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専門獣医師が解説する鳥のフォージング

フォージングって?

フォージング(Foraging)とは、採餌行動、つまり鳥が餌を探しだして食べることです。野鳥では 1日のうち多くの時間をこのフォージングに費やしており、天敵に襲われないよう周囲の警戒をしながら餌を探し出し、ついばんだりして食べます。1日の行動時間の1/3〜1/2をフォージングが占めることも珍しくはありません。

フォージングを取り入れる?

飼育されている鳥はフォージングしなくても餌がもらえるため、餌を探す必要がない代わりに刺激が不足してストレスになります。そこで飼育している鳥にも頭を使って餌を探して食べてもらおうというのがフォージングです。普段の給餌に一つだけでも刺激を与えることで、退屈な時間を減らすことができます。

フォージングの効果

ストレスが溜らないようにするフォージングです。フォージングを取り入れることで鳥の知的な好奇心が刺激されて生活にも楽しみが出てくるし、退屈な時間が減ることで毛引きなどの問題行動も予防できます。フォージングは空腹時に自分のペースで行ないますが、飼い主が鳥の相手を出来ない時や留守番などで家を空ける時にもフォージングが役立ちます。フォージングによって餌を食べるのに時間もかかり、ダイエットもできるかもしれません。

  • ストレス解消
  • 一人の時に遊んで寂しくない
  • 生活の質の向上
  • ダイエット
  • 毛引きなどの異常行動予防

鳥の毛引きの詳しい解説はコチラ!

フォージングをやらない方がよい時

フォージングは鳥の体調の良い時に行って下さい。フォージングを避けた方が良い時は以下のようです。

  • 病気や怪我をしている時
  • 体重が落ちている時
  • 元気がない時
  • 引っ越しなどで環境が変わった直後

具体的にどうやるの?

まずは与えている普段の餌とは別に、フォージングで食べれる餌を準備するところから始め、慣れてくればフォージングだけで餌を与えても構いません。このフォージングを取り入れると鳥は、いつものように餌をもらえないことを察知して、一生懸命探し始め、どうしたら餌が食べられるのかを工夫して行動し、学習します。フォージングのいくつかのやり方を解説します。

  • 餌入れを増やす
  • 餌入れに障害物を入れる
  • フォージングトイを使う

アワ穂で与える

野生と同じように餌をついばむ行為が再現されます。

シードブロックで与える

種子を固めた物があります。それをついばんで崩して食べます。

餌入れを増やす

まずは餌入れ容器を増やしてみましょう。 「別のところにも餌がある」という認識を持たせるだけです。普段の餌入れはそのまま設置し、新しい餌入れをもう一つケージに取り付けて下さい。「どっちを食べようかな?」と考えるようになります。餌入れを止まり木の横ではなく、少し食べにくいところに好物をいれたエサ入れを設置することで、鳥に餌を探すという行動を促進させます。3つ以上取り付けると反対に探すというより、何処でもいつでも食べれるという認識が強くなってしまいます。どっちを食べようかな?と考えるようになります。餌入れを毎回異なる場所に設置することでも良いです。

餌入れに障害物を入れる

餌入れの中に物を入れて、食べる邪魔をしてみるのもフォージングになります。 いつも使っている玩具とか、ペットボトルのキャップなど怖がらないものが良いですが、障害物が軽いと鳥が自ら口を使って取り除いてしまいます。ビー玉やおはじき等の少し重たい物を障害物として使うのも手でしょう。 最初はできるだけエサが見えるような感じで、障害物を少し動かせば餌が食べれるようにします。複数の障害物を入れて簡単には食べられないようにすると難易度が上がります。どうしても簡単に食べられてしまったり、障害物が軽い場合は、ビー玉やおはじき等の少し重たい物を使います。

その他

他にも紙コップ法(紙コップにエサ入れにして、大きなインコなら紙コップに頭を突っ込んで食べたり、小さなインコならコップを倒して中に入って揺れながら食べたりします)、マットにエサをばらまく法(天然繊維を編んだようなマットにエサをばらまくと隙間にエサが入り込むので、探しながらついばむ)など自作で色々な方法が行われています。

フォージングトイを使う

鳥用のフィージングで使える商品やおもちゃも多数販売しています。

インコのおもちゃの選び方とお薦め商品はコチラ!

選び方

飲み込めない大きさ

餌を口にする際に飲み込める小さい物は避けて下さい。鳥が飲み込めないような大きめのものを使いましょう。

中毒物質を避ける

金属製の物質は中毒を起こす可能性があります。特に鉛・亜鉛・銅はアレルギー物質として出やすいようなので避けて下さい。

慣れてきたら別の物に変える

鳥がしかけを覚えて、容易にエサを食べるようであれば、別のものに変えないと効果がありません。

お薦め商品

第9位 ナチュラルペットフーズ トイスナックパラキートボール 6個入り

 

食いしん坊インコならおやつボール!種子をボール状に固めたシードブロックのおやつで、転がして、崩して、夢中に遊んでストレス解消になります。崩しながら食べさせるので、フィンチでなくてインコ向けの商品です。乳酸菌も配合され、健康にも気を使っています。

第8位 サンコー バードトイ だるまっピヨ

 

けんかっ早い鳥向け!ダルマ型のフォージングトイで、鳥がダルマをつついたり、倒そうとすると頭からエサがこぼれおちてきます。なんとも可愛い・・・サイズは直径4cm、高さ5.5cmで、ブンチョウからオカメインコまで使えますが、性格的にはセキセイインコやラブバード向けと思われます。

第7位 ナチュラルペットフーズ エクセル くるくる観覧車

 

好奇心旺盛なセキセイとラブバード向け!観覧車の箱にエサを入れて下さい、回して遊んでこぼして食べます。最初は怖がるかもしれませんが、3日目くらいからは怖がらなくなります。

第6位 サンコー フォージングトイ ころころドラム

 

オカメインコやラブバード向け! 透明のドラム缶を転がした時に、3つの穴からエサが転がって出てきます。3つの穴のサイズを調整できるので、難易度も上げることがでてきます。サイズが約6cmなので大型のオウムにも使えます。

第5位 知育フォージングボール

 

迷ったらまずはコレ!透明なボールをコロコロと転がして、穴から少しずつエサがでてきます。2つの穴のサイズを使い分けて、初級、中級、上級とグレードアップして下さい。ボールは3cmサイズなので、セキセイインコ~オカメインコまでが対象です。

第4位 Sefod オウムおもちゃエサ入れ

 

中型~大型オウムならまずはコレ!透明アクリル製の箱型のエサ入れですが入口が小さく出来ています。簡単に取れないので、 遊びながら少しずつエサを食べます。なかなか食べれないと鳥は興奮しながら、必死に食べようとします。早食い防止もできますので、肥満予防にもなります。つるしてもよいし、床に転がしても使えます。

第3位 エサ台吊りフィーダー

 

隠れ1位!まるで野鳥観察!鳥が木にとまって幹穴から虫を探したり、種子をついばむ行為を再現した商品です。ボールのサイズは約9cm、下のトレイは約15cm、取り付け時の全長は23.5cmになります。トレイは非常に厚いので、止まり木にもなり、エサが散らばるのも防ぎます。 高強度&耐久性も抜群です。金属のポールはステンレスなので中毒の心配も不要です。ジュウシマツやブンチョウなどのフィンチ~中型のオカメインコまで使えます。

第2位 サンコー バードトイさらっピヨ

 

ブンチョウに大人気!ゆらゆら揺れるお皿型フォージングトイです。野生でも枝にとまった鳥が風に揺れながらエサをついばんでいますよね?直径6cm、高さ5.5cmです。やなんちゃなブンチョウにとても人気があります。もちろんセキセイインコやラブバードでも使えます。

第1位 サンコー フォージング入門 ペーパーボックス

 

安い!安全!80%の鳥が使う!やっぱりこれになります、第1位は・・・紙の箱を鳥が転がして、穴からエサが出てきます。かじり壊して取り出す鳥もいます。人の食品用資材を使用して作られ、接着剤不使用なのでかじっても安心ですね。三角タイプが2種、四角タイプが3種入っています。

まとめ

フォージングトイは購入すれば簡単に使えるのでお薦めですが、沢山買うとお金もかかります。日用品の中で色々と工夫を凝らした物を鳥に与えて反応を見て下さい。こんな物が使える、あんな物が使えると・・・フォージングトイのことで頭を一杯になってしまいますね。