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専門獣医師が解説する鳥の味覚!鳥って味が分かるの?

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味蕾とは?

脊椎動物の味覚の受容器を味蕾(みらい)と呼ばれ、主に舌の上面に存在します。ヒトでは約一万個あるといわれ、甘味・酸味・苦味・塩味をそれぞれ別個の味蕾が受容します。

鳥は?

哺乳類と比較して鳥類は味蕾の数が少なく(例えばニワトリは767個)〔Portman 1961.Proctor 1993〕、唾液の分泌も少ないです。これは口腔内での食物の迅速な移動に基づいて味覚が鈍くなったと言われてきました〔Klasing 1998〕。鳥は食物をそのまま飲み込むことが多いための現象ですが、鳥の味蕾は舌上だけでなく、口蓋や口底、嘴の先端などにある種類もいます〔Ganchrow et al.1985,Rajapaksha et al.2016,Martin 2017〕。

鳥はグルメ

近年の研究では鳥類の味覚は高度に発達している可能性が示唆され、それは多様な生態系や食習慣に適応するために不可欠な器官であると考えられています〔Gill 1994〕。味蕾におけるセンサー機能の詳細は解明されていませんが、一部の鳥は糖類を強く好むことから、甘味を知覚する能力を持っていることは事実です〔Toda et al.2021,Jackson et al.1998,Toda et al.2021〕。そして、飼鳥においても、鳥類が哺乳類と同等かそれより高い精度で味覚に基づいて餌の選択をする能力を持っています〔Matson et al.2000〕。ペレットも小麦を多く配合したうま味、糖類を多く配合した甘味のある製品を好む傾向があります。

苦味は対する拒否反応

飼鳥では苦い薬にも抵抗する姿をよく目にします。いわゆる苦味は不快な感覚を誘発し、鳥は頭を振って吐き出したり、くちばしを拭く行動などが見られ、これは潜在的な有毒化合物の摂取を防ぐ現象からきているとも言われています〔Gentle 1978〕。苦味に対する不快感を示す行動は学習するもので〔Skelhorn et al.2010〕、有毒な農薬や殺虫剤の散布、アルカロイドなど有毒植物から鳥を守るために使用されてきました〔Clapperton et al.2012〕。そして、高塩分は塩腺を持たない鳥にとって有毒となり 〔Mason et al.2000〕、高濃度は同じく不快感を示します〔Meyer et al.1986〕。

参考文献
■Clapperton BK,Porter RE,Day TD,Waas JR,Matthews LR.Designer repellents:combining olfactory,visual or taste cues with a secondary repellent to deter free-ranging house sparrows from feeding.Pest Manag Sci68:870–877.2012
■Ganchrow D,Ganchrow JR.Number and distribution of taste buds in the oral cavity of hatchling chicks.Physiol.Behav34:889–894.1985
■Gentle MJ.Extra-lingual chemoreceptors in the chicken (Gallus domesticus).Chem Senses3:325–329.1978
■Jackson S,Nicolson SW,Lotz CN.Sugar preferences and ‘side bias’in Cape sugarbirds and lesser doublecollared sunbirds.Auk115:156–165.1998
■Klasing KC.Comparative avian nutrition. Wallingford.Cab International.Oxon.UK.New York.NY.1998
■Martin GR.Touch,taste,and magnetoreception.In The sensory ecology of birds.Martin GR ed.Oxford University Press.2017
■Mason JR,Clark AA.The chemical sense s in birds.In Sturkie’s avian Physiology 6th Scanes CG ed.Academic Press.San Diego:p39–56.2000
■Matson KD,Millam JR,Klasing KC.Taste threshold determination and side-preference in captive cockatiels (Nymphicus hollandicus).Appl Anim Behav Sci25:69(4):313‐326.2000
■Meyer DB,Kare MR,Mason JR.Sense organs.In Avian Physiology.Sturkie PD ed.Springer New York,New York:p37–73.1986
■Rajapaksha P,Wang Z,Venkatesan N,Tehrani KF,Payne J,Swetenburg RL et al.Labeling and analysis of chicken taste buds using molecular markers in oral epithelial sheets. Sci.Rep6:37247.2016
■Skelhorn J,Rowe C.Birds learn to use distastefulness as a signal of toxicity.Proc.R.SocB277:1729–1734.2010
■Toda Y,Ko MC,Liang Q,Miller ET,Rico-Guevara A,Nakagita T et al.Early origin of sweet perception in the songbird radiation.Science373:226–231.2021

 

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