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知っておいて!亀という生物について・・・

1 水ガメの種類・生態・特徴 この記事は約 8 分で読めます。 408 Views

爬虫類の1つのグループ

カメは甲羅を持つユニークな爬虫類で、短い手足で一生懸命歩いている姿、驚くと頭や手足を甲羅の中に隠す動作は、見ているだけで癒されます。ヘビやトカゲが苦手だという人は多いですが、不思議とカメが苦手だという人はあまりいません。カメは人との関わりは長く、性格も温和で、親しみのある生き物として昔から扱われています。

甲羅を持つカメが地球上に最初に現れたのは2億年以上前のことで、カメはその姿をほとんど変えることなく生きてきました。硬い甲羅が独特の防御システムとなり、現在まで生き残れたのでしょう。カメは約280種ほどあり、生態系が多様なため、体の形状も独特の変化を遂げています。

甲羅

甲羅は腹面、背面、側面で閉鎖されているため、前側から頭と前足、後から後足と尾が出る形になっています。漫画ではカメが甲羅を脱ぐ場面があったりしますが、実際は甲羅を脱ぐことができません。

カメの甲羅は、背骨や肩甲骨、肋骨が繋がって、肋骨が拡張・変形して進化したもので〔Nagashima et al.2009〕、50以上のパーツで作られています(骨板/骨甲板)。甲羅の外側の層(麟板/角質板)は、角質化したが皮膚が覆って、ブロック状に並んだ甲板になっています。内側の骨板と外側の麟板の継ぎ目がずれており、強度をあげています。

背中の甲羅を背甲(はいこう)、腹部の甲羅を腹甲(ふっこう)と呼びます。甲羅の形状は生息地によって大きく異なります。甲羅は硬い角化したもの、強靭な皮革のようなもの、柔らかいもの(スッポン)など様々です。甲羅全体のシルエットは水生が強い種類では、遊泳のため水遊抵抗を減らすように流線型をしており、陸生が強い種類では、天敵から身を守るために甲板が分厚く、背甲がドーム状に盛り上がっています。その他にもキールと呼ばれる隆起した甲板を備えており、甲羅の模様とともに擬態に役立っています(マタマタなどは枯れ葉の擬態をして、近寄ってきた獲物を補食します)。きれいで目立つと思う甲羅の模様も野生では、周囲の環境の中で目立ちにくくしています(ホシガメの放射線模様が代表的です)。蝶番(ちょうつがい)が背甲や腹甲に見られ、甲羅の頭や手足の出口を閉じて箱状になる箱ガメと呼ばれるグループもいます。箱ガメは生息地にワニなどの捕食者が多く、防衛手段として備わったと考えられています。一方で例外もあり、陸生種のパンケーキリクガメは扁平の甲羅で、素早く岩の隙間に潜り込んで天敵から逃れるのに役立っています

箱ガメ
甲羅の腹甲に蝶番があるため、頭や手足を甲羅内に収納して、背甲と腹甲の間の隙間を完全に閉じて箱状になるカメの仲間です。複数の科において存在し、多くの蝶番は腹甲に1カ所ですが、ドロガメ類は2カ所、セオレガメは背甲にあります。蝶番があることで腹甲を可動して背甲と腹甲の隙間を無くすことは、天敵からの防御以外にも乾燥防止にも役立っています。反対に背甲と腹甲の隙間を大きくすること大型の卵を産むこともできます。

カメは頭や尾を収納する種が多いため頭胴長や全長を測ることが難しく、一般的に大きさを表すのは、背甲の縦長の直線距離をSCL(Straight carapace length)として表記します。日本語では背甲長あるいは単に甲長と呼ばれています。現生の最大種はオサガメでは最大甲長183cm以上になり、最小はシモフリヒラセガメで甲長は9.6cmです

麟板は以下のように多くの甲板から構成され、名称が付いています。

カメ – Wikipedia

背甲
項甲板(背甲の頭部先端にある左右の縁甲板をつなぐ/無い種類もいます)
椎甲板(脊椎の上部にあります/基本は5枚ですが、6枚の種類もいます)
肋甲板(肋骨上部にあります/椎甲板の左右に4対)
縁甲板(背甲外縁を覆います/左右に11~12対)
臀甲板(背甲の最も尾側にあります/基本は2枚ですが、1枚に癒合している種類もいます)

※上縁甲板(図には示されていませんが、ワニガメには肋甲板と縁甲板の間に「上縁甲板」と呼ばれる甲板があります)

腹甲板
1 喉甲板(一番頭部に近い位置にあります/基本は左右1対、1枚に癒合している種類もいます)
2 間喉甲板(曲頸類で、喉甲板の上部または間に見られることがあります)
3 肩甲板(前肢の付け根に近い位置にあります/左右に1対)
4 胸甲板(前肢の後ろの位置、つまり胸にあります/左右に1対)
5 腹甲板
6 股甲板
7 肛甲板(一番尾に近い位置にあります/左右に1対)

橋とは背甲と腹甲の間の甲羅を指します。上記の胸甲板や腹甲板が外側へ張りだし、縁甲板と接している甲板が多いです。

8 腋下甲板(腋の下、前足の付け根にあります)
9 下縁甲板(縁甲板と腹甲板の間、橋の後肢の基部前方にあります)
10 鼠蹊甲板(後ろ足の付け根にあります)

甲羅を持つため他の生物には見られない特徴があります。肩帯は胸郭の肋骨より外側に付くのが普通ですが、カメは肋骨が外側に広がって形成されて肩帯を取り込むため、甲羅の内側にあります。腰帯は脊椎を介して体幹に繋がっていますが、やはり甲羅の内側に位置しています。

肘関節は他の爬虫類とは逆に外側に曲がるのもカメだけです。

カメのは潜頸類(せんけいるい)曲頸類(きょくけいるい)という首の甲羅内に収納する方法の違いで2つに分けられます。潜頸類は首をS字に沈みこませて潜るように収納します。カメの8割ほどが潜頸類で、ペットとして人気のあるギリシャリクガメアカミミガメ、そしてイシガメクサガメなど日本に生息するカメは全て潜頸類で、一般的にカメのイメージになります。

一方で曲脛類は上下の甲羅の間に頸を横向きにして折り畳み、挟み込むように収納します。曲頸類は甲羅の中に頭部を収納していても、頭と頸の半分が露出しており、完全には収納されていません。

原始的なカメは曲脛類ですが、現在、世界中の生息地では潜頸類に取って代わられています。種類によっては頭や手足を甲羅中には収納できないものもいます(オオアタマガメ、カミツキガメ、ワニガメが有名です)。海で進化したウミガメは頭を収納する必要がなくなり、退化的進化を遂げたものです。

クチバシ

カメは鳥と同じように歯を欠き、角質のクチバシがあります。

カメのクチバシは食性に大きく関与し、陸生の植物を食べる種類は繊維質をかみ切るために刃物状になったり、すりつぶすために便利なように臼のように厚くなっていたり、鋸状の突起がついているものもいます。

カミツキガメやオオアタマガメのように肉食のカメは魚やカニなどの甲殻類をかみ切るために強靭なタイプのクチバシを持っています。

皮膚と脱皮

脱皮は代謝が活発になって皮膚や鱗が生まれ変わっている証拠です。陸生種では皮膚が大型の鱗で覆われ、乾燥から身を守っています。水生種では皮膚に大型の鱗が少ないです。これらの鱗はヘビのように全部を一度に脱皮することはせず、小さく部分ごとに行われます。水中にいる時や、カメが木や石などに体がこすれて、剥がれます。

甲羅の外層は皮膚が角質した麟板で、その甲板は一枚一枚が鱗に相当しますので、脱皮が起こります。麟板がボロボロと細かく取れたり、乾燥した薄い貝殻のように自然に浮いてきて一 枚一枚剥がれるものもいます。古い甲板が剥がれて新しい甲板が定期的に形成され、年輪のように見えますが、脱皮の時期は冬眠以外に見られるため、年に 1 回だけでなく、成長時などで は2~3 回くらい起こります。 

水ガメとリクガメ

カメは淡水や海洋域、砂漠、草原、森林などの様々な環境に生息しており、生息地によって、水生、半水水生、陸生に分けられます。陸生種のみで構成されるリクガメから、産卵を除いて上陸しない完全水生種のウミガメもいますが、多くの種類が河川、湖沼、池等の淡水域に生息していることから、そのため半水生種は沼ガメとも呼ばれ、リクガメに対しての言葉で水ガメとも称されます。陸生種は短い指で、鈎爪が発達しており、歩行します。

水生種は指の間に水かきが発達し、ウミガメでは指の境目が不明瞭で、四肢はひれやオール状になっています。

食性も種類によって異なり、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、昆虫、貝類、甲殻類、植物の葉、果実、キノコなどを食べていますが、リクガメは主に草食で植物質をエサとします。水生種(沼ガメや水ガメ)では口を開け喉を広げることで口内の水圧を低下させ、水ごと獲物を吸い込んで食べます〔深田 1986〕。

長寿

カメは細胞の代謝のサイクルが遅く、動物の中でも比較的長寿です。特にゾウガメは長寿で、アルダブラゾウガメの187年の記録があります〔Adam 2020〕。他のカメでも100年以上の記録が散見されますが、リクガメでは40~50年、水ガメは30~40年が平均寿命になります。

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参考文献
■Adam M.Introducing Jonathan,the world’s oldest animal on land at 187years old.Guinness World Records.Retrieved.July 14.2020
■Nagashima H,Sugahara F,Takechi M,Ericsson R,Kawashima-Ohya Y,Narita Y,Kuratani S.Evolution of the Turtle Body Plan by the Folding and Creation of New Muscle Connections.Science10.Vol325(5937).p193-196.2009
■深田祝監修.T.R.ハリディ、K.アドラー編 .動物大百科12.両生・爬虫類.平凡社.東京p85-99.1986

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