専門獣医師が解説するウサギの老化対策 ?〔Ver.2〕 8歳になったらやること!
目次
8年のウサギは人で言う76歳
ウサギの年齢は個体によって差はありますが、5年を過ぎると老化が始まり、8年経つともう76歳の立派なおじいちゃん、おばあちゃんです。このようなシニアのウサギにはどんな老化のサインが現われ?どんな対応をしたらよいのでしょうか?飼い主は事前に知っておくことで、心構えができ、対策をしてあげることができます。
老化のサインとその対応
5年を超えると、見た目も内臓の機能も次第に衰えてきます。7~8年が平均寿命ですが、近年は10年越しのウサギも増え、シニア世代のウサギがとても多くなり、老化現象は様々な形で現れてきます。老化とは徐々に運動量が落ち、食生活や味覚も変化するという印象があり、食欲も落ちてくる傾向にあります。しかし老化現象は個体差があり、8年経っても若々しいウサギもいれば、5年でもよぼよぼなウサギもいます。一緒に過ごしていても、ふと感じるウサギの老化現象を見逃さずに、早めにシニア対策をしてあげて、快適なシニアライフを送らせてあげましょう。
体重が落ちて痩せてくる
食欲があってもなくても、体重が減少して痩せてきます。体が毛でもふもふしていても、触ってみると、骨がゴツゴツして感じます。これは筋肉が落ちてきて、脂肪も落ちてきている証拠です。老化にともない体力が減り、活発に運動することができなくなるからです。しかし、肝不全・腎不全などの内臓の病気により、筋肉が付かないという原因のこともあります。
対応は・・・
- 果物や野菜などを適度に取り入れて、食欲を刺激しましょう。体によいおやつなんかも良いかもしれませんね。しかし、与えすぎると胃腸の動きが悪くなることもあるので注意して下さい。
- 強制的に流動食を流し込む方法もありますが(強制給餌)、ウサギには負担がかかる可能性があります。獣医師と相談してから行って下さい。
- 病気の可能性もありますので、ウサギドック(健康診断)を受けましょう。
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食が細くなる
若い時のような食欲がありません。全体の食べる量が減っていてもきておかしくありません。偏食することもあり、これは嗜好性の変化が原因であることもあり、中には歯が悪くて(不正咬合)よく食べれない、肝不全・腎不全が起こっていたり、病気が原因のこともあります。牧草を食べる量が減ると、そのために歯が伸び過ぎてしまうこともあります。年をとると内臓も若い時とは異なります。年よりのウサギではこれまでのペレットのカロリーが高すぎる場合があります。
対応は・・・
- 果物や野菜などを適度に取り入れて、食欲を刺激しましょう。体によいおやつなんかも良いですね。
- シニア用のペレットに変更しましょう。
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足腰が弱くなる
足腰が弱くなって、動きが緩慢になり、以前ほど動き回らなくなります。今までソファに今まで飛び乗っていたのに、やらなくなるということも少なくありません。転ぶことが多くなったり、ふらつきが見られるなど症状の程度は様々です。中には立てなくなるウサギもいて、寝たきり老人になることもあります。体力がなくなること以外にも、関節炎などの関節の変形が原因のことが多いです。
体が硬くなり、関節も変形すると、体の柔軟性が無くなり、毛づくろいはもちろん、食糞もできなくなり、お尻周りが汚れてきます。寝たきりになったら、エサを口もとに持っていき、床ずれを予防するためにし低反発のマットを用意し、お漏らし対策でペットシーツを敷かなければなりません。
対応は・・・
- ウサギが転倒や落下をしないように、これまで以上に周囲の環境には注意しましょう。
- ケージ内のレイアウトや部屋の中のインテリアを変更してバリアフリーにしてあげましょう
- 筋力が落ちると段差があるケージの出入口や棚(シェルフ)は苦手ですので外します。出入口はスロープを付けてあげましょう。
- 部屋の中でもソファなどに飛び乗ってしまい、そこから降りた時に怪我をするので、乗せないようにして下さい。
- 寝たきりになったら、低反発マットとペットシーツの用意をしましょう。
低反発マット
人用の低反発のバスマットは衝撃を吸収するだけでなく、トイレに失敗してオシッコをしてもすぐに吸収してくれるので、足の裏が汚れることがありません。やはり齧り癖のあるウサギでは使えません。複数枚購入して、毎日洗濯してあげて交換して下さい。
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休んだり・寝ている時間が長くなる
活動量が減少して、寝ている時間が増えてきます。以前はいっぱい走り回っていたウサギが、少し動いただけですぐ休憩したり、寝てしまうことがあります。
動かなくなると寝てばかりいて、ヒーターは暖かいものですから、その上で持ちよく過ごしていて熱中症になったり、お漏らしをしてお尻まわりが皮膚炎を起こすようなこともあります。
対応は・・・
- 寝ている時間や休んでいる時間が長くなったウサギには、フカフカで柔らかいマットに変更しましょう。
- 完全に歩けなくなったウサギでは、床ずれも起こるので、その姿勢を変えてあげたり、近くに体制を変えたり、起き上がれなくなった時のクッションなどを置いてあげましょう。
トイレが上手くできなくなる
足腰が弱くなり、思うように動くことができなくなるため、トイレを失敗します。トイレ以外でオシッコをするようになり、寝ている所でお漏らしをして体が濡れてしまうこともあります。寝たきりになると、オシッコも貯める傾向になり、膀胱炎・尿結石になりやすくなります。
対応は・・・
- フカフカで、オシッコを吸ってくれるマットやペットシーツを敷いてあげましょう。
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視力が落ちてくる
視力が落ちたり、白内障などになり、目が悪くなります。しかし、夜行性のウサギは視力以外にも、嗅覚や聴覚で対応できるので、行動に大きな問題が起こりません。自分で目のケアをすることが少なくなることで、目ヤニなどが溜まりやすくなります。
対応は・・・
- ケージ内や部屋のレイアウトをあまり変えないで下さい。
- 目ヤニが多い時は病気かもしれないので、動物病院で診察を受けて下さい。
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毛づやが悪くなる
ツヤツヤだった毛が、バサバサしてき毛ヅヤがなくなります。換毛のタイミングもズレて、頻繁に毛が抜けたり、反対になかなか抜け替わらないこともあります。
体力が減る、体が硬くなる、寝ている時間が長くなる等の原因で、自分で毛づくろいができなくなるからです。涙や目ヤニにが出て目の周りも汚れてきたりします。
対応は・・・
- 毛並みを保つためにはブラッシングをしてあげましょう。ただし、ブラッシングのし過ぎてウサギがストレスにならないようにして下さい。
- 目の周りの汚れを取り、耳の中も汚れているようなら掃除が必要です。
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歯が弱ってくる・骨折しやすくなる
高齢になると骨が薄くなり(骨粗鬆症)、動きも緩慢になって動かくなり、骨折もしやすくなります。歯も弱くなり、抜け落ちたり、ぐらぐらして傾いたりして不正咬合になります。
対応は・・・
- 動物病院でウサドック(健康診断)を受けて下さい。現状がどうなっているか確認しないと分かりませんので・・・
- 歯が弱くなっているようであれば、ウサギが食べられるものを選んであげて下さい。
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性格が変わる
性格は丸くなるか、頑固になるかですが、多くは丸くなることが多いです。ウサギ怒りんぼうのウサギがあまり怒らなくなってきます。また、飼い主との絆が太くなり、高齢になって、飼い主に今まで以上に懐くこともあります。頑固になるウサギもいます。自分のこだわりに執着しますので、決まったエサしか食べなくなったり、嫌いな人は寄せ付けなくなります。いわゆる頑固じじいですね。年とともに色んなことを面倒くさがって、オシッコなどもお漏らしするようにもなります。白内障や耳も遠くなったりしますので、反応が鈍くなり、ぼーっとしている時間が長くなります。声をかけても昔の若い時よりは、認識が遅くなったり、返事をしてくれなくなるのは仕方がないことです。しかし、ここで注意してもらいたいのは、認知症(痴呆症)です。ウサギの認知症は明確には定義されていませんが、ウサギも長生きになって時々このような声を聞きます。「最近、エサの時間関係なく、ずっと食べ続けている」、「年なのに腰を振り続けている」・・・痴呆症があるかもしれませんね。
対応は・・・
- ウサギの性格に合わせて対応して下さい。長く付き合ってくると性格や考えることも分かってくるでしょう・・・
病気が増えてくる
年をとると病気になりやすくなります。免疫が低下て感染を起こしやすくなり、腎不全・肝不全など内臓の機能も低下してきます。もちろん腫瘍の発生も多くなります。
白内障、心不全、関節の変形(関節炎)などは、年齢によって起こりやすくなります。
対応は・・・
- 日頃からウサギの健康や怪我に気をつけましょう。ウサギのわずかな異常な症状も見逃さないようにしましょう。
- 定期的なウサドック(健康診断)を受けましょう。
- ウサギはストレスに弱いので、日頃からストレスフリーの生活環境を整え、良いエサを与えて、自己治癒力を高めてあげましょう。飼い主の笑顔が一番の特効薬かもしれません。
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老化対策にサプリメントはどう?
サプリメントは信じる飼い主と信じない飼い主がいます。本当に体にあったも商品が見つかれば効果的だと思いますが、実際に与えてみないと分かりません。もちろん毎日与えるので、味の問題も大きく左右されます。口にしてくれなかったら無駄に終わってしまします。少しでも元気に過ごしてほしいという人は取り入れてもよいと思います。
飼い主さんの心構え
健康で長寿のウサギを目指すためには、飼い主もしっかりとした心構えを持って下さい。それは「現状を受け入れる」ことです。自分のウサギが年をとり、天国に行ってしまう・・・そんな悲しいことは受け入れられないかもしれません。生を受けたものにいつかは死が訪れます。ウサギは人よりも寿命が短いので、先に天国に行くのは仕方がないです。もちろん、ウサギにも人間にも同じに老化も起こりますので、前向きに考えなければなりません。
やがて来る別れの日まで、ウサギとどのように暮らすのか?ウサギが白内障や心不全などになると、かわいそうに思えますが、ウサギ自身は意外にけろっとしていたりします。飼い主として、生きるために頑張っているウサギを誇らしく思って、自分のできること全力でサポートしましょう。生きている時間を一緒に楽しく、精一杯に過ごして下さい。必要以上に悲しんだり、不安になったりすると、ウサギにもその気持ちが伝わって悪影響を及ぼします。過去や未来を気にするよりも、今のこの瞬間を一緒に過ごしていることを楽しみませんか?「もっと、こうしてあげれば良かった・・・」という心残りや後悔は、ペットロスになってしまいます。
飼い主の中には「このウサギは私そのものだ」、「このウサギが居ない生活は考えられない」と過大な考えや依存もいけません。つまり、溺愛しすぎないことです。ウサギを失うことに大きな不安を感じてしまい、今のこの瞬間を一緒に全力で過ごすことを忘れがちになります。このような飼い主はやはりペットロスに陥りやすく、ペットロスが長引く傾向にあります。
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まとめ
ウサギも年をとり、世話や介護が必要になってきます。そんなウサギが愛おしくなってきます。一生のお付き合いでお家に迎えいれたわけですから、最後まできちんと向き合ってあげましょう。