専門獣医師が解説するチャイニーズハムスター〔Ver.2〕ネズミのようなハムスター!
見た目はネズミ!
チャイニーズハムスターは、他のハムスターと比べて細くて長い体と長い尾が特徴で、ネズミのような外貌をしています。
分類
げっ歯目キヌゲネズミ亜科キヌゲネズミ属
学名:Cricetulus griseus※
英名:Chinese hamster,Striped-back hamster,Grey hamster
別名:モンゴルキヌゲネズミ、モンゴルハムスター
※最近の分類では、チャイニーズハムスターはバラブキネゲネズミ(Cricetulus barabensis)と同一されていますが、ペットではチャイニーズハムスター(Cricetulus griseus)として流通しています
分布
中国北西部、内モンゴル自治区
身体
頭胴長:オス11.0〜12.0cm、メス9.0〜11.0cm
尾長:2.8〜3.1cm
体重:オス35〜40g、メス30〜35g
寿命:2~3年
特徴
冬季の 2~3月に冬眠が見られます。繁殖は3~4月に起こり、稀に秋にも繁殖します〔Andrew et al.2010。
性格
性格は人懐っこくて、とても扱いやすい種類です。
身体
尾は他のハムスターと比べて長く、頭胴長の約30%の長さです〔Andrew et al.2010〕。長い尾のためにバランス感覚がよく、高いところにも上れます。
成熟したオスの精巣は発達し、陰嚢がとても大きくなりますので、驚かないで下さい。
歴史
チャイニーズハムスターは、 1773年にドイツの動物学者であるPeter Simon PallasによってCricetulus barabensisとして初めて認識されましたが、長い間、Cricetulus griseusとCricetulus barabensis を別種と考える説や、亜種扱いなどもされていましたが、現在はバラブキネゲネズミ(Cricetulus barabensis)と統一されています。棲息地では6亜種が認識され、C.b.humatusは黒竜江省・吉林省・内モンゴル自治区、C.b.griseusは遼寧省・内モンゴル自治区・河北省・北京・天津・山東省・河南省・山西省、C.b.manchuricusは黒竜江省東部、C.b.obscurusは内モンゴル自治区・寧夏回族自治区・甘粛省東部・陝西省北部・山西省、C.b.pseudogriseusおよびC.b.xinganensisは黒竜江省北部・内モンゴル北東部で見られます〔Andrew et al.2010〕。
品種
チャイニーズハムスターは毛色によって品種が分けられていますが、あまり品種の数は多くはありません。
ノーマル
背中は灰色〜茶色で、1本のストライプがみられ、腹部は白色を帯びています。
シルバー
ノーマルよりも体色が薄く、白色を帯びた灰色の毛色です。
ホワイト
全身が白色で、目は黒目です。
パイド
パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色が見られます。
・体が細長く、尾も他のハムスターよりも長い
・オスは精巣は大きく陰嚢が目立つ
・品種は少ない
参考文献
■Andrew TS et al.A Guide to the Mammals of China.Princeton University Press:p242–243.2010