両生類用リンゲルの作り方と使い方
両生類の水
哺乳類や鳥類の体液の成分は0.9%の塩化ナトリウムですが、両生類は0.65%と哺乳類や鳥類の約2/3です〔佐藤ら 2013〕。
作り方
哺乳類生理食塩水(0.90%NaCl)を0.7倍にすると両生類生理食塩水(0.65%NaCl)になり、哺乳類用リンゲル(NaCl 0.86%,KCl 0.03%,CaCl2 0.033%)を0.7倍にすると両生類用リンゲル(NaCl 0.60%,KCl 0.02%,CaCl2 0.023%)になります。簡単に言うと哺乳類用の生理食塩水やリンゲル液500mLに精製水を214mL加えることで、両生類用生理食塩水ならびに両生類用リンゲル液が作られ、薬浴治療に使われます。
生理食塩水/リンゲル液500mL+精製水214mL
- 生理食塩水の作り方
②1Lのぬるま湯に対し、9gの食塩を入れて溶かします(500mLなら4.5g、2Lなら18g)
③食塩を溶かした水をボトルに詰めてから冷蔵庫などで冷やし、両生類の適温に冷やしてから使います。
類用の生理食塩水を使用することが最も簡単です。
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薬浴方法
ツリーカエルは水槽の中で壁に張り付くので、水槽の上にサランラップなどを入れて下腹部(ペルビックパッチ)を液剤に浸透させます。
両生類が食欲不振の時の補液、感染症の際に抗生物質等を投与する際に、両生類用生理食塩水やリンゲル液を調合して生体を浸すことで水和になり、この液体に抗生物質を含ませる治療が行われています。
イモリやサンショウウオなどの有尾両生類はカエルの ペルビックパッチのような存在は詳しく研究されていないので、全身の薬浴を行っています。排泄物やエサのカスなどが混ざるので、カエルと同様に薬浴の液剤は毎日交換します。
参考文献
■佐藤恵,酒井秀嗣.無尾両生類の水調節機構日本大学歯学部紀要41.97-101.2013