1. TOP
  2. 7 診察・治療
  3. ハムスターの糖尿病の治療

ハムスターの糖尿病の治療

 2020/03/22 7 診察・治療   1,773 Views

ハムスターに糖尿病は多いのか?

●遺伝的にキャンベルハムスター、次いでチャイニーズハムスターに見られます。ジャンガリアンハムスターでもイエロー(プッティング)に遺伝性素因があります。遺伝性素因のある糖尿病は若齢個体から発症します。

症状は?

●肥満個体に多いですが、初期症状は元気と食欲には何も影響しません。多飲多尿のみが見られます。

●多尿のために床敷が常にオシッコのために濡れていますので、常に交換しないといけなくなります。
ハムスター
●進行とともに痩せていくことが多く、合併症として感染症、腎不全、白内障などが起こる個体もいます。
ハムスター

どうやって検査するの?

●採血は眼窩静脈叢あるいは心臓採血になるので、臨床的ではありません。一般的には尿検査で仮診断を下し、モニターも尿量などから観察して判定をします。
 

治療おしえて?

●犬猫で行う注射薬は手技的な問題から、積極的に行いません。また副作用の低血糖が起きても静脈投与ができないことなども問題となります。
●下記の表は実験動物での経口の糖降下剤の分類と薬用量をまとめましたが、これは薬剤の承認を得るための投与量で、臨床的ではありません。もし臨床的に使用する場合は、その1/8~1/32くらいの量からスタートしています。今後の発表等にご期待下さい。
表:げっ歯類に使用する糖降下薬

薬剤分類 作用 副作用 薬用量
スルホニル
尿素薬(SU薬)
・ランゲルハンス島β細胞のインスリン分泌促進 ・血糖降下作用が強い→低血糖 ダオニール
(グリベンクラミド)
9-12.6mg/25-35gマウス〔Chahal 2011〕
アマニール
(グリメピリド)
ビグアナイド薬 ・肝臓からのグルコール抑制
・筋肉でのインスリン感受性を高める
・胃腸障害
・SU併用は避ける?→肝障害
メトホルミン(メトホルミン)
150-600mg/kg肥満糖尿病マウスSID 28日間
90-270mg/kg肥満糖尿病ラットSID24日間
50mg/kg高フルクトース食負荷モデルラット〔メトホルミン塩酸塩製造販売承認申請 CTD 第2部〕
αグルコシダーゼ阻害薬 ・腸管での糖の分解を抑制して吸収を遅らせる
・食後の高い血糖を抑える
・他剤との併用
・下痢
・時に肝障害
グルコバイ(アルカボース)
2mg/kg BID
〔犬と猫の内分泌疾患 ハンドブック2011〕
ボグリボース
〔武内ら.糖尿病治療薬の基礎 ―糖尿病モデル動物と糖尿病治療薬の開発日薬理誌128.37-41.2006〕
チアゾリジン薬 ・抹消でのインスリン感受性を高める
・肝臓からのグルコール放出抑制
・心不全
・重篤な肝臓
・腎不全は禁忌
トラゼンタ(リナグリプチン)
1mg/kg〔Tadayyon et al. 承認時評価資料〕 3mg/kg/日8週間〔Blüher et al. 承認時評価資料〕
多剤併用
リナグリプチン1mg/kg+メトホルミン200mg/kg db/db マウス〔Thomas et al. 承認時評価資料〕

●食事療法として野菜を多く与え、ヒマワリなどの油の多いエサは控えてもらいます。
●感染症、腎不全、白内障などの合併症の確認も定期的に行わないといけません。

\ SNSでシェアしよう! /

エキゾチックアニマル獣医師情報室の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

エキゾチックアニマル獣医師情報室の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • アメゴムカラーとは?

  • 両生類用リンゲルの作り方と使い方

  • インコのメガバクテリアの治療

  • ウサギなどの麻酔ボックスはどうしてますか?

  • フェレットの多血症?血液ドロドロ?

  • カメの甲羅損傷で使用する樹脂は?