カナリア
Canary
1分類・生態
●カナリアはスズメ目アトリ科カナリア属に属し、原種を飼鳥として多数の品種改良が行われた小鳥です。野生種の個体数は少なくなったといわれています。
●警戒心が強く、クールな鳥ですが、澄んだ美しい声でさえずることで有名です。
1-1分類
スズメ目アトリ科カナリア属
学名:Serinus canaria
英名:Canary
1-2分布
カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島
1-3身体
●体長:10~20cm
●体重:12~29g
●羽色:お腹面が煤けた黄緑色、背中は茶色を帯びた縞模様が入っています。
1-4生態
●環境:標高1,700mまでの森林に生息しています。
●行動
・小さな群れをつくり、樹上に巣をつくっています。
●食性:主に植物の種子を食べる穀食性です。
●寿命:7~10年
2品種
●品種は羽色・模様、鳴き声、姿勢(スタイル)のバリエーションで3つに分類されています。
カラーカナリア
●羽色・模様によるバリエーションは、カラーカナリアと呼ばれ、赤カナリア、オレンジカナリア、レモンカナリア、白カナリア、リザードカナリアなどがいます。
●羽の色をきれいにするため、換羽の時には色揚げのためのカロチン餌をあたえています。しかし、この色揚げのためにカロチン色素と脂肪の多い種を与えるときれいな色がつくのですが、科体に負担をかけるので、あまり推奨していません。
レモンカナリア
全身が黄色で、目は黒目です。
白カナリア
全身が白色で、時に一部色が入ることもあります。目は黒目をしています。日本でも江戸時代に日本国内で独自に作出された記録があります。
赤カナリア
赤カナリアには、有覆輪(ゆうふくりん)と無覆輪(むふくりん)の2種類がいます。有覆輪は羽の先端部が白色を帯びており、霜降りの肉のような色をしており、無覆輪は羽の先端まで赤色ですので全体が濃い赤色にみえます。

有覆輪

無覆輪

有覆輪の羽
オレンジカナリア
ローラーカナリアを南米産のショウジョウヒワと掛け合わせることによって作られたカラーです。本来は淡紅色の色で、カロチンの色揚げ剤をエサに添加することによって色を濃くしています。
リザード
最も古い品種で、外見が野生種に似ています。色は鱗状のまだら模様で、羽毛には絹のような光沢があります。
ローラーカナリア
●鳴き声に特徴的なものをローラーカナリアと呼んでいます。美しく鳴くことを優先したために、色は地味です。美しくさえずりが出来るように、若いオスに美しく透き通るような美声で鳴く年長のオスの声を聞かせる付け子という方法で飼育をします。
スタイルカナリア
●体型や姿勢、羽毛の形状のバリエーションをスタイルカナリアと呼んでいます。
巻き毛カナリア
細カナリア
クレステッド
ノリッジ
●イギリスのノリッチで作出された。ずんぐりとした体形で、頭が大きく扁平で冠羽状にたっています。目はやや小さいです。羽の色は、淡黄色、濃黄色、緑があります。
ヨークシャー
●イギリスのヨークシャー地方で作出された大型のカナリアです。止まり木に対して45度、「イ」の字に止まるものがよいとされています。
3特徴
●カナリアはヒナからの飼育が難しいため、ヒナではあまり流通していません。
●警戒心が強く、やや臆病な性格をしています。
●他の鳥に比べて比較的、人とのコミュニケーションを必要としません。しかし、コミニケーションをとれば手乗りにはできますが、触られることをあまり好みません。
●カナリアは水浴びをする習性があります。
4雌雄鑑別
●メスよりもオスのほうがよく鳴きます。発情したオスは「ピロロロ」と大きな声をだします。
●オスは総排泄孔が突き出ていて先端がくぼんでいるが、メスは平坦です。
5繁殖
●繁殖が容易な鳥で、相性が合えばすぐに発情して交尾をします。
●成熟したメスは、オスがいなくても無精卵を産みます。小屋・巣箱をケージの中にいれる営巣をし、無精卵を産むので注意してください。
表:繁殖知識
項目 | 数値 |
性成熟 | 約6ヵ月齢 |
発情 | 季節繁殖(2-7月) |
繁殖回数 | 3-4回/年 |
産卵数 | 4-6個(連日に産卵) |
抱卵 | 14日 |
巣立ち | 20-21日齢 |
参考文献
■Cameron M.Cockatoos.CSIRO Publishing.Australia.2007
■Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.2007
■David Alderton.You &your pet bird.Dorling Kindersley.London.1992