ウサギの目に膜がかかってきました・・・?専門獣医師が解説する偽翼状片
目に膜が・・・どういうこと?
結膜が増殖して同心円状の組織弁として、角膜の中心へ向かって伸びてくる病気を偽翼状片(ぎよくじょうへん)と言います。
偽翼状片って名前の意味は?
目の外傷や火傷、結膜炎や角膜潰瘍などの回復過程で、鳥の翼のように結膜の一部が増殖する翼状片と言う病気がありますが、偽翼状片の場合は同心円状に全ての結膜が増殖している点が翼状片と異なるために、このように命名されました。偽翼状片による結膜の増殖は進行して中心部以外の全域まで広がる場合もありますが、ほとんどが角膜表面の半分くらいで止まります〔Dupont et al.1995〕。
症状は?
ウサギでは翼状片は起こらずに偽翼状片のみが発生し、片目または両目で見られます。増殖した結膜により、ウサギは視覚が狭くなりますが、一般的に炎症や出血もせず、痛みも伴いません。
治療は?
翼状片と違って原因はよく分かっていませんので〔Donnelly 2011〕、どの薬を使っても効果的でなく、外科的に伸びた結膜の切除手術のみが推奨されています。しかし、単に切除だけでは再発することが多く、術後に免疫抑制剤の点眼をします。それでも再発する場合もあり、切除部位の埋没縫合が推奨されています。
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参考文献
■Donnelly TM.Rabbit Ophthalmology.ABVP Proceeding. 2011
■Dupont C,Carrier M,Gauvin J.Bilateral precorneal membranous occlusion in a dwarf rabbit.J Small Exotic Anim Med3.41‐44.1995