専門獣医師が解説するウサギの被毛の管理〔Ver.2〕ブラシの仕方教えて!
目次
ウサギが嫌がってできない~
ウサギは綺麗好きで、毛づくろい(グルーミング)に多くの時間を費やし、多頭飼育では同居同士で毛づくろいをし合うこともあります。毛づくろいは死毛やフケを取り除き、毛のもつれを予防し、皮膚の衛生を保つために重要な行動です。体全体の毛繕いを様々な姿勢をとりながら行い、顔や耳は前足を使い、体や四肢はなめて毛づくろいをします。
長毛種のウサギにとって完全な毛づくろいは難しく、毛づくろいができない部分や毛づくろいができない状態に陥ったウサギでは、皮膚の状態が悪化します。切歯の不正咬合は毛づくろいを減らし、肥満・関節炎・背骨の変形(脊椎症・脊椎湾曲症)などの身体の柔軟性を低下させる状態は、毛づくろいの能率を低下させます。さらに細くて腰のない毛は、陰部や肛門周囲、後足内側、お腹などでもつれやすく、糞や尿を吸収して、毛球ができやすくなります。毛玉ができたら、飼い主がウサギのブラシなどで毛をすいてあげないといけません。
ブラッシングをしながら、目や耳、足裏、お尻などの異常も確認でき、健康チェックをすることもできます。ノミ・ダニが発見できることもあります。ウサギを入浴させたり、シャンプーをすることは多くの問題を生じます。密で細く腰のない毛は濡れるともつれを生じ、濡れてもつれた毛を乾燥させることも難しく、さらに入浴やシャンプーは過大なストレスとなります。ウサギの被毛と皮膚の手入れは、汚れがひどい場合以外は、ブラッシングを中心に行うべきです。
多くのウサギにとって人にブラシをかけられることは好きではないので、嫌がって抵抗して逃げてしまいます。強引に押さえつけてケガをしたり、ブラシの歯があたって皮膚を傷つけるような事故も起こります。何度か繰り返して短い時間で行い、優しく声をかけながら、少しづつ時間が長くしてみましょう。
・不正咬合や年老いたウサギは毛づくろいが上手くできない
・基本的にウサギは入浴やシャンプーはしない
・毛の管理は基本的にブラッシングを行う
ブラッシングでダニチェック!
ブラッシングは皮膚に刺激を与え血行を良くする効果もあるので、毛なみが奇麗になる上、皮膚の状態も良くなります。ブラッシングを行う時に、よく目を凝らして毛や皮膚も観察して下さい。目が良い人ならば、動いているダニを確認できます。ダニは光に当たると毛の奥の暗い所に移動します。
毛でモサモサしていて分からないですが、ブラッシングで毛をかき分けてみると、ケガをしていたり、カサブタやフケの有無も確認できます。皮膚炎やカビの初期発見につながります。
選び方
長毛種や毛玉がある場合はコーム
コームとは櫛のことで、長い毛では毛の絡みをほぐして毛並みを整えたり、毛玉をとるのに役立ちます。
コームには目の粗い部分と細い部分が両方付いている商品が便利です。先に目の粗いほうでとかし、次に目の細かいほうでとかして絡まりをほぐします。特にお尻周りは長い毛が多く、毛玉も出来ていることが多いので、コームがとても役にたちます。
毛が取れやすくなるグルーミングスプレー
グルーミングスプレーを使うことで、ブラシですく時に古い毛が簡単にとれやすくなります。全身の毛に吹きかけて、マッサージをするようにもみこんで、毛の根本までなじむようにして下さい。
マッサージ効果もあるラバーブラシ
ウサギの毛は表面の固い毛であるオーバーコートと皮膚に近いふわふわの柔らかい毛であるアンダーコート下毛2種類からなります。オーバーコートはラバーブラシを使って背中を軽くとかすだけで、古い毛がブラシに張り付いて簡単にとれます。ラバーブラシはブラッシングとともに皮膚へのマッサージ効果がありますので、軽く撫でるようにとかすだけでも皮膚を健康に維持するのに効果的です。ラバーブラシはゴムあるいはシリコン素材で出来ているので、使用後は簡単に水洗いもできます。痛くないので嫌がらず、どんなウサギでも使えますので、必ず1つは持っていたほうが良いです。
たくさん抜けるウサギにはスリッカーブラシ
スリッカーブラシは細い針金で出来たブラシで、主に皮膚に近くにある、ふわふわとした柔らかい毛であるアンダーコートをとるのに役立ちます。
ウサギが痛がらないよう少し深くスリッカーブラシを入れて、ゆっくりと丁寧にとかしてとりのぞいてあげて下さい。ブラシの針金にしっかりと抜け毛がひっかかるので、換毛期にはあっという間に、ごっそりと毛が抜けます。
スリッカーブラシの歯先が肌に当たると痛いので、なるべく肌に当たらないようにして下さい。針金の端がゴムなどで保護されている商品が理想です。
ピカピカになる豚毛ブラシ
豚の毛でできたブラシです。豚毛は適度な水分や油分が含まれているため、静電気が起こりにくく、そしてグルーミングの仕上げの時に毛の外側をなでるように優しくブラシをかけるだけでも、艶々として毛つやがでます。飼い主にもとても満足感がでてきます。
ブラシ嫌いなウサギにはブラシ付き手袋
ウサギを撫でながらグルーミングができるブラシのついた手袋で、手のひらの部分にラバーブラシのようになっています。グルーミングが苦手なウサギでも、スキンシップの一環としてなでなですることで、グルーミングもついでにできます。他のブラシと比べて、ブラシ部分の面積が広いのが特徴です。
・ラバーブラシはウサギが嫌がらないマッサージ的なブラシ
・一度にたくさん抜けるスリッカーブラシはウサギが嫌がる
・ピカピカになる豚毛ブラシは最後の仕上げ用
・ブラシ嫌いなウサギにはブラシ付き手袋でやらないよりはやった方がよい程度
ウサギのトリミングセミナー
お勧め商品
第7位 グルーミンググローブ
ウサギが怖がらないブラシ付き手袋!誰の手でもあうフリーサイズで、柔らかいシリコン製の丸みのある先端のラバーブラシにようになっています。ウサギが怖がらないような手を妄想する形状でないので安心して使え、グルーミングとして古い毛を取り除くだけでなく、肌へのマッサージ効果もあります。手袋の生地も柔らかくて通気性もあるので、超時間の使用も可能ですし、耐久性もあり、洗濯も可能なので、衛生面も心配いりません。
第6位 ドギーマン ウサギの両目グシ
目のガビガビをとるクシ! 小動物用のステンレス製コームです。櫛の先端が丸ピンになっているので肌に優しく、目の荒い部分と細かい部分が一緒になっている2ウェイタイプです。コームを持ち手がすべりにくいラバーグリップになっているので、ウサギの目の周りについた目やにや汚れなどを取り除くために、細かい部分に櫛をとおす時に大活躍します。
第5位 ドギーマン ウサギのツヤ出しブラシ
テカテカにするブラシ! 小動物用の仕上げ用ブラシで、静電気の起こりにくい、天然の毛を使用しえいます。固さのの違う2種類の毛を使っており、奥まで入り込むための固目の毛とツヤ出し効果のある柔らか目の毛をセットにしたブラシです。ラバーグリップなので、すべりにくいので扱いやすく、ウサギをはじめとする小さなペットのグルーミングにとても役立ちます。
第4位 ファーミネーター 小動物用
ごっそり抜ける快感味わうならコレ!プロ向けのスリッカーブラシで、ウサギに使いやすいように小型化されています。ブラシの後にはワンプッシュボタンで簡単にブラシについた抜け毛を取り除くことができる機能がついてます。グリップは握りやすくなっています。しかし、ウサギがちょっと痛がるかもしれないので第5位です。なお、少し大きなウサギなら猫用の小型S商品がよいです!
第3位 マルカン ミニマルサロン スリッカーブラシ
シンプル安全ゴッソリブラシ!小動物用のスリッカーブラシで、針金に先玉が付いているので肌を傷つけないようになっているので、安心して皮膚に近いところまでブラシをいれることができます。アンダーコートまで絡んだ毛玉などを、しっかりほぐして取り除けますし、抜け毛や古い毛を細かく除去してくれます。ブラシの柄の部分がとても持ちやすいと評判です。
第2位 ペットアンドミー ラバーブラシ
マッサージ効果期待するならコレ!獣医師が推奨するウサギにも使えるラバーブラシです。素材であるシリコンは有害物質を一切含まず、しなやかな材質なので動物の肌に優しく、ブラシをかけるとまるでマッサージ感覚になり、ウサギもうっとり・・・ハードとソフト、さらに長毛用と短毛用の計4種のラインナップがありますが、ウサギではソフトタイプの短毛用がお勧めです。
第1位 岡野製作所 ラビットコーム
高品質で絶対に持っておくべき逸品!ウサギ専用のコームで、針はカーボンスチール製で柄がついています。ウサギ専用に作られているので櫛の目がとても細かくなっており、他社の製品にはない品質の高い商品です。ウサギ特有の細くてやわらかい毛には最適で、プロのトリマーも推奨されており、特に換毛期のグルーミングには欠かせないと多くの声があがっています。
JCRA(ジャクラ)って?何なの?ウサギ検定とは?
ウサギを幸せに長生きさせたい方は、一般社団法人 日本コンパニオンラビット協会(JCRA:ジャクラ)に入会しましょう!
まとめ
ブラッシングの順番は、コーム→スリッカーブラシ→豚毛ブラシで仕上げになります。ブラッシングを嫌がらる場合は、ラバーブラシやグローブを使って遊びながら体を撫でる感じで毛をすいてあげて下さい。