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専門獣医師が解説するヘビのパワーフィーディング

5 ヘビのQ&A この記事は約 4 分で読めます。 7,913 Views

パワーフィーディングとは?

ワーフィーディング(Power feeding)は、大型の生体を仕上げる際に、ガンガンと餌を与えて早く大きく発育させるエサやりのことです。一般的にヘビのエサやりは、お腹周り前後の大きさのマウスを週1回に1~2頭を与えますが、パワーフィーディングでは1回に与えるマウスを多くしたり(チェーンフィーディング:Chain feeding)、週2回与えたりします。つまり、普通に成長するよりも給餌量を増やして、急速に大きくする手法です。爬虫類は代謝によって消費するエネルギーが変わりますので、餌にあまり興味ない時もあります。パワーフィーディングをしても食べない時は、無理しないで下さい。採食量が増えて栄養過多になり、結果的に拒食になったり、普通に給餌した個体と同じ成長速度で終わることもあります。

ヘビ

パワーフィーディングの目的は以下の通りです。

  • 早く繁殖を行いたいので成熟した体にさせる
  • 産卵前の栄養補給
  • 産後や病気からの回復期の栄養補給

早く繁殖を行いたいので成熟した体にさせる

爬虫類の性成熟は体の大きさで決まります。野生ではゆっくりと成長しますが、飼育下では多くのエサを急速に与えることで、繁殖を早くにできるようになります。急いで大きくして繁殖をしても卵巣が未発達なために、無精卵ばかり産むこともあります。

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産卵前の栄養補給

繁殖期を迎えて産卵するには、栄養がとれていないといけません。栄養不良だと発情もしないし、卵も産みません。

産後や病気からの回復期の栄養補給

産後や病気からの回復期は、体力をつけるためにパワーフィーディングをすることもあります。

ちなみにチェーンフィーディングとは?

チェーンと略されたりもします。例えばマウスを飲み込んでいる時に、そのマウスの後方から次のマウスを続けて飲ませる方法で、鎖のように続けて食べさせます。チェーンフィーディングはヘビの意思に関係なく行うので動物虐待ともいわれ、賛否両論です。

パワーフィーディングのデメリット

  • 吐き戻し・消化不良
  • 代謝製骨疾患
  • 餌代がかかる

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吐き戻し・消化不良

通常よりも多めのエサを与えるためリスクが高くなります。

代謝性骨疾患

急に成長させるので骨の発育がついていかず、骨が薄くなったり(骨軟化症)、変形したりします。

餌代がかかる

予算と相談して下さい。

パワーフィーディングのコツ

  • 温度/湿度管理
  • 好物の餌
  • 小さめの餌

温度・湿度管理はしっかり

パワーフィーディングをした後は、温度・湿度管理は普段よりも入念に行って下さい。消化不良を起こす原因になります。

好物の餌

嗜好性の高い餌を使った方がよいです。ヘビの場合は生きたマウスがよいでしょう。

小さめの餌

普通に与える大きさの餌よりも、小さめにしてください。マウスええ言えば、LサイズのものをMサイズに変更します。大きな餌を1つ食べるよりも、小さな餌なら2つ食べたりします。

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まとめ

パワーフィーディングは目的と生体のことをよく知った上で行ってください。良いと思ってやったことが、反対に体を壊す原因にもなりかねないです。無理なパワーフィーディングは絶対にやめてください。

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