専門獣医師が解説する和鳥の鳴き合わせ会
和鳥
古くから日本に棲息する野鳥を「和鳥」 と呼び、捕獲したメジロ、ウグイス、ホ オジロ、ウソ、マヒワ、ツグミ、オオル リ、コマドリ、キビタキ、ショウビタ キ、ルリビタキ、ミソサザイ、ヤマガ ラ、コガラなどの鳴禽類は、姿の綺麗に加えてさえずりや鳴き声を楽しむために飼育されてきました。平安時代から、貴族、裕福な商人や武士の優雅な趣味とされていました。野生では昆虫を主食とするため、飼 育下ではすり餌と呼ばれる粉餌を水で溶かして与えて飼育します。多くの場合は、さえずりや鳴き声はオスが得意とし、通常は オスの方がメスよりも色彩もきれいで美しいため、飼育する個体はオスが多いです。
競鳴会
明治時代からは、メジロ、ウグイス、ホ オジロは鳴き声を競い合う鳴き合せ会(競鳴会)が全国各地で開催され、優勝 した鳥には数十万円の値段がつくこともありました。野鳥の乱獲および高沸する賞金のため、法的に飼育規制が強くなり、2011年時点では鳥獣保護法で規定されたメジロのみが都道府県知事の許可を受けた場合、1世帯1羽までの捕獲、飼育が認められていましたが、その後2012年以降は、愛玩目的での国産野鳥の捕獲および飼育を全面的に禁止になりました。
外国の和鳥
ただし、国内でなく外国で捕獲した野鳥に関してはこの規制が適用されず、飼養羽数の制限もない。現在は競鳴会に参加できる和鳥 は、和鳥の名とは裏腹に、鳥獣飼養許可証か鳥獣輸入証明書を 携帯した外国産鳥類となっています。下の写真のメジロはタンザニア産のアフリカヤマメジロです。