1. TOP
  2. 3 モルモットの病気
  3. モルモットのビタミンC欠乏症

モルモットのビタミンC欠乏症

 2022/08/19 3 モルモットの病気 この記事は約 5 分で読めます。 989 Views

なぜ欠乏するの?

モルモットの肝臓においてD-グルコースからアスコルビン酸を生成するのに必要なLグロノラクトンオキシターゼという酵素を欠くため、食餌から補給する必要があります〔Nishikimi et al.1992〕。妊娠期または胃腸のうっ滞や感染症消化器などの消耗性疾患時にはビタミンCを消耗するため、必然的に欠乏症が起こりやすくなります。特に欠乏症は幼体に好発しやすいです〔Collins 1988〕。

どんな病態が起こるの?

ビタミンC(アスコルビン酸)は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、欠乏すると、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらします。またコラーゲンの合成は傷の治癒を促進することで知られています。血管の脆弱化は、毛細血管の内皮細胞間の小孔が開大し、漏出性出血による出血傾向がみられ、つまり出血と傷の治癒不良がメインの病態となります〔Mahmoodian et al.1999〕。 臨床的には、関節出血、骨膜下出血、粘膜出血、皮下出血、筋肉内出血、歯肉出血などが典型的な症状としてみられます。関節出血は滑膜血管の損傷と骨の微細骨折によるもので、 特に成長期の幼若個体では、成長板が弱いこともあり、顕著に骨の障害を与えます〔Collins 1988〕。具体的には肋軟骨接合部の腫脹、長骨端変性による骨の変形などがみられます〔Collins 1988〕。また、腸粘膜での出血が起こり、腸炎も起こします〔 Clarke et al.1980〕。被毛のケラチンのアミノ酸であるシスチンはシステインというアミノ酸が2つがジスルフィド結合をしていますが、アスコルビン酸が欠乏するとこの結合に影響し、 脱毛と被毛粗剛を起こします。歯槽のコラーゲン形成に影響すると、歯の動揺がみられ、不正咬合を引き起こします〔Collins 1988〕。

症状はどんな感じなのか?

全身症状は、虚弱、食欲不振、軟便や下痢、破行、体重減少など非特異的である。 完全な欠乏いわゆる飢餓状態だと、2週間以内に症状が発現します〔Williams 2012〕。

ビタミンC補給

ビタミンCは熱や湿気、金属類にさらされると急速に劣化し、ビタミンCが配合されているモルモット専用ペレットも高温や高湿度、長期間の保存が劣化の原因となります。具体的には専用ペレットも、約10℃以下の保管あるいは90日以内に消費しないと劣化するそうです〔O’Rorke 2004〕。しかし、近年は劣化しないビタミンCが開発されています。ビタミンCの補給としてパセリ、ブロッコリー、青ピーマンなどの野菜、レモンキウイフルーツなどの果物を副食として与えるのもよいでしょう。また、ビタミンCのサプリメントを飲水に添加したり、経口的に毎日投与する方法もとられています。ただし、水に添加する場合は、水中で劣化したり、銅などの金属もビタミンCを劣化させるため、金属製の容器は使用を避けます。プラスチックあるいはガラス製の容器であれば、24時間経過後でも約50%の有効率が残ります〔Wagner et al. 1976〕。

モルモットへのビタミンCの与え方とお薦めサプリはコチラ!

参考文献

■Clarke GL,Allen AM,Small JD,Lock A.Subclinical scurvy in the guinea pig.Vet Pathol17:40-44.1980
■Collins B.Common diseases and medical management of rodents and lagomorphs.In Exotic Animals.Jacobson ER, Kollias GV, eds.Churchill Livingstone.New York:p261–316.1988
■Mahmoodian F,Peterkofsky B.Vitamin C deficiency in guinea pigs differentially affects the expression of type Ⅳ collagrn laminin andelastin in blood vessels J Nutr139:84‐91.1999
■Nishikimi M,kawai T,Yagi K .Guinea pigs pisses a highly mutated gene for L-gulono-γ-lactone oxidase the key enzyme for L ascorbic acid  biosynthesis missing in the spevies.J Biol Chem267:21967‐21972.1992
■O’Rorke DP.Disease problems of guinea pigs influence of age reproductive status on prevalence and size.J Small Amim Pract44:257-260.2004
■Wagner JE,Manning PJ.The Biology of the Guinea Pig. Academic Press Inc. New York:p267.1976
■Williams BH.Non-infection Disease Guinea pig.In The Laboratory Rabbit Guinea pig Hamster and Other Rosents.Sucker MA,Stevens KA,Wilson RP eds.Elsevier:p685-704.2012

\ SNSでシェアしよう! /

モルモット情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

モルモット情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • モルモットのカルシウム起因性疾患|モル好きだけが読んで!

  • モルモットの毛にダニやシラミがいる~ | 外部寄生虫

  • モルモットの尿結石|再発60%???

  • モルモットの足が腫れた・・・潰瘍性足底皮膚炎(Ver.2)

  • モルモットの肺炎|怖いぞボルデテラ感染症

  • モルモットの卵巣と子宮の病気(Ver.3)|1歳から発症することも!