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水ガメの皮膚が白い・・・専門獣医師が解説する水カビ〔Ver.2〕

4 水ガメのQ&A この記事は約 5 分で読めます。 50,175 Views
アカミミガメ皮膚炎

白いのがフワフワ!

手足や頭の皮膚の一部がふやけたように白くなっている、ふわふわ綿や皮のような物がついているなどの異常が見られたら、細菌感染あるいは真菌(水カビ病)による皮膚炎かもしれません。悪化すると皮膚がはがれたり(潰瘍)、炎症を起こします。また、脱皮した皮がついたままの脱皮不全ということもありますが、水ガメではまれです。カメは甲羅だけでなく、皮膚も脱皮をしますが、水中にいる時とその脱皮した皮が分かりやすくなり、首や手足に半透明~白い皮や膜のようなものがヒラヒラしているのが見られます。水槽内にも剥がれたふやけた皮や膜が浮いていますので、水槽の水の汚れが気になってから発見されるケースも多いです。これが正常な脱皮なのか?病気なのかが大きな問題です。最終的な診断は動物病院で検査をしないと分かりません。

原因は何?

原因は以下の通りに色々考えられています。脱皮不全は水ガメではまれで、多くは細菌や真菌感染(水カビ)、あるいは水槽の壁や石などにぶつけたり、同居カメから咬まれて外傷を負った可能性があります。

  • 脱皮不全
  • 細菌感染
  • 外傷(ケガ)
  • 真菌感染(水カビ病)

脱皮不全

カメの皮膚も鱗なので脱皮を定期的に行います。部分的に小片の皮膚が剥がれますので(部分脱皮)、それが白く見えることもありますが、水槽内の水が極端に汚れるようなことはありません。冬眠以外は、いつでも脱皮する可能性があり、年に1~3回くらいあります。

水ガメの脱皮

細菌感染

細菌感染は主に幼体に見られます。炎症を起こして、その部分が白く皮膚がふやけています。

外傷

水槽の壁や石など足を擦ったり、同居カメから咬まれて外傷を負ってケガをします。水ガメが手足や指、尾にケガやカサブタがある場合は、水槽内のレイアウトや陸場として置いているレンガなどで外傷を負った可能性が高いです。特に手足の裏に炎症やカサブタがある場合は、水ガメが狭い水槽から外に出たいために、頻繁に手足を動かして、水槽の壁に当たって起こります(四肢の潰瘍性皮膚炎)。

カメの外傷

真菌感染(水カビ病)

水カビはカメの免疫が低下することで感染しやすくなります。白色のモヤモヤの皮膚や皮が甲羅など体全体について発見されます。原因となる水カビは、ミズカビ科ミズカビ属(Saprolegnia)、ワタカビ属(Achlya)、アファノマイセス属(Aphanomyces)が多く、特にアファノマイセス属の水カビが検出されます〔Sinmuk et al.1996,Takuma et al.2011,鎌田ら 1998〕。

カメの水カビ カメの水カビ

カメが生活する水の中にはカビは少量ながら常在しますが、健康体ならば感染は起こりません。低水温や栄養のアンバランスなどでカメの免疫が低下することで感染して皮膚病になります。

どんな検査するの?

原因は顕微鏡検査や菌の検査(微生物検査)で調べます。その原因によって治療が異なります。下の写真は白い皮を染色して顕微鏡で観察したところ、水カビが確認されました。

治療は?

細菌感染であれば抗生物質の投与や皮膚の消毒を行います。真菌であれば水カビなので、抗真菌剤の投与や消毒を行います。いずれにせよ、水替えは頻繁に行い、衛生管理に努めて下さい。

予防は?

水質が悪化しないように、水替えは頻繁に行って衛生的な管理をして下さい。また太陽光では殺菌効果があり、爬虫類用の紫外線ライトにより脱皮が促進します。その他カメの免疫が低下しないように温度管理を行い、栄養のバランスの取れたペレットを主食にしましょう。

アカミミガメ

水槽が狭い、あるいはレイアウトで石などが足にあたるならば、広い水槽に変えて、レイアウトも一度変えてみましょう。細菌にしろ、カビにしろ、ケガにしろ、心配なら下記の消毒をしてみて下さい。 下記の消毒をつけてから30分くらいは水の中に入れないで乾燥させてから戻して下さい。

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参考文献
■Sinmuk et al.Aphanomyces infection in juvenile soft-shelled turtle,Pelodiscus sinensis,imported from Singapore.Mycoscience37(3).15.249-254.1996
■Takuma et al.Aphanomyces sinensis sp.nov.,isolated from juvenile soft-shelled turtle,Pelodiscus.Mycoscience52(2).119-131.2011
■鎌田篤,廣瀬一美.ニホンイシガメ,Mauremys japonicaの皮膚糸状菌症について.水産増殖46(3).377-378.1998

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