どうしよう?専門獣医師が解説するチンチラの下痢
下痢は緊急対応です!
チンチラは下痢をすることは少ない動物です。野生ではあまり水を飲まないので腸の内容物からしっかりと水分を吸収するので、糞もやや硬くてコロコロしているはずです。下痢でなくても、形を保っていない軟便でも、それは下痢になる前兆かもしれません。
原因は何だろう?
- 水分が多い餌
- 細菌性下痢
- 寄生虫
- 消化管内異物
- 抗生物質の内服
水分が多い餌
オヤツとして果物を与えたり、牧草でなくて葉野菜を多く食べると軟便を起こします。時に果物は十分に消化ができる腸をしていないので消化不良を起こすことがあります。
細菌性下痢
細菌の感染により下痢を起こします。ここで大切なことは腸だけが感染を受けたのか?肝臓や腎臓なども感染を受けて肝炎や腎炎などを併発していることもあります。ただし、チンチラの感染症は毛皮のための産業動物の農場で多く報告されるものであり、現在日本でペットで飼育されているチンチラではまれなことです。
寄生虫
寄生虫による下痢は幼体に多く、原虫と小型条虫がよく検出されます。どちらも家に来る前の、ブリーダーやショップで感染したケースがほとんどですが、その原因はたいていが分かりません。
消化管内異物
部屋で壁紙などをかじる、あるいは砂浴び等を上手くできずに自ら毛繕いを多くするチンチラに多いです。胃には毛球症として診断されたり、小さい物であれば腸に移動して腸閉塞が起こります。完全につまることで糞が出なくなることもありますが、腹痛も見られ、ぐったりします。
抗生物質の内服
チンチラは抗生物質の内服をすることで、腸内細菌が崩れやすく、軟便や下痢を起こします。これを抗生物質性腸炎(抗生物質関連腸炎)と言います。
緊急時に自宅でできること!
餌が悪かったり、抗生物質を内服で投与しているようであれば、まずは辞めて下さい。辞めて数日で糞の状態が戻に戻るか観察して下さい。それでも改善しない、あるいは下痢だけでなく、エサも食べずに、ぐったりしているようであれば急いで動物病院に連れていきましょう!
- 早急に動物病院で診察を受けて下さい。
できることはごくわずかですが、自宅でできる最低限の対応を解説します。下記の方法を行い、チンチラの状態が悪化しても、当方は責任を負えませんのでご了承下さい。以下のプロバイオテックスとプレバイオテックスを投与して、糞の状態を観察して下さい。改善がなければ動物病院に連れていきましょう!、全身状態が悪化して死亡するようなこともありますので注意して下さい。
プロバイオテックス
マックス・スーパー犬猫用
動物病院で最も支持さています!胃酸で菌が変性しません・・・チンチラでは猫の1/3の量を与えて下さい。一見値段が高く感じますが、毎月に換算するとかなり持つので、コストパフォーマンスもとても良い商品です。
プレバイオテックス
NST ベルキュア・エキゾ
動物病院専用商品 ネットではここでしか売っていない!
エサも水も口にしていない時は、上記のベルキュアを下のバイオ・ラピスの水で溶いて口に与えて下さい。バイオ・ラピスはウサギ専用生菌剤・電解質・ブドウ糖配合のバイオ・ラピスが、チンチラにおいてもお勧めです。カロリーも水分もとれて、生菌剤も投与できますので一石三鳥です。
検査は何をするの?
下痢だけでは原因は分からないので、レントゲンを撮影したり、糞便検査をします。エサもたべずに、ぐったりとしているようであれば血液検査もします。
治療はどうするの?
原因によって大きく異なります。寄生虫であれば駆虫薬を飲ませる程度ですが、消化管内異物であれば、その異物が糞と一緒に排泄されるかどうかなので、外科手術を行うこともあります。
動物病院への情報提供
以下の項目を獣医師に伝えて下さい。
- 糞は軟便か?下痢か?
- 糞の異常はいつからか?
- 排便の回数は増えていないか?
- エサは食べているのか?
- ぐったりしているのか?
- 横たわってしまっているのか?
まとめ
基本的にチンチラの下痢は、エサも食べなくなり、脱水も起こるので、軽症と軽く思わず、重症にならないうちに動物病院で診察を受けるのがベストです。