボタンインコ

最も野生下で多い種類です。顔が黒色で、首から胸にかけて黄色の襟巻があり、翼は緑色、お腹は黄緑色をしています。
  

ヤマブキボタンインコ

キエリクロボタ ンインコの色変わり で、体は黄緑色、 翼は緑色が混じり、胸から首にかけての 襟巻きは黄色です。和名は色彩がヤ マブキの花色に似ていることから命名されました。

ブルーボタンインコ

キエリクロボタ ンインコの色変わりで、体は青色、クチバシはピンク色、胸から首にかけての襟巻きは白色をしています。

シロボタンインコ

キエリクロボタンインコの色変わりで、クチバシは桃色をしています。体は基本的に白色ですが、淡い青色を帯びる個体もいます。

ルリゴシボタンインコ

体は緑色で、顔から胸にかけて橙色、クチバシは赤色です。腰の部分は瑠璃 色をしています。

2-2コザクラインコ

色や模様により多くのカラーが作られています。しかし、コザクラインコのカラーの品種は複雑で、外観や各種資料を参考に基づいて判断していますが、品種名についての確約はありません。一部におきましては品種の特定が困難ですのでご理解ください。

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ノーマル

全体の羽色は濃い緑色、額から前胸にかけては赤色、腰は明るい青色をしています。
  

ダークグリーン

ノーマルの体の緑色と腰の青色が暗い色をしています。

シナモングリーン

ノーマルの体の緑色と腰の青色が黄色を帯びた明るい色をしています。

アメリカンイエローパイド(タイガーチェリー)

ノーマルに黄色のまだら模様が入り、まだら模様の数や割合は個体差が大きいです。タイガーチェリーとも呼ばれています。

オリーブ

ノーマルの体の緑色と腰の青色が、ダークグリーンよりも暗い色をしています。

オーストラリアンシナモン

顔と額が赤色、体が黄緑色を帯びた黄色をしています。風切り羽はシナモン色、腰は薄青色です。目はブドウ目で、オースロラリアンイエローやゴールデンチェリーとも呼ばれています。

アメリカンイエロー

顔と額が赤色、体がからし色のように黒色を帯びた黄色をしています。風切り羽と腰は白色を帯びています。目は黒目をしています、オースロラリアンシナモンとともにゴールデンチェリーとも呼ばれています。

ルチノー

額と顔が赤色、体は黄色、赤い目をしています。風切りと腰は白色を帯びています。目は赤目をしています。ゴールデンチェリーと似ていますが、目のと腰の色で鑑別します。顔が白色、額があんず色、体は繰クリーム色をしています。風切りと腰は白色で、目は赤目です。

アルビノ

体も顔も白色で、目は赤目です。ピュアホワイトとも呼ばれています。

シーグリーン

顔は白色で、額は杏子色、クチバシの付け根がピンク色をしており、先の方がクリーム色になっているのが特徴です。
 

ホワイトフェイス

額の色がなくなり、名前の通り白色の顔が特徴です。体の色によってはホワイトフェイス・●●●などと呼ばれます。

ホワイトフェイス・モーブ

ホワイトフェイス・ブルー

 

 

オパーリン

顔の色は後頭部まで頭全体に色が入ります
 

ヤエザクラインコ

コザクラインコとボタンインコの交雑種で、繁殖能力をもたないが、生殖行為や産卵は行えます。一見、ボタンインコのようにみえますが、アイリングが細いこと、クチバシが赤色でなく、オレンジ色をしています。
 

3特徴

●群れで生活し、行動や鳴き声によるコミュニケーションが豊かです。
●鳴き声が結構大きく、甲高い声質をしています。集合住宅などで飼育する場合は、少なくとも朝や夜は防音カーテンなどで音が外に漏れないように工夫しましょう。
●アフリカ出身ですので寒さに弱い傾向があります。鳥の場合は室温が23℃~24℃程度になるよう、ヒーターやエアコンで調整してあげた方がよいでしょう。
●性格は陽気で意思表示が明確です。コロコロと転がり、毛布などに潜り、何にでも興味を持つ活発で遊び好きな性格をしています。甘えたかと思うとすぐに怒ったりする自由奔放です。

見た目だけでなく行動も可愛い

●飼い主以外には警戒して人見知りすることも多いです
●クチバシが発達しており、特に上のクチバシが大きいです。噛む力も強いので、幼鳥から手乗りで育ててください。噛まれると流血になることもあり、縄張り意識があるので、不用意にケージに手を入れるといきなり噛まれることもあります。

わがままな鳥です。きちんと教育してください。

●外見は寸胴な体型と先の丸い尾羽をもち、羽色は色彩豊かです。

●番以外の複数飼育および他の種類の鳥との同居は避けたほうがよいです。

4雌雄鑑別

●体の特徴や行動などでの雌雄鑑別は難しいです。
●オスの嘴はメスより大きく、オスの頭頂部は丸く、メスは扁平です。
●胸の筋肉とお尻の間が広いのがオス、狭いのがメスですが、個体差が大きいです。
●メスは床敷の紙などを細長くちぎって、羽毛の下に差し込む行動(ディスプレィ)がみられます。

●オスではセキセイインコほどではないですが、発情吐出がみられます。
●手のひらを鳥の背中にかざした時に羽を広げて交尾の姿勢をとるのはメスである可能性が高く、オスは気に入った玩具などにカタカタと鳴きながら上に乗ろうとする姿勢をとります。

5繁殖

●繁殖が容易な鳥で、相性が合えばすぐに発情して交尾をします。

●成熟したメスは、オスがいなくても無精卵を産みます。小屋・巣箱をケージの中にいれると巣つくり、無精卵を産むので注意してください。
●ボタンインコ・コザクラインコの雌雄鑑別は、獣医さんでも間違えることがあります。レントゲンを撮っても性別はわからないことが多いです。
●雌雄の確実な鑑別は、遺伝子検査をします。専門の検査機関に依頼するので、結果が出るのに1〜2週間かかります。
表:繁殖知識

性成熟 6‐12ヵ月齢
発情 周年繁殖
繁殖回数 3‐4回/年
産卵数 4‐6個(1日おきに産卵)
抱卵 約23日
巣立ち 35‐40日齢

6参考文献

■Cameron M.Cockatoos.CSIRO Publishing.Australia.2007
■Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.2007
■David Alderton.You &your pet bird.Dorling Kindersley.London.1992