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エサとしての昆虫・軟体動物

虫とか与えることできますか?

●哺乳類、鳥類、爬虫類・両生類では昆虫を主食に、あるいはエサのメニューの一つとして与える種類がいます。

  • ハリネズミやフクロモモンガの主食
  • シマリス、スローロリス、ピグミースローロリス、リスザルへのタンパク源
  • ブンチョウ、ジュウシマツへのタンパク源
  • ヒョウモントカゲモドキ、フトアゴヒゲトカゲの主食
  • カエル、イモリの主食

●昆虫では、コオロギ(フタホシコオロギ、ヨーロッパイエコオロギなど)、ゴキブリ(デュビア、レッドローチなど)、ワーム(ミルワーム、スーパーワーム、ハニーワーム、ブドウムシ、シルクワームなど)、ハエなどが代表的です。軟体動物では、ナメクジ、カタツムリ、タニシなどが使われます。他にもミミズ(シマミミズ、糸ミミズなど)、エビ(ヨコエビなど)、ブラインシュリンプ、ダンゴムシやワラジムシなど、を与える動物によって使い分けます。
●昆虫や軟体動物をエサとして与える場合、野生で捕まえるか、ペットショップで生き餌として購入するかです。生き餌以外にも、死んで乾燥させたり、缶詰になったりしている商品もあります。
●昆虫や軟体動物のエサは栄養の問題が指摘され、単食は避けたほうがよいとされています。コオロギやワームは、カルシウムやビタミン・ミネラルが低いといわれ、主食あるいは単食として与えると代謝性骨疾患ならびにくる病になります。与える場合は、これらのエサに粉のカルシウム剤やビタミン・ミネラル剤を振りかけてから与える(ダスティング: Dusting)、あるいは適切な栄養がとれたエサを昆虫に与えた状態(ローディング:Loading)で、与えることが常法として広まっています。
ガットティング  カルシウムの粉

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●昆虫は外骨格(成分はキチン)を持っており、エサとして与えると、羽根や足が消化できずに糞と一緒に排出されます。キチンは、食物繊維であるセルロースと似た構造をしており、消化されません。食物繊維は腸の動きをよくするもので、消化されないキチンもその役目を果たしている可能性があります。

ダスティングとローディングやっていますか?

種類

コオロギ(フタホシコオロギ、ヨーロッパイエコオロギ)

●一般的にフタホシコオロギと、それよりも小型のヨーロッパイエコオロギが市販されています。生き餌の与え方は、単にケージ内に入れればよいです。
●フタホシコオロギは爬虫類専門店で SS、S、M、L と各サイズ売っているため使いやすいです。
フタホシコオロギ  コオロギSS
●ヨーロッパイエコオロギはやや小型で、フタホシコオロギと比べて、柔らかくて嗜好性が高いかもしれません。また跳躍力があるため、食べる動作が遅い動物に対しては、コオロギの脚を折ってから与えないと、捕まえて食べにくいです。
●フタホシコオロギはタンパク質ならびにアミノ酸、脂肪、ビタミンのバランスがよいエサです。フタホシコオロギよりも体が柔らかく、消化がよいです、
●ヨーロッパイエコオロギは栄養価を調べた論文が多いですが、コオロギを絶食させた状態と何らかのエサを与えた状態などの条件がバラバラで知らべられていますので、それぞれの文献の比較が難しいです。ヨーロッパイエコオロギも、基本的にはタンパクとエネルギーは十分ですが、カルシウムが少ないです〔Finke 2002,2015〕。フタホシコオロギも同様と思われます。
●管理するには25~28℃で、プラケースなどに入れ、水とエサを与えて飼育してください。
●コオロギは専用のペレットや飼育セットも市販されているため、比較的簡単に自家繁殖もできます。ローディングではカルシウムの多い野菜、砕いたハムスター用ペレット、ひよこのエサなどが使われています。
コオロギ飼育  コオロギ飼育
●生き餌以外に、冷凍や煮沸し缶詰に詰めた製品も売られています。
乾燥フタホシコオロギ

ゴキブリ(デュビア、レッドローチ)

●エサ用のゴキブリは足に滑り止めがないため、ガラスやプラスチックの壁を登ることができません。コオロギのようにジャンプをしないため、扱いやすいエサです。栄養価や嗜好性がとても高く、コオロギに飽きてきた個体もよく食べます。
●デュビアとはアルゼンチンモリゴキブリのことで、エサとしての嗜好性が高く、特にフトアゴヒゲトカゲは好物となるエサです。デュビアは動きが速くなく、鳴かないし、臭いも少ないため、飼育や扱いが簡単です。
●レッドローチは、トルキスタンローチ、レッドランナーとも呼ばれます。デビュアに比べて、油っぽい臭いがするのが欠点です。
●デュビアは成虫になるまでに半年かかり、繁殖するペースが遅いですが、レッドローチの繁殖速度、繁殖サイクルが早く、2週間に一回くらいのペースで卵を持ちます。

ワーム

●ワームにはミルワーム、スーパーワーム、ハニーワーム、ブドウムシなどの甲虫の幼虫が販売されています。ワームのクネクネした動きが食欲を誘い、食いつきがよいという特徴がありますが、栄養面での問題が多いです。

ミルワーム

●ミルワームはチャイロゴミムシダマシという甲虫の幼虫で、穀物などの害虫ですが、野鳥のエサとして普及していました。
●小麦の外皮であるフスマと一緒に容器に入って販売されています。保管は約25℃で管理してください。
●体は硬いので、ファイヤーサラマンダーなどの小型の有尾類はあまり好みません。ミルワームが成長してサナギや成虫になるともっと硬いです。脱皮したてのまだ白っぽいワームは柔らかいので使いやすいですが、いつでも確保できるものではありません。
●栄養的には蛋白質は十分ですが、全体的にミネラル分が少なめで、特にカルシウムが少ないです〔Finke 2002〕。ガットやローティングドしてあげてください。
●フスマはカルシウム含有量が多く、フスマを食べているミルワームは腸管内にカルシウムを含んでいるという考えもあり、絶食していない限り、カルシウムが少ないということもないかもしれません。その真偽に関しては、今後の研究に期待しましょう。
ミルワーム  スーパーワーム

スーパーワーム

●ロイヤルミルワーム、ジャンボミルワーム、スーパーミルワーム、ジャイアントワーム、スーパーワームなどと呼ばれており、ツヤケシオオゴミムシダマシという甲虫の幼虫です。
●ミルワームに比べて体が大きく、噛みつく力が強いため、丸飲みするような動物に与える場合はあごを潰してから与えた方がよいかもしれない。
●栄養的には、ミルワームと同様に蛋白質は十分ですが、全体的にミネラル分が少なめで、特にカルシウムが少ないです〔Finke 2002〕。蛋白質とエネルギー量はミルワームよりも高くなっています。ガットやローティングドしてあげてください。
●やや消化もしづらく、多めに食べると吐き戻しや消化不良の原因となる場合もあります。 
スーパーワーム  スーパーワーム

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ハニーワーム

●ハチノスツヅリガという蛾の幼虫です。
●ハチミツを食べているため高脂肪で、体力の落ちた個体や産後の個体に適しています。
●ハニーワームはツヅリガ(綴蛾)という名の通り、周囲にあるものを体のまわりに綴って巣を作るため、ワームをこの巣から取り出すのが面倒になります。
ハニーワーム  ハニーワーム  ハニーワーム

ブドウムシ

●ブドウスカシバという蛾の幼虫が餌として使われており、それを釣り餌として養殖したものが販売されていますが、やや高価です。

シルクワーム(カイコ)

●シルクワームはカイコガ科のカイコガ(中国のカイコの人工改良種で、日本のカイコとは異なります)の幼虫で、栄養のバランスがよく、柔らかくて嗜好性がよいです。1~5令の各サイズが使えます。
●自家繁殖は桑の葉やカイコ用人工飼料が必要になるため結果的に餌代がかさむため、生き餌や冷凍のものを与えることが多いです。

ハニーワーム・ブドウムシ・シルクワームは高栄養ワーム

ハエ

●ハエはどこにでもいるので、バナナなどの果物を少し発酵させビンに入れておけば採集も容易です。
●ペットショップで飛ばない小さなショウジョウバエが販売しています
●ハエは自家繁殖もできますが、脱走されたりすると面倒なので、ペットショップで購入することをお勧めします。

ショウジョウバエ

●キイロショウジョウバエのことで、昔から遺伝学等の動物実験に用いられているため、飼育法も確立され、人工飼料も販売されています。
●ヤドクガエルなどの小型のカエルに与えるエサとしてよく使われます。また、トカゲの場合でも小型の樹上棲種や産まれたての幼体に使用することがあります。
●ペットショップでは通常は、エサ用に人工養殖されたものを利用しますが、痕跡した羽しか持たないウイングレスや飛べないフライトレスと呼ばれる飛翔能力を失ったものが売られています。
●ショウジョウバエの持つ本能として上へ上へと登っていくため、ケージ内の低い位置に放つようにして与えてください。

ミミズ

●ミミズは畑や庭先を掘って採集することも可能ですが、シマミミズならば釣具店、イトミミズは熱帯魚店で餌用に販売されています。幼生から成体まで幅広く使え嗜好性も非常に優れています。
ミミズ
●高蛋白かつ比較的低脂肪で、消化率がよく、比較的多くのカルシュウムを含んでいます。
●シマミミズは養殖魚の餌として実際に使われ、魚には優れたエサとなっています。一部では化学物質や毒物を含むので与えないように書いてあるが、根拠は解熱剤の原料となっていることらしいです。衣装ケースのような大きめのケースに畑の土や腐葉土を入れて野菜くずなどを入れておけば、維持できます。
●イトミミズは水の中で管理しますが、酸欠ですぐ死ぬので、エアーポンプで空気を十分に送り、毎日換水を行なう必要があるので面倒です。管理するのに便利な乾燥や冷凍イトミミズを使うことが多いです。

意外とみんなミミズ大好き・・・

アカムシ

●アカムシはオオユスリカやアカムシユスリカなどのユスリカ類の幼虫で、乾燥アカムシや冷凍アカムシとして販売され、主に熱帯魚のエサとして広まっています。
●赤血球を持っているため赤くみえ、 Blood worm とも呼ばれています。
●嗜好性はすぐれ、特に両生類の幼生にはよいエサになります。
●近年は保菌している微生物をUV殺菌したものや、栄養剤を添加した乾燥アカムシや冷凍アカムシが販売されている。
赤虫  赤虫

スーパー赤虫!UV赤虫!

ブラインシュリンプ

●イモリのオタマジャクシなどは、基本的に生き餌しか食べないです。オタマジャクシは孵化後数日~1週間でエサを食べはじめますが、エサの準備をしなければなりません。夏であれば、池や水田で発生しているミジンコなどを採取して与えます。しかし、入手が面倒なので、通常は、熱帯魚用のエサのブラインシュリンプの卵を孵化させて与えるような方法がとられています(専門の孵化容器も販売されています)。
●アメリカのカリフォルニア州北部、サンフランシスコ湾とサンパブロ湾産の塩水性のエビの仲間です。休眠した乾燥卵が熱帯魚店で販売され、昔はシーモンキーと呼ばれていました。
●乾燥した卵を25~28℃ で 2%の食塩水で 約1日で孵化してきます。
  
●塩水中のブラインシュリンプの幼体をスポイトで吸い取り、塩水をガーゼなどで濾してから与えます。
  
●エサを食べたイモリのオタマジャクシは、消化管が赤褐色に透けてみえることから、判断できます。

●乾燥卵は冷暗所で維持した場合1年ぐらいはそれほど孵化率は落ちません。

エビ

●カワエビとヨコエビがエサとして使われ、これらを乾燥したものがエサとして売られています。
●テナガエビやヤマトヌマエビも熱帯魚店や日淡店で販売されているが餌用ではないので高価です。
●乾燥したエビは嗜好性がよく、半水生カメではよく好んで食べられています。しかし、栄養のアンバランスも指摘されているため、あくまでも副食として与えてください。

貝類

●田、沼、池に生いる巻貝のミックス(モノアラガイ、サカマキガイ、ラムズホーンなど)が売られています。
●貝類は半水生あるいは水生のカメがよく好んで食べています。特にタニシなどの巻貝が食べられています。
●他の生き餌に比べると専門店での扱いが少ない分やや入手性が悪いのが問題です。
●陸棲の種類には、陸棲の巻貝であるカタツムリを与えることがあります。
●アフリカマイマイの殻を取り除いた缶詰が売れています。モニターやデグートカゲなどにとっては好物です。
アフリカマイマイ缶詰  アフリカマイマイ缶詰

ワラジムシ・ダンゴムシ

●庭や公園の石の下などにいるので、採取は簡単です
●昆虫とは異なり、甲殻類でありワラジムシやダンゴムシは基本的にカルシウムが豊富とされています(詳細は不明です)。

参考文献

■Finke MD.Complete Nutrient Composition of Commercially Raised Invertebrates Used as Food for Insectivores. Zoo Biology21.269-285.2002
■Finke MD. Complete Nutrient Content of Four Species of Commercially Available Feeder Insects Fed Enhanced Diets During Growth. Zoo Biology34.554-564. 2015