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リチャードソンジリスってどんな動物?│知らないといけない生態と特徴

 2018/11/13 2 ジリスの生態と繁殖 この記事は約 7 分で読めます。

ミニプレーリードッグであるリチャードソンジリス

●ジリスはネズミ目リス科に属する地上生のリスの仲間です。俗称としてアメリカやアフリカ大陸に生息する種類はジリス、ユーラシア大陸に生息する種類はハタリスと呼ばれています。種類によって毛色は異なり、鮮やかな赤茶色~灰色など様々です。
●現在、本邦で飼育されている種類はリチャードソンジリスが多く、その他にジュウサンセンジリス、ホシジリス、コロンビアジリス、ダウリアハタリスなどがペットで飼われていました。

表 ジリスの分類

ネズミ目 リス科 Urocitellus属 リチャードソンジリス
コロンビアジリス
ベルディングジリス
Ictidomys属 ジュウサンセンボンジリス
Xerospermophilus属 ホシジリス
Spermophilus ヨーロッパハタリス
ダウリアハタリス

ホシジリス

ホシジリス
ダウリアハタリス

コロンビアジリス

●ジリスはプレーリードッグと異なり、単独生活をするものが多く、食性は草食傾向の強い雑食性です。なお、冬眠する種類が多いことも特徴です。
●ジリスはプレーリードッグの半分くらいのサイズで、ペットショップでミニプレーリードッグという名前で販売されていることがありますが、プレーリードッグの一種ではありません。性格や飼育方法も同じような面もあれば、独自のものもあります。
●リチャードソンジリスは個体数が多く、プレーリードッグによく似ており、なおかつ輸入が許可されている動物なために、飼育される機会が増えています。

プレーリードッグに代わる期待の星がリチャードソンジリス!

分類・生態

分類

ネズミ目(げっ歯目)リス科Urocitellus属
学名:Urocitellus richardsonii
英名:Richardson’s ground squirrel

分布

北アメリカ大陸中西部(南はテキサス州 から北はアメリカ合衆国とカナダとの国境付近まで)
リチャードソンジリス分布図

身体

●頭胴:オス 30.7(28.3~33.7)cm、メス 29.1(26.4~31.8)cm
●尾長:オス 6.5~8.8cm、メス 5.5~8.2cm
●体重:オス 290~745g、メス 120~590g
●毛色:背中は茶色~淡黄褐色と多様で、褐色を帯びた黒色の毛が霜降り状に入ります。お腹は白色を帯びた淡黄褐色で、尾は白色や淡黄褐色で縁取られています。
 

生態

●環境:グレートプレーンズと呼ばれる草原地帯で、乾燥した気候をしています。
●行動
・昼行性で、巣穴を掘って生活をしています。
・オスは単独生活、メスは近親同士で社会性を持つといわれていますが、プレーリードッグのようにオス1頭に対して3~4頭のメスとそれらの子供から構成されるコテリーをつくることもあります〔Goodwin et al.2005, Michener 2002〕。
・一部の種類は冬眠をし、1年のうち6~8ヵ月間を地下の巣で過ごします〔Goodwin et al.2005,Michener 2002〕。
・地下の巣は最大で長さ10m、深さ25~75cmのトンネルといくつかの巣室、出入口からなります。
●食性:草食性で、植物の葉、茎、根、実や種子、時に草についていた昆虫などを食べています。
●寿命:5~7年

基本は単独生活者?

特徴

習性

●巣穴を掘るために、床を掘ったり、潜る習性があります。そして物を齧る習性も強く、よくケージや部屋の中で様々な物が壊されることがあるので注意してください。
●プレーリードッグよりもかなり野性味を残しており、活動的で起きている時間はほとんど動き回っています。
●性格は個体によってずいぶんと差があるのも特徴です。群れで生活をする社会性豊かなプレーリードッグとは違って、単独行動をするリチャードソンジリスは、臆病で神経質な面もあり、人に馴れるもやや時間がかかります。

馴れるのに時間がかかる!

●縄ばりに天敵が侵入すると、尾を上にもち上げて振る威嚇行為がみられ、フリッカーテール(Flicker tail)と呼ばれています。
 

しっぽフリフリが可愛い

●天敵を威嚇したり、嫌なことをされたり、嫌いな人が近づくと、「キーキー」と鳴きさけびます。これは警戒音(アラームコール:Alarm call)と呼ばれ、群れの中で天敵が進入した際に、仲間に危険を知らせるためです。

●冬眠が長いのも特徴で、毎年7月頃から脂肪を蓄えて冬眠に入り、3月頃に覚醒します〔Goodwin et al.2005, Michener 2002〕。
●冬眠をする前に脂肪を蓄えるのも特徴で、肥満になります。飼育下で冬眠させなくても、秋以降になると、多くは太ります。

秋以降になるとふっくらして冬眠をする

身体

●地上ないし巣穴で生活をするため、体は寸胴で手足も短いです。
●耳は小さく、体に密着しています。地下の巣に容易に潜れるためです。
●指の数は前足後足ともに5本で、地面を掘るために鋭く長い鉤爪が特徴です。
●一対の小さい頬袋が口の中の両脇に持っています。
●歯は前歯と奥歯があり、全部で22本で、特に前歯は大きくて鋭く、硬いものもかじります。前歯は常生歯で 、生涯にわたり伸び続けますが、奥歯は伸びません。前歯の表面は黄褐色をしていますが、これは虫歯ではなく、体内のミネラルが沈着しているからです。
●乳頭は4対(8個)あります。

雌雄鑑別

●生殖孔(オスは包皮、メスは外陰部)と肛門の距離が、オスはメスと比較して長いことで鑑別します。

繁殖

●季節繁殖動物で、冬眠から覚めた後の4~5月には発情がみられます。発情時になると、外部生殖器も発達し、特有の行動がみられます。
●発情したオスは精巣が発達して下降するために陰嚢が膨らみ、メスは外陰部が充血して腫脹します。

表:繁殖知識〔Richard et al.2012〕

性成熟 約1年
繁殖形式 季節繁殖(冬眠後の4-5月)
発情期間 2-3週間
妊娠期間 22-23日
産子数 3-11頭
離乳 約6週齢

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参考文献
■Goodwin HT,GR Michener,Gonzalez D,Rinaldi CE.Hibernation is recorded in lower incisors of Recent and fossil ground squirrels(Spermophilus).Journal of Mammalogy. 86. p323-332.2005
■Koford CB.Prairie dogs,whitefaces,and blue grama. Wildlife Monographs 3.The Wildlife Society.Washington DC.p78.1958
■Michener GR.Seasonal use of subterranean sleep and hibernation sites by adult female Richardson’s ground squirrels.Journal of Mammalogy.83.p999-1012.2002
■Richard W.Thorington,Jr.Squirrels of the World.Johns Hopkins University Press.2012

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