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クサガメってどんなカメ?|知らないといけない生態と特徴(Ver.2)

1 水ガメの種類・生態・特徴 この記事は約 7 分で読めます。 4,565 Views
クサガメ

草を食べるカメではなく、臭いカメです

●クサガメの和名は草ガメではありません。和名は臭亀と書き、臭腺から臭いを放つことから「臭い亀」という意味で命名されました〔安川 2007(1)、安川 2007(2)〕。
クサガメ

えっ?韓国産のカメ?

●クサガメは日本在来種とされていましたが、現在は江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来種の可能性が高いといわれています。その理由は、クサガメの文献記録もなく、最も古いのものでも1800年代初めの江戸時代からになります〔疋田ら 2010〕。
●日本に生息するクサガメを中国や台湾の個体と遺伝的な相違を調べた所、日本に生息する個体群は外国産、特に韓国に生息する個体群と遺伝的に一致するものが多く、日本のクサガメは外来起源である可能性が高 いことが研究で示唆されました〔Szuzuki  et al.2011〕。
クサガメ
●特に本州西部と四国に生息しているクサガメは、韓国系統のみです。日本におけるクサガメの最古の文献記録は1805年に小野蘭山著の「本草綱目啓蒙」で、当時のクサガメの記録が九州北部に集中していることから、朝鮮通信使より18世紀末に朝鮮半島より九州へ持ち込まれたのが最初と考えられています〔疋田ら 2010〕。Stejneger(1907)はクサガメの産地を対 馬、鹿児島、大阪などを挙げ、西日本に限定していると報告しており〔Stejneger 1907〕、韓国から西日本に渡ってきて、日本に帰化したと思われています。
●東日本と九州に生息しているクサガメは台湾と中国系統に分かれていました。千葉の房総半島のクサガメは中国の個体と形態的に似ているという研究報告があります〔Szuzuki  et al.2011〕。
●いずれにせよ、国外ではクサガメの個体数の減少から絶滅が危惧されています。

分類・生態

分類

カメ目潜頸亜目イシガメ科イシガメ属
学名:Mauremys reevesii
英名:Chinese three-keeled pond turtle、Reeve’s pond turtle
別名: 臭亀、リーブスクサガメ、金線亀
 

分布

韓国、中国(東部~南東部)、日本(北海道南西部、本州、四国、九州など)
クサガメ分布図

生態

●環境:流れの緩やかな河川、池、湖沼など
●行動
・昼行性で、流れの緩やかな平野部や湖沼を好み、夜は泥の中や池や浅瀬のふちで休んでいます。
クサガメ
・冬になると冬眠して越冬します。
●食性:雑食性で、子魚、イモリやカエルなどの両生類、甲虫などの昆虫、巻貝、エビやカニなどの甲殻類、ミミズなどの軟体動物、植物の葉や花、藻などを食べています〔安川 2007(1)、安川2007(2)〕。
●寿命:30~40年

身体

●甲長:18~23cm

品種

●クサガメには黒色色素欠乏のアルビノ、アルビノ遺伝子をもったアルビノヘテロ、黒色色素減退のライトカラー、パステルなどのカラーバリエーションなどがの繁殖(CB)個体が流通しています。

クサガメアルビノ

アルビノ

クサガメアルビノヘテロ

アルビノヘテロ

クサガメライトカラー

ライトカラー

クサガメパステル

パステル

 

クサガメのパステルアルビノ

パステルアルビノ

●クサガメとイシガメの交雑種をウンキュウと言いうます。外貌はクサガメよりだったりイシガメよりだったり、バリエーションが豊富です。野生でのクサガメとニホンイシガメの生息環境が異なり、交雑種を作ることはないと思われますが、放流や生息地の改変などにより、生息環境が昔よりも重なるケースが増えています。
●交雑種なので正式な名前はなく「ウンキュウ」は俗称です。中国語で陸上や淡水に生息する亀を意味する「烏亀(ウーグェイ)」から来ているとも言われていますが、よく分かっていません。
ウンキュウ

特徴

性格

●基本的に大人しく、噛みつくことはありません。

身体

●背甲は褐色~黒色と色は多様です。
クサガメ
●薄い色の甲板のつなぎ目(シーム:Seam)がみられる個体もおり、別名の金線亀の由来になっています〔安川2007(1)、安川2007(2)〕。

クサガメ クサガメの背甲
●背甲に3本のキールがあります。しかし、加齢により磨耗して分からなくなってきます。
クサガメ クサガメ
●幼若個体やメスでは頭や首の脇にかけて、不規則な黒色縁の黄色の模様が見られます。目にも、顔や首の横にも模様が入ります。
クサガメ
●腹甲は黒色~黒暗褐色をしています。

クサガメの腹甲
●オスは成熟すると黒化する個体が多いです。
クサガメ 
●頭はやや大きく、大型個体(特にメス)では頭部が巨頭化する個体もいます〔安川2007(1)、安川2007(2)〕。
 クサガメ巨頭化
●腋の下の皮膚の下に臭腺があり、悪臭を放ちます。
●指には鋭い爪と小さな水かきを備え、水場も陸場にも対応できます。

ポイントはコレ!
・中国、韓国、台湾、日本に生息する水ガメ
・雑食性で、昼行性のカメ
・島民をする
・クサガメとイシガメの交雑種をウンキュウと呼ぶ
・背甲のキールは3本
・不規則な黒色縁の黄色の模様が、顔や首の横に入る
・頭が大きくなる巨頭化が起こる
・腋の下の臭腺から匂いを出す

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参考文献
■疋田努,鈴木大.江戸本草書から推定される日本産クサガメの移入.爬虫両棲類学会会報(1):41−46.2010
■安川雄一郎.イシガメ属、イシガメ属とその近縁属の分類と自然史(前編).クリーパー39.クリーパー社.東京.p18-44.2007(1)
■安川雄一郎.イシガメ属、イシガメ属その近縁種の分類と自然史(後編).クリーパー40.クリーパー社.東京.p30-67.2007(2)
■安川雄一郎.アカミミガメ属(スライダーガメ属)の分類と自然史1.クリーパー36.クリーパー社.東京.p18-57.2007(3)
■Stejneger leonhard H.Herpetology of Japan and adjacent territory.Bull.US Natl.Mus58:xx.1-577.1907
■Suzuki D,Ota H.Oh,H-S.and Hikida T.Origin of Japanese populations of Reeves’ pond turtle, Mauremys reevesii (Reptilia: Geoemydidae),as inferred by a molecular approach. Chelonian Conservation and Biology10(2).237-2548.2011

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