専門獣医師が解説するチンチラを20年以上長生きさせるコツ!
ギネス寿命記録を超す飼い方
チンチラの平均寿命は10~15歳ですが、20年以上生きたチンチラの話もよく聞きます。しかし、長寿のギネス記録は知っていますか?なんど約29歳8カ月なんです!プロフィールは1985年2月1日生まれ、出身はドイツ、名前はRader(レーダー)、飼い主はChristina Anthony (クリスティナ・アンソニィ)さんです。2014年9月18日にアメリカのカリフォルニア州で亡くなりました。人間の年齢に換算したら250歳くらいでしょう。年齢換算は難しいですが、下記の表を参考にして下さい。
チンチラ | 6ヵ月 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 | 15歳 |
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人の年齢換算 | 12歳 | 17 | 24 | 31 | 38 | 45 | 52 | 59 | 66 | 73 | 78 | 123 |
引用:http://www.age-converter.com/chinchilla-age-calculator.html
チンチラはげっ歯類に属しています。多くのげっ歯類の寿命は5年以内、長いもので7~8年なのですが、チンチラが長生きする理由はよく分かっていません。
長生きする理由として、現地のアンデスは寒冷な気候なため、細胞の代謝が遅く、体の細胞有害であるフリーラジカルが蓄積しにくいと言われています。チンチラは基本的に温度管理をしっかりとすれば、丈夫な動物であり、腫瘍の発生も他のげっ歯類と比べたら、断然少ないです。反対に死亡する原因が何か多いのかを考えれば、長生きできる可能性が高くなるはずです。Dr.ツルの見解では、不正咬合、胃のうっ滞・毛球症が多い病気と考えています。これらを予防する飼育を行えば、長生きできるはずです。そのために必要なことは以下の4つです・・・
- 温度管理
- 牧草を主食にして、運動をさせる
- 虫歯対策
- 健康診断
温度管理
野生のチンチラは標高が高い山の岩場に住んでおり、暑さにとても弱いのが特徴です。防寒のために厚い毛皮をしていますが、その毛皮は日本の夏には適しません。
チンチラを飼うなら、エアコンのある部屋にケージを設置し、温度が高くなりすぎないように調整する必要があります。温度が高くなると、熱中症になり、一般状態が低下し、死亡することもあります。チンチラが過ごしやすい温度は10~20℃で、湿度は40%未満が理想と言われていますが、夏場に湿度40%以下の環境をつくるのは正直無理です。多少は湿度を抑えれば温度は高くても大丈夫ですが、ほかにも換気によっても体感温度は異なります。決まった温度設定を守るというより、チンチラの動きや食欲をよく観察して、調節するようにしましょう。
体で毛が生えていないのは、足の裏と耳です。チンチラは犬のように舌を出して「ハーハー」としませんし、皮膚にある汗もないので汗をかけません。耳から体の熱を発散し、体温調節を行っています。エアコン以外の温度管理はあまりお勧めしません。経済的な問題あると思いますが、温度管理ができず熱中症で死んでしまうようなことがあると後悔します。
主食を牧草!運動もたくさん!
チンチラの主食は牧草にし、できるかぎり多くの時間を運動に費やして下さい。牧草は歯をよく動かして食べるので不正咬合を予防するのはもちろん、胃腸の動きを促進し、胃のうっ滞・毛球症を予防します。また便秘も多い見られますので、繊維質の多い牧草をたくさん与えましょう。どうしても牧草よりもペレットを多く食べるチンチラにはセルロース(繊維質)のサプリメントをペレットにかけて与えてみてはいかがでしょうか?
チンチラの肥満防止+繊維質サプリメントならコレ!
他にはないW繊維・痩せるデキストリン・腸活のグルタミン酸配合の魔法のサプリ!下痢を予防するグルタミン酸が配合されている唯一のサプリです。野菜を主原料にした細かい粉で、使いやすさも抜群です。セルロースとデキストリンのW繊維で胃のうっ滞を解消します。野菜の甘味があり、ペレットにかけたり、水に溶いて舐めさせたり、また流動食てしても使えます。この商品は専門獣医師であるDr.ツルが開発に協力しました。
チンチラが生息している環境も岩場なので、運動量が必然的に多くなり、エサも一年中豊富にあるわけでないので、ペットでの餌も、カロリーが低い牧草が一番に適しているのかもしれません。運動量が増えることで、肥満も予防できますし、ストレス予防になります。
虫歯対策!甘いものは与えない!
チンチラの主食は牧草ですが、牧草を与える量が少ないと不正咬合になりやすいです。しかし、意外と知られていないのが虫歯です。
「チンチラに虫歯があるの?」と思う方が多いと思います。基本的に虫歯は甘いものを食べることが原因となっていますが、チンチラは甘い果物やお菓子などは与えていなくても、虫歯になっていることが多いのが不思議です。Dr.ツルもその理由が分かりません。ペレットにも糖類が配合されている商品が多いので、成分表や材料をチェックしましょう。イギリスのある論文では、健康体でも約35%のチンチラが歯のトラブルをかかえ、病院に何らかの問題があり受診にくるチンチラの約55%が不正咬合や虫歯があると報告されています〔Crooley 2001〕チンチラは寿命が長いですが、若い時から不正咬合や虫歯になると、歯の処置は全身麻酔になることがほとんどなので、体に負担がかかり短命になります。
健康診断
上記のチンチラの年齢換算表から、9歳以上は年よりになります。肝不全や心不全などの病気がとても増えてきます。最近はしっかりと飼育する方が増えているので、高齢のチンチラも増えるにつれ、病気も必然的に増えてきます。
人間と同様に老衰が原因でなく、何らかの病気が死因で死ぬことが多いです。その病気の進行を防げば長生きできるはずです。
・温度は20℃以下が理想で、エアコンを使うことが理想
・主食を牧草にして、しっかりと運動させる
・チンチラは歯が命なので、甘いものは虫歯の原因になるので極力与ええない
・定期的に健診を受ける
獣医大学、動物看護師学校の教科書指定本!チンチラのことが詳しく書いてあります。
参考文献
■Crossley DA.Dental disease in chinchillas in the UK.J Small Anim Pract42(1).12-19.2001
■http://www.guinnessworldrecords.com/world-records/oldest-chinchilla-ever