1. TOP
  2. 2 ジュウシマツの飼育
  3. ジュウシマツの飼育(特別保存版Ver2)

ジュウシマツの飼育(特別保存版Ver2)

2 ジュウシマツの飼育 この記事は約 10 分で読めます。 67 Views

飛ぶ鳥を狭いケージでどう飼う?

●鳥は飛ぶ動物です。環境エンリッチメントを考えると、飛ぶように体ができていますので、広い空間で飼育するのは当然です。飛ぶことで筋肉や骨がしっかりとしますし、ストレスも減るはずです。

鳥は飛んでなんぼです!

●野生の小鳥は天敵に被捕されることが多い動物です。犬や猫がいる部屋はもちろん、騒音があるような落ち着かない環境ではストレスになります。狭いケージでもストレスがかかり、単独飼育では社交性がなくなり、毛引きなどの問題行動になることが多いです。
●部屋の中で放鳥する時間を設けるのも一方法です。

●ジュウシマツは小さい鳥なので、放鳥する場合は飼い主の目の届く範囲で行ってください。家具の隙間に入り込んだり、物に挟まる事故、異物摂取、ネコなどによる襲撃に注意してください。
●放鳥の際に逃亡しな いように翼を切る(羽切り:クリッピング)こともありますが、もともと飛ぶのが下手なジュウシマツなので、切る必要性はインコなどと比べて低いです。

飼育

●複数飼育や繁殖目的の場合は、特に大きいケー ジを用意してください。
●ジュウシマツの飼育は温度管理なども比較的簡単で、ビギナーに向いている鳥と言われています。

飼育頭数

●群れで生活するため、ジュウシマツは複数で飼育したほうが喜びます。しかし、複数で飼育する場合は、相性や繁殖計画を考えてください 。

複数で飼う!?

●単独飼育のケージに新たな鳥を同居させる際には、様々な細菌やウイルス、クラミジア(オウム病)などが蔓延するおそれがあります。検疫(鳥の健康診断)を行ってから、導入するのが理想です。

同居させる前に健診しないと病気がうつる!

ケージ

●一般的には金属製の金網でつくられたケージが衛生的なため、多く使用されています。
●アクリルやプラスチック製の水槽タイプのケージもあります。保温性に優れていますが、湿気がこもりやすいという欠点があります。壁が透明であるため、鳥が衝突するような事故の話も聞きますので、注意してください。
●ケージ内にはエサ入れ、水入れ、止まり木などを設置してください。ケージ中がマンネリ化しないように、容器の位置を定期的に変えたり、止まり木の素材や形を変えることもお勧めします。しかし、臆病な性格の鳥の場合、ケージ内を大きく変化させないほうがよいこともあります。複数で飼育をするには、インコ用のケージを用意してよいでしょう。

セキセイインコ、ボタンインコ、コザクラインコのケージの選び方とお勧め商品はコチラ!

止まり木

●止まり木は鳥が生活の多くの時間を過ごす重要な場所です。木製やプラスチック製の商品があります。止まり木の太さは、鳥が止まった状態で爪の先端が止まり木に触れる程度がよいです。
●止まり木は、つかむ以外にもクチバシを擦りつけたり、齧ることで長さを調節する役目もあり、木製のものがお勧めです。齧る行為はクチバシの磨耗以外に、ストレスの解消にもつながります。太さが異なる止まり木は、鳥にとって止まりやすい場所を選んだり、爪やクチバシを擦ったり、バリエーションが増える利点があります。

自然木止り木がベスト!

 

 

●基本的にケージの手前と奥に段差を設けて2本位の止まり木を設置します。尾羽がケージの床やなどに当たらないよう十分な間隔をとってください。ケージの入口にエサや水入れを設置している場合は、その前に止り木を1本設置すると食べやすくなります。一般的に鳥は高い方の止まり木で休みます。

ツボ巣

●ジュウシマツは、夜になるとツボ巣で休みます。しかし、ツボ巣は害虫が住み付きやすいので、使用中にも適時熱湯消毒をしてください。

エサ入れ・水入れ

●エサや水入れは鳥がとまっている止まり木の近くに設置すると、飲みやすいくなります。ケージの入り口近くに設置した場合は、わずかではありますが運動になります。
●ケージセットを購入したらその付属品としてエサ入れと水入れがついてくることがほとんどです。
●深いエサ入れだと、鳥が容器の中に入ってしまい、排泄をして汚すことがあります。
●ブンチョウは小さい鳥なので、深さがあまりない浅いエサ入れを使わないと、体ごとエサ入れに入ってしまいます。そして、浅いのエサ入れのメリットは、2~3日分のエサしか入れられないですが、衛生的にもよく、エサの種子をまんべんなく食べること、食べたエサの量がはかることが簡単にできることです。

浅いエサ入れがベター!

 

●葉野菜を入れる容器を菜挿し(なざし)といいます。

野菜を入れる容器はコレ!

 

●ボレー粉などはさらに小さい小型のエサ入れを使ってください。

さらに小さいエサ容器はコレ!

 

●容器には、形状やカバーの有無など様々な商品があります。複数飼育などで容器内に排泄されて不衛生になる場合、水浴びを好むジュウシマツでは水入れで水浴びをするため、カバー付きや外付け式などのエサ入れや水入れを使用します。

カバー付きエサ入れ・水入れならコレ!

 

●エサ入れや水入れの位置を考えて、止まり木にとまっている時に排泄物が入らない位置に設置してあげましょう。

温度・湿度・照明

●健康なジュウシマツならば、猛暑の夏や極寒の冬を除いて屋外で飼育したり、過度な温度管理が不要かもしれません。多少の暑さや寒さに慣れて元気に過ごせますし、体に負担をかけない範囲で季節の変化を感じてもらうことも大切です。一年中、同じ温度・湿度を保っていると、換羽が長く続いたり、発情が起きやすくなります。しかし、日本の冬は10℃以下になることが多く、季節による気温変化が激しい時は注意、真夏や真冬はきちんと温度管理したほうがよいでしょう。
●屋外にケージを置いて飼育すると、野鳥と接しての感染症の恐れがり、また犬や猫、カラスなどに襲われることもありますので注意してください。

季節感を味わってもらうワイルド飼育派!

温度

●野生の鳥は一日の内でも温度差がある中で暮らしていますが、ペットの鳥は急激な温度差は体調を崩すくことが多いです。生後1才未満で初めて冬を越す鳥、病気の鳥や老鳥は、温度管理が必要になります。体の負担を軽くするためにもしっかりと温度管理をした飼育がよいです。

徹底温度一定管理飼育派?

●熱帯にいる鳥なので、理想的な温度は 25~30℃(最低 20℃以上)です。病気の鳥では、体重や栄養状態にもよりますが、29.4~32.2℃の環境温度が必要となります〔Harrison et al.1986〕。
●冬はエアコンにより部屋全体を暖 めたり、パネルヒーターなどをケージの横や下に設置してケージ全体を暖めてください。簡易的にはケージにビニール、布、ダンボールを被せることにより、 ある程度は適温に維持できます。
●真夏は熱射病・熱中症などが起こるため、エアコンやクーラーを設置してください。
●健常体では、32.2℃以上の環境温度では、両翼を広げて熱の放散を行い、速い呼吸がみられるといわれています〔Harrison et al.1986〕。

温度管理をしないワイルド派?徹底温度管理の過保護派?

湿度

●本邦では冬季は乾燥するため、適度な加湿 も行わなければならなりません。冬に乾燥し過ぎる時は加湿機などを設置してください。

照明

●ジュウシマツは昼行性の鳥なので、日の出とともに活動してエサを食べ、夜は睡眠をとります。このサイクルは性ホルモンや体調を維持する上で重要です。
夜も明るくしていると結果的に日照時間が長くなり、発情が起きやすくなり、メスでは卵巣・卵管の病気が好発します。またストレスにつながる可能性もあります。特に屋内飼育では、光のリズムを考える必要があります。
●日没後は消灯して静かな環境にしましょう。遮光カバーなどをケージに被せることで、適切な暗さに調節 できます。

夜はしっかり寝かせてください

ケア

●ケージの中に鳥をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。
●鳥が持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、動物はそれぞれ生息地に適応した体の特徴や生態を考えてください。
●鳥は飛ぶ動物ですが、飼育での最低の運動量や飛ばせる時間の一概に定まっていません。複数の止まり木や玩具などを使い、ケージ内が立体的に動けるような環境を考えてください。
●野生では、一日の餌を探して食べることに費やしていますが、飼育下では容易にエサが手に入り、残りの時間を退屈に過ごすことになります。鳥が野生本来の採食行動を発現できるよう、エサの種類を増やしたり、与え方を工夫したり(粟穂、殻付きの種子)、回数を増やすなどの工夫をしましょう。
●一般的に鳥は自ら羽つくろいをし、クチバシや爪を止まり木に擦りつけて摩耗します。しかし、クチバシや爪が過長した時は、クチバシや爪を切らないといけません。

退屈でないように変化や刺激が鳥に必要?

クチバシ切り

●クチバシのケラチンはアミノ酸から構成されており、栄養のアンバランス(種子の主食)、肝機能低下などに より変形や変性が起こります。
●クチバシの成長が咬耗よりも早いと、過長することがあります。クチバシは固いものを齧って摩耗するのではなく、歯ぎしりのように上下を擦り合わ せて咬耗して調節するため、基本的には切る必要はないはずです。

爪切り

爪が伸びすぎると、止まり木をつかみづらくなり、放鳥時には絨毯などに爪が引っかか り、折れて出血することもあります。また、飼い主が爪の伸びた鳥を手に乗せていると痛いと感じることがあります。
●爪切りはとても難しいので、無理して飼い主が行わないでください。爪を切る時には、足首ではなく、1本ずつ指を持ち切ってください。しかし、爪の内部には血管が通っている部分があり、血管を切らないように注意してください。

水浴び

●フィンチは水浴びをする習性があるた め、水浴び用の容器を用意してください。
 
●陶器製の小判型の容器が安定性に優れるた め、よく利用されています。
●ケージ内が水浸しになる時は、ケージ外に設置できる外付け式や、跳ね水防止用のカバー付きの容器を使用してください。

外付け水浴び容器はコレ!

 

 

 

鳥のことをもっと知りたい方はこの本を読んで!(お求めはクリック)

 

動物看護系学校の教科書!ジュウシマツのことも詳しく書かれています!

参考文献
■Cameron M.Cockatoos.CSIRO Publishing.Australia.2007
■Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.
■Harrison GJ,Harrison LR.Clinical avian medicine and surgery.WB Saunders Company.Philadelphia.1986.
■独立行政法人.農業・食品産業技術総合研究機構 編.日本標準飼料成分表.2009.
■Roudybush TE,Grau CR.Food and water interrelations and the protein requirement for growth of an altricial bird, the cockatiel (Nymphiccus hollandicus). Journal of Nutrition. 116(4).552-559.1986
■Walsberg GE.Avian ecological energetics.In Avian biology7.Farner DS,King JR,Parkes KC eds.p161-220.Academic Press.New York.1983
■須藤浩.飼料学講義.養賢堂.東京.1981

\ SNSでシェアしよう! /

ジュウシマツ情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ジュウシマツ情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • ジュウシマツのエサ|病気にさせない食事メニュー!