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ブンチョウ

Rice bird

1分類・生態

●東南アジアの鳥で、原産地では稲の害鳥になっていたので、ライスバード(Rice bird) と呼ばれています。現在、現地では生息数は減少して、あまりみられません。

現地では稲穂を食べる害鳥あつかい?

●日本では江戸時代に中国から輸入されて繁殖が行われ、今ではフィンチの中でも育てやすく、馴れやすい飼い鳥として流通しています。
●江戸時代には鑑賞用としてかなり高価な値段で取引きされていたそうです。多くの武士たちもブンチョウに興味があり人気がありました。明治時代になると繁殖が盛んに行われるようになりました。

1-1分類

スズメ目カエデチョウ科キンパラ属
学名:Lonchura oryzivora(Padda oryzivora)
英名:
Rice Bird(Java Sparrow)

1-2分布

インドネシアのジャワ地方やバリ島(現在はアメリカのハワイ、スリランカ、フィジー、マレーシアなどの世界各地に移入して定着しています)

1-3身体

●体長:約14cm
●体重:22~27g
●羽色:頭部が黒色、頬部が白色、嘴はピンク色で、赤色の眼瞼輪(アイリング:Eye ring)があります。背中と胸は灰色、お腹は白色から淡いピンク色はコントラストが綺麗です。尾は黒色をしています。
   

1-4生態

●環境:標高1500m以下の低木、開けた森林、草原に生息しています。
●行動
・人家に近い林や耕地にもみられます。
・番または群れをつくっています。
・樹上に枯草などを組み合わせた球状の巣を作ります。
●食性:主に植物の種子を食べますが、時に昆虫や軟体動物も食べる雑食性です。

●寿命:8~12年

セキセイよりも雑食性です

2品種

●並ブンチョウ(ノーマル)と桜ブンチョウが混同され、明確になっていません。並ブンチョウは原産地から輸入された野生種のみを指すともいわれています。しかし、現在は輸入がないため、本邦では並ブンチョウは存在しないという考えもあります。

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ノーマル

野生の文鳥、または同じ模様のものを ノーマルと呼ばれています。文鳥はワシントン条約で守られており、日本で原種に近いカラーのものが繁殖されています。桜文鳥にもノーマルに似た模様が多いため、混同されています。

白ブンチョウ

全身が白色で、クチバシが赤色であるめ、アイリングも映えて美しいカラーです。白ブンチョウは、明治時代初期に愛知県弥富村(現 弥冨市)で改良された品種で、一時、この村は世界最大のブンチョウの生産量を誇っていました。日本でつくりだされたことからJapanese Rice Birdとも呼ばれています。

江戸時代に作られた日本産の白ブンチョウ

桜ブンチョウ

桜ブンチョウは並ブンチョウと白ブンチョウの交雑種で、お腹の白色から淡いピンク色の羽色が、桜の花びらのようにまだら模様になっています。桜ブンチョウと白ブンチョウの交雑種もみられ、模様にバリエーションがあるのが特徴です。一羽ずつまだら模様は違うため、好みのカラーが選べます。
    

桜ブンチョウは「東山の金さん」みたいですね

シナモンブンチョウ

ノーマルの模様でカラーが茶色をしています。フォーン文鳥とも呼ばれ、黒色色素がなくなっているため、シナモン色をしています。目は赤目をしています。

シルバーブンチョウ

ノーマルの模様でカラーが全体的に薄くなり、銀灰色となったカラーです。カラーの濃さは差があって色幅が大きいです。薄いものをライトシルバー、濃いものをダークシルバーと呼ばれます。
  

クリームブンチョウ

淡いベージュのようなクリーム色をしています。一般的に頭や尾羽、顔は白色で、羽の色がクリームやベージュ、ホワイトに分かれています。目は赤目をしています。クリーム文鳥はイギリスで作られた品種で、1990年頃に品種として固定されました。

イギリスで作られたクリームブンチョウ

3特徴

●性格は陽気で、活発な性格をしています。ピョンピョンと飛び跳ねる姿はても可愛いです。

●野生のブンチョウは群れで生活をし、常にエサの奪い合い、縄張り争いが絶えない動物です。そのためにフィンチ類としては気の荒く、闘争的な面もあります。
●繊細な性格も持っており、縄張り意識があり、特に人見知りが激しい文鳥は、新入りの文鳥に厳しく当たることがあります。特にオスは気が強いです。

オスのブンチョウは小さいくせに気が強い

●一般的には鳴き声がうるさくないので飼いやすい鳥です。しかし、発情期などによっては、多少うるさく感じることがあるかもしれません。

●水浴びを好んで行います。水浴びは羽を清潔に保つためにも必要です。

水浴び大好き

4雌雄鑑別

●オスは嘴が濃い赤色で、上嘴が盛り上がっており、アイリングの赤色も濃い。メスの嘴は上嘴がなだらかで、オスに比べて細長く、色も淡赤色をしています。

オス

メス

 

 

 

 

 

 

オスは目もクチバシもくっきり

●発情すると雄雌ともに求愛行動がみられます。オスは止まり木でピョンピョン飛び跳ねる行動を繰り返し(求愛ダンス)、「ピーヨピヨピヨ」とさえずります(求愛ソング)。メスは尾羽を左右に振りながら「チュンチュン」と鳴きます(ディスプレィ)。

5繁殖

●繁殖が容易な鳥で、相性が合えばすぐに発情して交尾をします。
●成熟したメスは、オスがいなくても無精卵を産みます。小屋・巣箱をケージの中にいれると巣をつくり、無精卵を産むので注意してください。
表:繁殖知識

性成熟 6-7ヵ月齢
発情 季節繁殖(9-6月)
繁殖回数 1回/年
産卵数 5-6個(連日に産卵)
抱卵 16-18日
巣立ち 25-30日齢

6参考文献

■Cameron M.Cockatoos.CSIRO Publishing.Australia.2007
■Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.2007
■David Alderton.You &your pet bird.Dorling Kindersley.London.1992