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コモンマーモセットってどんな動物?|知らないといけない生態と特徴

 2019/05/12 3 真猿類 この記事は約 8 分で読めます。 8,215 Views

コモンマーモセットは猿らしくないサル

●マーモセットとはマーモセット属のサルの総称で、コモンマーモセット、ジョフロワマーモセット(シロガオマーモセット)、クロミミマーモセットなどが知られています。
●古くから広く人に知られ、ペットとして有名なのはコモンマーモセットです。近年、実験動物としても重要視されています。
●コモンマーセットは真猿類ですが、原始的な原猿類の特徴も持ち合わせています。
●2006年にワシントン条約付属書Ⅱ掲載種です。輸出国の許可がなければ商取引きがされないので入手は困難です。日本では国内で繁殖された個体が販売されています。

分類・生態

分類

学名:Callithrix jacchus
英名:Common marmoset

分布

ブラジル東部
コモンマーモセット分布地図

身体

●頭胴長:オス18.8cm(15.8~20.7)cm、メス 18.5(17.3~19.8)cm
●尾長:オス28.0(24.7~31.2)cm、メス27.4(24.3~30.3)cm
●体重:オス 約256g、メス 約236g
●毛色:毛は灰褐色で、耳に白色の長い房毛があり、尻尾が黒色と灰色の縞模様をしています。頭は黒色を帯びて、顔のみが毛で覆われておらず、白~黄色をしています。尾には白色と黒色の輪がみられます。
   

生態

●環境:幅広い森林(海に面した地域、内陸、サバンナ)
●行動
・群居性をもつ昼行性のサルで、樹上生活を営んでいます。リスのような動きをし、樹に垂直に掴まったり、飛び移ったりします。
コモンマーモセット
・9頭くらいの群れを作り〔Stevenson et al.1988〕、1~2頭の繁殖するメス、1頭の繁殖するオス、その子供たちと、さらにその親か兄弟などの大人の親族からなります〔Ferrari et al.1996〕。
・基本的に一夫一婦性になることが多く、特定の相手と恒常的な夫婦生活を営みます。育仔はオスも手助けをすることが有名で、生まれた子はオスが抱いて、授乳の時のみメスに手渡すこともあるそうです〔河合 1968〕。
●食性:昆虫を主食としますが、果物や樹液も食べています。
●寿命:約11.7年〔Rowe 1996〕

特徴

習性

●性格は温和で穏やかですが、急に大きな物音を立てたり、荒々しい振る舞いをすると、驚いて狂乱状態になります。
●臆病な面も併せ持っていますので、驚かしたり嫌なことをすれば、警戒されてしまいます。
コモンマーモセット
●「チッチ、チッチ」という甲高い声で、様々な声を事態に応じて鳴き分けます。その高音の声は人の可聴域を超えることもあります。

身体

●耳の周りに白色の房毛をもち、尾は体長よりも長いです。

●尾は枝などに巻きつけることはせず、移動時の平衡感覚をとるのに役立つのみです〔 河合 1968〕。
●指の数は前足後足ともに5本で、後足の親指のみが平爪で、それ以外の指は鉤爪になっています。
●指の対向性もなく、前肢は後肢よりも短く、飛び歩くように敏捷に移動します。
●陰嚢や鼠径部の臭腺を木などに擦りつけてマーキングをします。
●歯の数は32本です〔Johnson-Delaney 2004〕。歯も原猿類のような櫛歯をしています〔Rowe 1996 〕。
コモンマーモセット
●乳頭は1対(2個)みられます〔Ialeggio 1989〕。

雌雄鑑別・繁殖

●雌雄鑑別は成熟していないと難しく、オスは生殖孔の下に精巣が収納されている陰嚢がみられます。
●メスの陰核は著しく発達しており、ペニスと似ているため間違えやすいです。
●基本的には一夫一妻制ですが、一夫多妻のこともあります〔Digby 1995〕。
●メスはオスに対して舌を突き出すような求愛行動で、交尾を誘います。
●基本的に二卵性双生子を生みます。そのため、妊娠期間と哺乳期間のメスの負担が多くなることから、群れの他のサルが子育てを助けることもあります〔Stevenson et al.1988〕。
●新生子は母親の背中に本能的にしがみつき、生後2週間は離れません〔Stevenson et al.1988〕。

表:繁殖知識〔Rowe 199〕

性成熟 オス 約16.7ヵ月齢
メス 約12ヵ月齢
繁殖形式 周年繁殖
性周期 13-15日
妊娠期間 約148日
産子数 2(1-4)頭
離乳 3ヵ月齢
ポイントはコレ!
●原猿類(原始的なサル)に分類
●ブラジルに分布し樹上に生息
●昼行性のサルで群れで暮らす
●臆病で警戒心が強い
●素早しっこく動く
●耳の白い房毛が特養
●臆病で警戒心が強い
●番にすると仲良くオスも子育てをする

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参考文献

■Boinski S.Mating patterns in squirrel monkeys (Saimiri oerstedi): implications for seasonal sexual dimorphism. Behav Ecol Sociobiol 21(1).13-21.1987a
■Boinski S.Birth synchrony in squirrel monkeys (Saimiri oerstedi): a strategy to reduce neonatal predation. Behav Ecol Sociobiol 21(6).393-400.1987b
■Digby LJ. Social organization in a wild population of Callithrix jacchus:II,Intragroup social behavior.Primates36(3).361-375.1995
■Ferrari SF,Digby LJ.Wild Callithrix group: stable extended families?.Am J Primatol38.19-27.1996
■Holmes DD.Clinical Laboratory Animal Medicine.AnIntroduction.State University Press.Ames.Iowa.US.1984
■Ialeggio DM.Practical medicine of primate pets.Compend Contin Educ Pract Vet 11.p1252-1259.1989
■Johnson DK,RussellRJ,Stunkard JA.A Guide to Diagnosis Treatment and Husbandry of Nonhuman Primates. Edwardsville KS.Veterinary Medicine Publishing.1981
■Johnson-Delaney C.The Veterinary Clinics of North America. In Small Animal Practice.Exotic Pet MedicineⅡ.Vol 24(1).Quesenberry K,Hillter EV.eds.2004
■Junge RE.Prosimians.In Zoo and Wild Animal Medicine: Current Therapy 3.Fowler ME, Miller RE.eds.WB Saunders.Philadelphia.US.p378-389.2003
■Matsuda G,Maita T.et al.Amino acid compositions of all the tryptic peptides from the and polypeptide chains of adult hemoglobin of the slow loris (Nycticebus coucang). Biochemical studies on hemoglobins and myoglobins.X.Int J PROTEIN ReS4(6).405-13.1972
■Mitchell CL.Migration alliances and coalitions among adult male South American squirrel monkeys (Saimiri Sciureus). Behaviour 130(3-4).169-90.1994
■Rowe N.The Pictorial Guide to the living primates.1st ed.Pogonias Press.New York.US.1996
■Stevenson MF, Rylands AB.The marmosets,genus Callithrix. In Ecology and behavior of neotropical primates2.Mittermeier RA,Rylands AB,Coimbra-Filho AF,da Fonseca GAB, editors. Washington DC. World Wildlife Fund.p131-222.1988
■Yamamoto ME.From dependence to sexual maturity:the behavioural ontogeny of Callitrichidae.In Marmosets and tamarins: systematics, behaviour,and ecology.Rylands AB ed.Oxford (England): Oxford Univ Pr.p235-254.1993
■河合雅雄,岩本光雄,吉場健二.世界のサル毎日. 毎日新聞社.東京.1968

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