専門獣医師が解説するイモリとサンショウウオの違い?
違いがあるの?
両生類有尾目に、サンショウウオとイモリが含まれます。有尾目は一般に冷涼で多湿な気候を好み、分布はほぼ旧北区(シベリアでは北極圏にまで広がっている)と新北区に限られています。林床の落ち葉の下や木や石の陰等に生息する半地中生の種、ほとんど地上に現れない地中生の種、水辺で暮らす半水生の種、完全に水生の種、一部には樹上で生活し繁殖も樹上で行う種、洞窟内や地下水流で生活する種などがいます。基本的に、外見は細長い胴体と長い尾、前後とも同じ長さの短い四肢を持ちます。有尾目にサンショウウオ上科とイモリ上科が分類されていますが、イモリ上科の下にサンショウウオが属しているように混沌としています。しかし、イモリとサンショウウオの生物学的な相違はあいまいで、伝統的にどちらかの名前で命名されてきたものです。
表:有尾目の分類
サンショウウオ上科Cryptobranchoidea | オオサンショウウオ科 Cryptobranchidae |
サンショウウオ科 Hynobiidae | |
サイレン上科 Sirenoidea | サイレン科 Sirenidae |
イモリ上科 Salamandroidea | トラフサンショウウオ科 Ambystomatidae |
オオトラフサンショウウオ科 Dicamptodontidae | |
イモリ科 Salamandridae | |
ホライモリ科 Proteidae | |
オリンピックサンショウウオ科 Rhyacotritonidae | |
アンフューマ科 Amphiumidae | |
プレソドン科 Plethodontidae |
サンショウウオという名称
サンショウウオは山椒魚、鯢、䱱魚と言う漢字が使用され、一般的には両生綱有尾目サンショウウオ上科に属する動物の総称で使用されます。この記述には信頼できる情報源の提示が求められています。古くは椒魚(はじかみいお)と呼ばれ、日本、中国、台湾、アメリカなどに生息しています。山椒魚(サンショウウオ)の名は、体にサンショウに似た香りがある種がいることによります。かつては食用として捕まえたサンショウウオを縦に裂いて、片半分を川に放流すると自然にもう片半分が再生して元のサンショウウオに戻るという伝説から「はんざき」(あるいははんさき、半裂)とも呼ばれていました。英称のサラマンダー(Salamander)はイモリの仲間も含めた概念であり両者はあまり区別されず、一般的に陸棲であればサラマンダー、水棲であればニュート(Newt)と呼び分けられています 。
棲息地域の相違
イモリの仲間は半水棲の種類が多く、1年のうち数ヵ月を水中で過ごすため、遊泳に適した平たい尾をもっていることが多いです。一しかし、サンショウウオの成体は繁殖期以外は陸地に住んでいますが、イモリの成体は沼や池、流れの緩い水路など水中に住んでいます。
皮膚
他の両生類と同じように、皮膚には鱗がなく粘膜に覆われますが、イモリはザラザラで、サンショウウオはツルツルな皮膚をしています。
体の筋
肋条とは脇腹に見られる数本の溝状の筋のことで、サンショウウオに特徴的なものです。
繁殖方法
イモリはメスが体内に精子を取り込み産卵時に受精させる体内受精を行いますが、サンショウウオは産卵後にオスが放精する体外受精によって受精します。
産卵方法
イモリは卵を1つずつ水草などに産みつけ、産卵場所は流れのない水です。一方で、サンショウウオはたくさんの卵がはいった塊り(卵嚢)を産みます。卵嚢は数珠状につながった寒天質に包まれた多数の卵をで、バナナ状やコイル状をしており、1つのさやにつき数個〜数十個の卵が入っており、産卵場所は流れの少ない水です。
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