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鳥の糖尿病 |鳥にもあるんだ~

 2020/05/13 7 診察・治療   454 Views

本当に糖尿病なのか?

●血液中の糖(グルコース)が上昇する病気で、血液検査で血糖値が上昇します。グルコースは体内の主要なエネルギー源ですが、鳥は哺乳動物に比べて2倍以上の血糖値を持ち、血糖値を下げるインスリンの作用が低いという特徴があり、血糖値が高い特徴があります。
●哺乳類の血糖値は100~150mg/dLですが、鳥は250~500mg/dLで哺乳類よりかなり高いですが、鳥の血糖値は594mg/dL以下とも言われています〔Hochleithner 1994〕。鳥は高血糖を示しても何も異常を示しませんが、それは初期症状なのか、ストレスなどで高血糖になっているだけなのかは分かりません。鳥の糖尿病は哺乳類とは病態も異なる可能性があることを頭において下さい。

病態

●種子を食べる穀食性の鳥と哺乳類では膵島のα細胞とβ細胞の分布が著しく違っています。人の膵臓はインスリンを分泌するβ細胞が優位ですが、穀食性の鳥はグルカゴンを分泌するα細胞が優位です。穀食性の鳥の血糖値を上昇させるグルカゴンは哺乳類に比べて5~10倍高いです。空腹時のインスリン/グルカゴン比は哺乳類の3.0~3.5に比べて、穀食性の鳥は1.3~2.0にすぎません。
●鳥ではグルカゴンが主要な血糖調節ホルモンと言われていますが〔Hazelwood 1986〕、グルカゴンの上昇を伴わず、インスリン分泌低下したインスリン依存性の糖尿病も存在しているらしいです。もっと詳しく知りたいですね。そうしないと治療もできないです・・・

原因

●鳥での糖尿病の原因は明らかになっていません。遺伝、炎症(卵黄性腹膜炎による膵炎)、感染(ヘルペスウイルス性膵炎)、薬物、肥満などが発症を誘発すると言われています。

どんな鳥に起こるの?

●セキセイインコ、オカメインコ、コンゴウインコ、ボウシインコ、ヨウム、オオハシ、ニワトリ、ハトなどのいくつかの種で報告されています。

症状

●糖尿病の鳥は、以下の症状が起こります。

  • 多飲多尿
  • 削痩
●水を飲む量が増えて、尿の量が増えます。水入れ内の水をほとんど飲みきって、床は水浸しになります。
●発症当初は肥満だった鳥も次第に痩せていきます。血糖値の上昇を促進する一環として、グルカゴンは脂肪分解を強力に促進します。

診断

●多飲多尿の時はまず、尿検査で尿糖を調べます。尿糖が出ている時は、血液検査で血糖値(グルコース)を調べます。
●糖尿病の鳥はケトン尿症〔Hochleithner 1994〕を持っていると報告されており、ケトーシス〔Ganez et al.2007, Desmarchelier et al.2008〕は肝疾患または胃腸疾患が併発している鳥で発生します。
●鳥は採血による保定で、ストレスを伴う有意な高血糖をすぐに示すのが欠点です。ストレスがどれだけかかったかにもよりますが、糖尿病の診断を下すために、持続性の高血糖症と持続性の糖尿を確認します。糖尿病の診断として、792や990mg/dL以上の血糖値と言われています〔Fudge 2000, Pilny 2008〕。

治療

●インスリン依存型の糖尿病であれば、インスリン治療が有効的です。インスリンの注射手技と血糖値のモニターが大きな問題になります。特に小型の鳥に頻繁に注射をすることは現実的ではありません。血糖値が下がりすぎることも大きな問題になりますが、そのたびに血液検査をすることも難しいです。
●血糖降下薬の内服薬によって治療しますが、その薬の選択や薬用量も定まっていません。
●膵炎の可能性がある場合は、抗菌剤や消炎剤、消化剤を使用することがあります。
●肥満の個体では食事管理を徹底して減量に努めます。

 

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参考文献
■Fudge AM.Avian metabolic disorders.In Fudge AM ed.Laboratory Medicine Avian and Exotic Pets.W.B. Saunders Company.Philadelphia.p56‐60.2000
■Desmarchelier M,Langlois I.Diabetes mellitus in a nanday conure.Journal of Avian Medicine and   Surgery3.246‐254.2008
■Ganez AY,Wellehan JFX,Boulette J et al.Diabetes mellitus concurrent with hepatic haemosiderosis in two macaws (Ara severa, Ara militaris).Avian Pathology36.331‐333.2007
■Hazelwood RL.Carbohydrate metabolism.In Sturkie PD.ed.Avian Physiology 4th ed.Springer‐Verlag.New York.p303‐325.1986
■Hochleithner M.Biochemistries.In Ritchie BW,Harrison GJ,Harrison LR.Avian Medicine.Principles and Application. Wingers Publishing.Florida.p223‐245.1994
■Pilny AA.The avian pancreas and health and disease. Veterinary Clinics of North America: Exotic Animal Practice 11.25‐34.2008

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