モルモットのストレスとは?

モルはストレスを受けやすい
野生のモルモットは群れで暮らしり、支配的なオスとメスとの社会的階層のある生活をしています。モルモットの家畜化の過程は、攻撃的でない性格、優れた繁殖力、高い社会的寛容度によるものと思われます。しかしながら、モルモットはストレスを受けやすい動物なため、実験動物ではストレスによって生じたホルモンの測定が行われている。この測定によって。
ストレスの原因とは?
モルモットにおいて集団でいることは、集団的防衛、繁殖の能率化もありますがが、体を寄せ合うことで精神が落ち着きと言われています。相性のあった個体と同居すると、異常な鳴き声もあげずにストレスも緩和した報告があります〔Hennessy et al.2019〕。1頭での生活や相性が悪い個体との同居はストレスにしかならないでしょう。またモルモットは出生後に母親の関与をほとんど必要としないとされていましたが、群れることならびに母親との同居は子は、精神的行動に良い作用を及ぼすことも判明しています〔Hennessy2003〕。現在、モルモットの社会的性質や社交性の必要性が注目されています。もちろん、不適切な温度や湿度、騒音、エサの栄養のアンバランスなどもストレスにつながります。モルモットは基本的に夜行性ですが、警戒心が強いために昼夜を通して断続的に活動する傾向があり、ペットでも体を隠せて精神的に落ちつくための小屋を与えて下さい。
ストレス行動
モルモットは性格が温和で、引っかいたり、咬んだりすることはありませんが、ストレスによる異常行動として、自身の毛を咬む(毛咬症/バーバリング)ことは有名で、同居個体や人も咬んだり、異常というほどの奇声あげる場合もあります。ストレスが慢性的になると、食欲低下、軟便や食滞が起こります。近年は人の自閉症のための動物モデル(モルモットGS株)としても使用され、環境への応答の欠如査、社会的相互作用の不適当などのような行動パターンが研究されています〔Caston et al.1998〕。
やはり環境エンリッチメント!
普段からモルモットを扱おうとする際には、ゆっくりとアプローチし、優しく話しかけることが重要です。モルモットは数多くの鳴き声を使い分けて意思表示をしています〔Berryman 1976〕。乱暴で手荒な取り扱いをすると、モルモットは恐怖のあまり体を硬直させたり、拒否を示す鳴き声をあげます。突然後ろから触ること、前方に突発的に走り出して、事故が起こることもあるので注意して下さい。
参考文献
■Berryman JC.Guinea pig vocalizations: their structure,causation and function,Z Tierpsychol41:80-106,1976,and Harper LV:Behavior.In The biology of the guinea pig.Wagner JE, Manning PJ,eds.Academic Press.New York.1976
■Caston J,Yon E,Mellier D et al.An animal model of autism:behavioural studies in the GS guinea-pig.Eur J Neurosci10(8).2677-84.1988
■HennessyMB.Enduring maternal influences in a precocial rodent.Developmental Psychobiology42(3).225-36.2003