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ウサギってどんな動物?|知らないといけない生態と特徴

1 ウサギの生態・特徴 この記事は約 12 分で読めます。 589 Views

ウサギとは?

●ウサギとはウサギ目ウサギ科に属する動物で、全身が柔らかい毛で覆われ、耳が大きい特徴があります。
ウサギ
●日本でも野生のウサギをみることがありますが、野生のウサギはノウサギ科に属しており、ペットで飼われているウサギ(カイウサギ)とは異なる種類です。ノウサギはカイウサギと比べて耳と手足が大きくて、性格的にも人に馴れません。最も大きな違いは染色体の数が異なることです。ノウサギとカイウサギは交配して、子供をつくることができません。

カイウサギサギとノウサギは違う動物

●カイウサギは、アナウサギ科のヨーロッパアナウサギを家畜化したものです。ヨーロッパアナウサギは、フランスやイベリア半島(スペイン,ポルトガル)、アフリカ北西部に生息しています。

ペットのウサギはアナウサギ

●紀元前数世紀にフェニキア人(イベリア半島に住んでいた民族)は、イベリア半島を Szpan (ウサギという意味)の国と呼び、これが今のスペインの語源になったといわれています。中世には食料や毛皮などの目的のために 、人の手によってヨーロッパ全域に広がり、そして海を越えてアメリカやオーストラリアにも移入されました。

スペインの国名の語源は「ウサギの国」

● ウサギは実験動物でも使われてきましたが、近年ではペットとしての飼育頭数が増えました。優しくて温和な性格であるため、情操教育の目的で、学校や動物園での飼育も勧められています。
公園のウサギ ウサギ学校飼育動物

●本サイトで使用するウサギという言葉は、ノウサギでなくアナウサギを意味します(以下同)。

分類・生態

分類

ウサギ目(重歯目※)ウサギ科アナウサギ属
●学名:Oryctolagus cuniculus
●英名:Rabbit
●別名:カイウサギ
※ウサギは上の前歯の裏側に小さい歯が重なって生えているため、昔は重歯目(じゅうしもく)と呼ばれていました。
ウサギ小切歯

前歯が重なっています

分布

スペイン、ポルトガル、モロッコ北部、アルジェリア北部(人為的にヨーロッパ各地を含め、オーストラリアやニュージーランド、日本などへ移入されています)
ウサギ分布地図

身体

●頭胴長:38~50cm
●尾長:4.5~7.5cm
●体重:1.5~3.0kg
●毛色:背中は灰色~茶褐色で、お腹は明灰色をしています。

生態

環境:草原や森林、草木のある丘陵地帯
●行動
・夜行性で、昼は巣穴の中で休み、夕方から活動を始め、数へクタールの行動範囲を持っています。
・巣穴はワレン(Warren)と呼ばれ、巣穴は寝室やトイレなどに分かれ、複雑な形をしています。
ウサギ巣穴
・群居性があり、1頭のオスに複数のメスの一夫多妻制からなる2~8頭の群れで生活をしています。
・群れの中では、しっかりとした序列があります。オスは序列の優劣を競って喧嘩をします。序列の高いオスは群れの中の多くのメスと交尾をします。
・群れの中で子ウサギが生まれると、メスであればそのまま群れに残り、オスだと序列争いでリーダーになるか、負けると群れから離れて、新たに群れを作ります。
ウサギ巣穴
・ウサギはイタチ、キツネ、コヨーテ、オオカミなどの哺乳類、ワシ、タカなどの猛禽類などの天敵のエサとなる被捕食動物(食べられてしまう動物)で、食物連鎖の底辺に位置しています。
ウサギ天敵

ウサギは自然界では弱い動物

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●食性:草食性で、通常は水分の多い葉を好みますが、冬など環境が苛酷であると茎、根、枝や樹皮なども食べています。

●寿命:5~7年(10 年を超すウサギも数多くみかけるようになりました)

特徴

習性

●野生のアナウサギは群れで生活をしており、複数で群れることで安心します。また、集団でいることで、天敵を見つけやすいという理由もあるでしょう。

ウサギの集団

群れるのが大好き!

●夜行性で、明け方と日暮れ頃にもっとも活発に活動します。これは天敵から身を隠すための野生での生活パターンで、飼育下では天敵に襲われることがないので、人の生活に適応した昼間に行動するウサギも多いです。
ウサギ

あなたのウサギは夜型?昼型?

●ウサギは被捕食動物で、天敵にいつ襲われても即座に逃げれるように、目を半分開いたまま睡ります。

●ペットのウサギでは、横たわって眠ることも多く、これは完全にリラックスしている証拠です。
ウサギ睡眠
●性格は一般的に温和で、人に従順な個体が多く、飼い主を認識することができます。
●神経質で臆病な面も持ち合わせており、環境の変化によって拒食や軟便がみられます。極度の恐怖やストレスで突然死することがあります。ウサギの欲求を理解し、ストレスの少ない飼育環境を整えてあげることが大切です。

ストレスが大敵!

●犬や猫のように鳴くことがないため、コミュニケーションが取りづらいと思われていますが、色々なボディランゲージで意思表示を示す感情豊かな動物です。

ウサギのボディランゲージを覚えましょう!

●お腹を床につけて寝そべっているのは、警戒心を解いて、安心している時です。
ウサギリラックス
●鼻先でツンツン突いてくるのは、甘えたい時です。鼻音をブゥブゥ鳴らす場合も甘えている時にみられます。
●後足で地面をダンダンと踏み鳴らす(スタンピング:Stamping)のは、仲間に危険を知らせる、怒って威嚇している、警戒している、怖いと思っている時の行動です。

●後足で立ちあがるのは、危険を感じ取った時、面白い物を発見した時の行動です。
ウサギ探索
●耳をピンと立てたり、ピクピク動かすのは、普段聞いている音とは違う音がして警戒をしている時です。耳はアンテナの役目をし、辺りの様子の変化を探るために、耳を動かして音の正体を探ろうとしているのです。
ウサギ耳
●顎を擦りつける行動は、下顎の皮膚にある下顎腺の擦りつけによるマーキング(チンマーク:Chin mark)です〔Donnelly 1997〕。下顎腺のある下顎の皮膚が薄くなっています。ここからの匂いを好きな物や場所にマーキングすることで、「気に入った」という主張をするためです。なお、飼い主の体にマーキングするのは親しみの表現です。
ウサギ下顎腺
●人の手をなめてくるのは、飼い主に対しての好意です。仲のよいウサギ同士も、お互いに舐め合いますが、親密さを深めているのです。
●耳を背中につけるのは、気にくわないことがあった時、怒っている時です。さらに怒ると前足でパンチをしたり、頭突きをします。
ウサギ威嚇
●威嚇または攻撃体制の時は、「ブーブー」と声をあげなが、前足で相手を小突くような攻撃をします。

●エサ容器や牧草入れをひっくり返すのは、お腹が空いていたり、退屈な時です。
●毛づくろいに多くの時間を費やし、多頭飼育ではウサギ同士で毛づくろいをしあいます。
●きれい好きで、体全体をくまなく毛づくろいをします。前足を舐めて前足に唾液をつけて顔を洗い、口を使って体の毛についたゴミを取り除きます。
ウサギ毛づくろい 
●地面を掘る行動や隠れる動作は、野生での習性の名残りです。
ウサギ地面を掘る ウサギの穴掘り
●声帯は発達していないため、声を出すことは限られています。小さい声で「プクク」と鳴いているのは、エサが美味しい時や楽しい時の独り言、「ブーブー」と鳴いているのは、怒ってるあるいは欲求不満の時と思われます。

身体

●天敵から逃げるために、多くの身体の特徴があります。
●耳が大きく体は円筒状で、前足は小さいです。
●ピョンピョンと跳躍しながら歩行するため、後足は発達して大きいです。

●骨質が薄くすることで、体重を軽くしています。体重に対する骨質量は猫の約1/3なので〔Donnelly 1997〕、ウサギに骨折が起きやすい理由になっています。
ウサギ全身骨格 ウサギの骨

骨はおせんべいのように軽くて薄い

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●指の数は前足は5本、後足は4本で、鉤爪をしています。
●足底には犬や猫のような肉球がみられず、毛で被われています。これは走行中に固い地面をとらえやすくし、クッションの役目をするといわれています。

●ヒゲは重要な感覚器官です。触毛とも呼ばれ、巣穴の中での障害物との接触、風の方向や強さなどを感じとる役目をしています。

●大きな耳は音を能率よく集めて、小さい音まで聞き逃さないようにしています。
●耳には血管が豊富にみられ、動脈と静脈が走っています。これらの血管から熱が放散して体の熱を逃がしているのです〔Donnelly 1997〕。ウサギは汗腺が発達していないために汗をかけないので、暑さに弱いです。耳での体温調節はとても大切になります。
ウサギの耳の血管

ウサギは暑さに弱い

●目が頭の脇に位置していることも、周囲を常に観察したり、天敵を早期に発見することに役立っています。

●マーキングや個体識別のために、下顎腺以外にも、鼠径腺(そけいせん)、肛門腺と呼ばれる臭腺があります。
●鼠径腺は外陰部の両脇にみられ、分泌物がゴミのように黒褐色の塊としてくっ付いています。この分泌物がウサギ臭い原因になります。炎症などが起きていなければ取る必要はありません。
ウサギの臭腺 ウサギの臭腺

外陰部の脇の汚れは臭腺

●上の唇の真ん中が縦に割れているのは、兎唇(としん)と呼ばれています。鼻をピクピクさせることができますが(鼻ピクとも呼ばれています)、これは匂いをかぐ、あるいは意思表示ともいわれています。

●毛の抜け変え(換毛)は春と秋にみられます。アンゴラ種やロップ種などの一部のウサギの換毛が特異的で、毛が生えている部分と脱毛している部分が同時に発生し、継ぎ接ぎ状やまだら模様にみえます。これをアイランドスキン(Island skin)と呼ばれ〔Hoyt 1998〕、病的な状態ではありませんので安心してください。
ウサギの換毛 ウサギの換毛

換毛のまだら模様はアイランドスキン

●乳首は4~5対(8~10 個)あります。第1乳頭は肩付近のかなり上の方にみられます。
ウサギの乳首
●尾は短く退化して、弓なりのへら型をしています。外観状は体に一体化しているように、丸まってみえます。
ウサギの尾骨 ウサギの尾
●草食動物であるウサギは、犬や猫の消化管の働きや構造が大きく異なり、低栄養で高繊維の牧草などを消化し、効率よく利用するための特徴を備えています。
●歯は前歯と奥歯があり、全部で28本です。特に前歯は大きくて鋭く、硬いものも齧ります。奥歯は顎関節を半分脱臼させながら動かして、前歯で短く切断されたエサを、奥歯を石臼のにような動きで細かくすり潰します〔Cortopassi et al.1990〕。習性ですぐに物を齧ります。
ウサギの木齧り 
●ウサギの前歯と奥歯は常生歯で、生涯にわたり伸び続けます。歯を使わないエサ(ソフトタイプのペレットや葉野菜)を多く与えることで、歯が伸びてしまい、不正咬合の原因になります。
ウサギの頭蓋骨 ウサギの奥歯

前歯も奥歯も一生伸び続ける!

●胃は深い袋状の形をしており、食道とつながる入口(噴門 ふんもん)と十二指腸とつながる出口(幽門ゆうもん)が細く、それぞれが接近しており、胃が勾玉のような袋の形をしています。このような胃の特徴から、ウサギは吐くことができません。そのため、毛繕いした毛が胃の中で貯まる胃のうっ滞・毛球症になりやすいのです。

ウサギは吐けない!

●ウサギの消化器で最も特徴を持つのが盲腸です。お腹の大半を占めるほど大きく、盲腸にはたくさんの腸内細菌が共存し、繊維の細胞壁を壊し、消化吸収を行う発酵タンクとしての重要な役割をしています。
●薬に対して敏感で、特に抗生物質の内服投与により腸内細菌が崩れやすいです。その結果、悪玉菌が増えて腸炎を起こし、下痢や食欲不振がみられます(抗生物質性腸疾患)。悪玉菌が毒素を出して、全身状態が悪化して死亡するようなこと(腸性中毒)もありますので、注意してください。

抗生物質の内服投与は注意して!

●糞は硬い球状の形をしており、コロコロしています。糞を割ると繊維の塊で、全く臭いません。
ウサギの糞 ウサギの糞
●盲腸では盲腸便と呼ばれる柔らかい便が、鈴なり状にまとまって排泄されます。盲腸便にはビタミンと良質なタンパク質が含まれており、ウサギはこれを直接肛門から食べ、再び消化吸収します(食糞)〔Cheeke 1944〕。
ウサギの盲腸便 ウサギの盲腸便 ウサギの盲腸便

●食糞は主に深夜から早朝にかけて行われます。このようにウサギは食物を1度で消化吸収するのではなく、一旦ある程度消化して盲腸便として排泄し、さらにその便を食糞することによって完全に消化吸収をします〔Cheek 1944,平川 1995〕。

ウサギ食糞

ウサギは糞を食べます(食糞)!

●尿の色は黄色~茶褐色などの有色で、白く濁っています。
●エサや代謝の問題により、尿の色は変化し、これは健康なウサギでもみられます。色の元はポルフィリンやビリルビンの誘導体などの色素といわれています〔Norris et al.2001〕。
ウサギの有色尿
●ウサギは体の中の余剰なカルシウムは主に腎臓から排泄されます。その結果、尿中に多量のカルシウムが含まれるために、尿は白く濁るのです〔Buss et al.1984〕。
ウサギのカルシウム尿

オシッコは色がついたり白く濁っている!

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参考文献

■Buss SL,Bourdeau JE.Calcium balanace in laboratory rabbits.Miner Electrolyte Metab.10(2).p127-132.1984
■Cheeke PR.Nutrition and nutritional disease.In The Biology of the Laboratory Rabbit 2nd ed.Mannig PJ,Ringer DH,Newcomer CE eds.Academic Press.San Diego.US.p321-333.1994
■Cortopassi D,Muhl ZF.Videofluorograpjic analysis of tongue movement in the rabbit (Orctolagus cuniculus).J Morphol.240.p139-146.1990
■Donnelly TM.Disease problems of small rodents.In Ferrets,Rabbits,and Rodents:Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Quesenberry KQ.eds.WB Saunders.Philadelphia.p307-327.1997
■Hoyt RF Jr.Abdominal surgery of pet rabbits.In Current Techniques in Small Animal. Surgery.4th ed.Bojrab MJ.eds.William &Wilkins.Philadelphia.p777-790.1998
■Norris SA,Pettifor JM,Gray DA,Buffenstein R.Calcium Metabolism and bone mass in female rabbits during skeletal maturation:Effects of dietary calcium intake.Bone 29(1).p62-69.2001
■平川浩文.ウサギ類の糞食.哺乳類科学34.p109-122.1995

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