専門獣医師が解説する鳥の足環とは?
鳥たちがはめている足環とは?
鳥の足についているリングのことで、これは個体識別のためについています。
どんな鳥に付いているの?目的は?
以下の鳥に足環が付いています。
- 野鳥
- レース鳩
- 飼い鳥(ブンチョウ、ジュウシマツ、カナリア、大型のオウム)
野鳥
野鳥では調査のために識別票として付けられることがあります。鳥類標識調査(Bird banding:バンディング)と言って、1羽1羽の鳥が区別できるための記号や番号が足環に印刻されています。鳥の移動や寿命について正確な知識を得るという調査を行っています。
レース鳩
レース鳩は協会から配布されの足環と個人での足環が付いています。
飼い鳥
繁殖(CB)個体では、個体認識する為に左右どちらかの足に付いています。ブンチョウ、ジュウシマツ、カナリアのが付いていることが多く、ブリーダーによっては、個体番号や性別判定のためです。大型のオウムでは、密輸個体を無くすため、繁殖個体である証明のめに足環が用いられます。
足環の種類は?
足環には閉式(クローズバンド)と開式(オープンバンド)があります。盗まれた鳥や密輸では後付けできるために、取り外しが出来るオープンバンドは問題があるともいわれています。しかし、調査個体は後づけなのでオープンバンドです。繁殖個体は最近はクローズバンドが主流になっています。主にステンレス製の閉式が使われていますが、一部はアルミ製のものもあります。ブンチョウ、ジュウシマツ、カナリアではプラスチック製のものが多いです。
種の保存法の平成30年6月の一部法改正され、コバタンやヨウムなどのペットの鳥は、個体識別措置が義務付けられました。個体識別措置とは、足環(閉式で3桁以上の識別刻印)の取り付けが義務化され、足環以外ではマイクロチップの装着になります。
問題はあるのか?
成長とともに足環がきつくなったり、足環が引っかかって事故になったりして、足が腫れたり、ケガをする場合は、専用工具を使ってカットして外さなければいけません。