まとめ
約1ヵ月は手乗りにさせるために時間がとれる方だけが行ってください。時間がとれない方、無精な方には向きませんし、鳥を死なることもあります。しっかりと、知識をつけてから手乗りにチャレンジしてくださいね。
手乗りとは、鳥が人を怖がらない状態になり、馴つくことです。人に馴れると、飼い主に近寄ったり、餌を求めたりして、コミュニケーションがとりやすくなります。しかし、人に馴れることは良いことだけでなく、接触する時間が増えて、踏みつける事故が起こったり、人の食物を欲しがったり、人に対して求愛行動を示すなどの問題もありますので、注意して下さい。手乗りにさせるためには、母鳥から雛を離し、人が挿し餌で育てます。それなりの時間と労力が必要になり、知識がないと失敗して、ヒナが病気になったり、死ぬことも珍しくはないです。
一般的に18~20日齢のヒナが適しています。母鳥から雛を離し、挿し餌で育てます。
以下の物を用意して下さい。
雛の入れ物は、畚(ふご)や 升籠(マスかご)と呼ばれる容器に入れてましたが、プラスチックケースなどでも良いです。薄暗い環境をつくり、適切な温度管理を行います。
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容器の底にキッチンペーパーを2~3枚敷きます。寒い時期には容器底のペーパーの下に使い捨てカイロを入れたり、パネルヒーターの上に容器を乗せて保温をします。雛は低温になると体調を崩しやすく、25℃以下にならないように温度管理をして下さい。薄暗い巣で育つため、挿し餌をしている時以外は薄暗くしましょう。夏は温度が上がりすぎないようにし、エアコンの風が直接あたる場所は避けて下さい。雛が成長ととも羽ばたきの練習を始めたら、容器を大きくして、止まり木を設置します。ならば、最初から小さいふごやますカゴよりもプラスチックケージでよいと思います。小さい止まりも取り付けられます。
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周りがクリアなので、挿し餌以外はタオルなどをかぶせて使ってください!
野生の雛は完全な流動食を食べているわけではありません。母鳥の吐き戻したエサを口に入れてもらっていますが、半流動的な粒エサが主になっています。まさにそれと同じ餌が理想なのです。雛に与える餌は種子(シード)と人工飼料(パウダーフード)があります。昔からシードとして剥いたアワ(粟玉)が使用されています。粟玉は熱湯で湯がいてから水分を切って与えます。粟玉は柔らかくなり、少し暖かい餌になるので、母鳥が雛に与えるのと同じ状態になります。
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雛の日齢にもよりますが、挿し餌は水分が多すぎないように注意し、食べやすいような柔らかさにして下さい。水分が多いと軟便や下痢を起こします。
しかし、この方法だと大きな過ちがあります…
アワを主食にすると栄養不足になります。さらに熱湯で湯がくことでビタミンBが失活し、脚弱やペローシスに、湯がいた水分にはタンパク質も含まれており、水を捨てるとタンパク質も失われて、栄養性嘴羽毛形成不全の原因になります。
これらの対策は以下の通りです!
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パウダーフードとあわ玉を8 : 2位で混ぜ合わせて与える方法もあります。パウダーフードだけで溶かすのが不十分だと粘性があり、そ嚢に滞留しやすくなることがあり、粟玉を入れることで流し込みやすくなります。パウダーフードの欠点は流動性が高いので、薄く溶くとヒナはすぐにお腹を空かしてしまうので、挿し餌の回数が増えてしまいます。また、液体に近いと気管に餌が入り、誤嚥しやすくなります。
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オウムやインコはスプーンタイプ、フィンチはストロータイプの給餌道具を使用して挿し餌を与えます。
オウムやインコは母鳥が嘴の先まで餌を運ぶと自分で食べるので、スプーンタイプを使います。
インコの挿し餌にはコレを使う!
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フィンチは母鳥がヒナの口の奥までエサを入れるので、ストロータイプを使います。
ブンチョウの挿し餌には昔からの定番でコレを使う!
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挿し餌の温度は約40℃が目安で、冷えたら温め直します。挿し餌の温度が一定でなかった り、水分が過剰であったり、つくり置きによって腐敗してしまったエサなどは、感染症の原因になりますので、何度も作りなおして新鮮な状態で挿し餌は与えないといけません。
1回の与える量は雛が口を開かなくなるま で、あるいはそ嚢が頭約1つ分の大きさに膨れた程度を目安としてください。挿し餌の後はそ嚢を確認して、餌が胃に落ちているのかを確認します。そ嚢に餌が減っていると時は、次の挿し餌は控えます。そ嚢にエサが5~6時間以上も残っているのはよくありません。触って固いと、そ嚢うっ滞などの異常の可能性があります。糞の状態も確認してください。糞がでていない時は一度挿し餌を抜いてみて様子をみてください。糞の色がいつもと違う時は消化不良の可能性があります。
挿し餌の回数は、日齢と1回に採食する量によって変わります。パウダータイプの人工飼料は流動性が高く、ブンチョウは1日に3~4回、セキセイインコ・ボタンインコ・コザク ラインコ・オカメインコは1日に2~3回以上を目安として与えて下さい。粟玉をふやかして与える方法は、回数が少なくてすみます。定期的にヒナの体重測定を行い、体重が増加 していない場合は、量や回数が少ないか、あるいは腸炎や感染症の可能性があります。自ら翼を動かしたり、動き回る時間が増え てきたら、挿し餌の回数を徐々に減らし、可能な限り乾燥した餌に切り替えます。幼鳥が 自ら餌を食べ始めることを一人餌(ひとりえ) と呼びます。乾燥した剥き餌の粟玉を地面に撒いたり(撒き餌)、小さな容器に粟玉を入れたりして、幼鳥がエサをつつくようになるかを観察してください。徐々に挿し餌の催促が減り、体重も維持しているようであれば問題ありません。
人工飼料であるペレットをふやかして与える方 法もとられています。この方法で育ったヒナは、その後大きくなって成鳥になった時に、必ずそのペレットを食べてくれます。ペレットによる挿し餌であるので、栄養の問題もありません。ペレットのふやかしは1分未満で、粒の形は残り、手でつぶれる位の程度のものを挿し餌で与えます。羽が生えそろってきたら、手でつぶしても型崩れしない程度にふやかしたペレット(お湯にさっとつけるくらい)を与えます。水分は切らないように最小限するのもコツです。
一人餌を食べる頃には、ペレットはふやかす必要がありません。そのまま与えると100%食べてくれます。
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