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ウサギの雄雌鑑別と繁殖(Ver.2)│ばんばん増えます!

 2019/02/19 1 ウサギの生態・特徴 この記事は約 9 分で読めます。 20,199 Views
ウサギ交尾

ウサギは性の象徴!

ウサギは繁殖力が強く、オスとメスを一緒にすると、あっという間に増えてしまいます。この繁殖力の強さのために、肉や毛皮をとるための家畜としても重宝され、実験動物でも使われてきた理由があります。そのため、ウサギは性や豊穣のシンボルとして扱われてきました。男性向け雑誌のプレイボーイのラビットヘッドやキャバレーでのバニーちゃんは、まさに性の象徴です。


復活祭のイースターラビットは、多産のウサギが豊穣のシンボルである卵(イースター・エッグ)を運んでくるキャラクターになりました。

イースターバニー

雌雄鑑別

幼体での雌雄鑑別は生殖孔の形態と肛門との距離で行います。その違いは明確でないために鑑別が難しく、獣医師でも間違えることがあります。オスの生殖孔(包皮の開口部)は円筒状で肛門との距離はメスと比べて長いです。
ウサギ幼体のオスの陰部 ウサギ幼体のオスの陰部
メスの生殖孔はスリット状で、横からみると三角形をしています。肛門との距離はオスと比べて短いです。
ウサギ幼体のメスの陰部 ウサギ幼体のメスの陰部
オスは10~12週齢で精巣は陰嚢(いわゆる玉袋)に降りてきます。しかし、ウサギは鼠径輪が閉じないため〔Donnelly 1997〕、精巣がお腹と陰嚢の間を自由に行き来し、陰嚢が膨らんでない時がありますので、間違いやすいのです。成熟したオスはペニスと陰嚢の存在、メスはスリット状の外陰部で雌雄鑑別します。

ウサギのオスの陰嚢

オスの陰嚢

ウサギのメスの陰部

メスの外陰部

メスの特徴として、首の下には皮膚のたるみがあり、肉垂(デュラップ:Dewlap)と呼ばれています。中は脂肪で柔らかいです。
ウサギの肉垂 ウサギ肉垂

これがポイント!(雌雄鑑別)
・幼体の雌雄鑑別は難しい
・生殖孔の形態で鑑別する
・2~3ヵ月齢になるとオスの精巣が明確になる
・メスは首下の肉垂が発達してくる

繁殖

ウサギは一年中繁殖かできる周年繁殖動物ですが、繁殖に適しているのは、過ごしやすい春と秋です。繁殖させることは意外と簡単ですが、生まれたきたウサギのことをしっかりと考えて下さい。自分で飼えるのか、もし飼えないのであれば里親を探さなければなりません。繁殖を希望していないなら、卵巣・子宮の病気精巣腫瘍などの病気の予防もできる去勢手術・避妊手術を検討してもよいかもしれません。

性成熟

オスは7~8ヵ月齢で性的な成熟を迎え、精子が作れるようになります。メスは4~12ヵ月齢で子供を作れる体になりますが、品種によって時期が変わり、小型種は4~5ヵ月齢、中型種は4~8ヵ月齢、大型種は9~12 ヵ月齢と、体が大きくなるにつれて時間がかかります〔橋爪 1992〕。繁殖する場合は、体力を考えてメスは7~8ヵ月齢以上のウサギが最適です。また、オスとメスの体格差がある場合は、交尾が上手くいきません。
ウサギ

発情

発情したオスはマーキングのために縄ばり内に尿を飛ばしたり(スプレー:Spray)、人の足や物につかまり、腰を振り動かしてマスターベーションをします。対策は去勢手術しかありません。発情したメスは、12~14日間の発情期が繰り返し起こります〔星ら 1996〕。発情すると、外陰部は赤色を帯びて腫大します。

交配

交配は、まずお見合いからです。基本的にオスとメス1頭ずつで行います。それぞれのケージを並べて、お互いの匂いをかがせて、存在を意識させます。慣れてきたらメスをオスのケージに入れるか、ウサギ同士をケージから出して交尾させます(オスをメスのケージに入れると、メスがオスを攻撃する可能性が高いので注意して下さい)。
ウサギのマット
メスはオスを気にいると、ロードシス(Lordosis)と呼ばれる尾を上げた姿勢が見られます。これは交尾を許容しているのです〔星ら 1996〕。交尾はオスがメスの背中に回ってペニスを挿入します。交尾は1~2分と超短時間で〔星ら 1996〕、交尾が成功すると、オスは後ろに飛び跳ねるように倒れるのが特徴です。

交尾をしない場合は別の日に再び行い、相性が悪い場合はペアの組み合わせを変えます。交尾後はオスとメスは別々のケージに戻します。確実に妊娠させたい場合は、数日以内にもう一度交配をさせて下さい。

妊娠・出産

妊娠期間は30~32日です〔星ら 1996〕。妊娠診断は動物病院で、触診で胎子を確認したり、レントゲンやエコーで検査して下さい。
ウサギ妊娠レントゲン
妊娠した子供の数によりますが、後半になるとお腹が大きくなってきます。この時期に巣箱の用意をします。妊娠中のウサギにはストレスを与えないようにして下さい。栄養価の高いエサも必要になりますので、ペレットは繁殖期用のものに変えます。出産が近づくと、巣箱に牧草を運んで巣を作り始め、自ら乳腺の周囲の毛を抜いて巣材にします(営巣:えいそう)。
ウサギ巣箱 ウサギ営巣

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大きくてウサギも安心できる巣箱

想像妊娠が起こることもあり、発情行動や営巣が頻繁に見られ、乳腺が腫って母乳が出てきます。

ウサギの多くは安産で、産まれてくる子供の数は、4~10(7.5)頭です〔Donnelly 1997〕。交尾後35日を過ぎた場合は、何か異常が起こっている可能性があるので、動物病院で診察を受けるべきです。子が1頭だと大きくなり過ぎて上手く出産できなかったり、子宮の中で死んでいることも多いです。

赤ちゃん・子育て

新生子は赤子で生まれ、目も耳も閉じた状態です。

2~3日齢で毛が生え始め、目が開くのは12~13日かかります。


約20日齢からは、巣から出て遊び始めます。4週齢からは少量ずつエサを自ら食べ、消化機能が完全に発達するのは6週齢以降で、完全な離乳は8週齢以降が理想です。早めに離乳すると腸内細菌叢が安定していないこともあり、下痢を起こすことが懸念されます。

子育ては母ウサギだけで行いますので、母ウサギが安心して子育てできるような環境や食事の管理を行ってください。出産後は神経質になるため、ケージ内は暗くして静かにしましょう。掃除も毎日やると母ウサギにストレスを与えるので、出産前にきちんと掃除をしておいて、しばらくは最低限の掃除にします。

ウサギの授乳は1日1回で、時間も5~10分と短い時間で行います。一見すると授乳していないように見えますが、子が順調に大きくなっているようであれば問題ありません。人工哺乳は難しく、失敗に終わることも多いです。絶対に子ウサギには触れないで下さい。触ると人の匂いがついて、母ウサギが育児放棄をすることがあります。

約4週を過ぎれば触っても安心です。

表:繁殖知識

性成熟 オス7-8ヵ月齢/メス4-12ヵ月齢(小型種 4-5ヵ月齢 中型種 4-8ヵ月齢 大型種9-12ヵ月齢)〔橋爪 1992〕
繁殖形式 周年繁殖/発情周期12-14日〔星ら 1996〕
妊娠期間 30-32 日〔星ら 1996〕
産子数 4-10(7.5)頭〔Donnelly 1997〕
離乳 約8週齢
これがポイント!
・性成熟が早いので、オスとメスを早めに分けないと繁殖する
・繁殖は簡単
・妊娠したメスはストレスを少なくし、高栄養のエサを与える
・授受は1日1回で5分位で行う
・人工哺乳は難しい
・成熟したオスは尿スプレーが問題となるので、去勢手術を考える
・メスは卵巣・子宮の病気が多いので、避妊手術を考える

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参考文献
■Buss SL,Bourdeau JE.Calcium balanace in laboratory rabbits.Miner Electrolyte Metab.10(2).p127-132.1984
■Cheeke PR.Nutrition and nutritional disease.In The Biology of the Laboratory Rabbit 2nd ed.Mannig PJ,Ringer DH,Newcomer CE eds.Academic Press.San Diego.US.p321-333.1994
■Cortopassi D,Muhl ZF.Videofluorograpjic analysis of tongue movement in the rabbit (Orctolagus cuniculus).J Morphol.240.p139-146.1990
■Donnelly TM.Disease problems of small rodents.In Ferrets,Rabbits,and Rodents:Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Quesenberry KQ.eds.WB Saunders.Philadelphia.p307-327.1997
■Hoyt RF Jr.Abdominal surgery of pet rabbits.In Current Techniques in Small Animal. Surgery.4th ed.Bojrab MJ.eds.William &Wilkins.Philadelphia.p777-790.1998
■Norris SA,Pettifor JM,Gray DA,Buffenstein R.Calcium Metabolism and bone mass in female rabbits during skeletal maturation:Effects of dietary calcium intake.Bone 29(1).p62-69.2001
■橋爪一善.哺乳動物の生殖行動と繁殖管理.実験動物.哺乳動物の生殖行動.正木淳二編.川島書店.東京.1992
■星修三,山内亮.家畜臨床繁殖学 (改訂新版).朝倉書店.東京.1990
■平川浩文.ウサギ類の糞食.哺乳類科学34.p109-122.1995

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