1. TOP
  2. 3 イグアナの病気
  3. イグアナの卵関連疾患|卵の病気

イグアナの卵関連疾患|卵の病気

3 イグアナの病気 この記事は約 7 分で読めます。 171 Views
イグアナ卵

卵と病気

●発情したメスでは多数の卵胞の発育や卵の形成によって、腹部膨満、食欲不振などがみられ、一見病気と間違えやすく、さらに卵巣・卵管疾患もよく起こります。
イグアナ卵

抱卵期の症状・行動

●イグアナは12月から翌1月に発情期を迎えて交配し、交配後2ヵ月以上を要して産卵するといわれています。
●メスのイグアナはオスの有無に関わらず年に1回産卵し、産卵数は70個にも及びます〔Rodda 2003〕。
●発情期は卵胞が発育する卵胞期と卵が形成される卵形成期に分けられます。この時期に特有の行動と症状が見られます。

  • 徘徊して地面を掘る
  • 腹部膨満
  • 食欲不振
  • 呼吸促拍
  • 後ろ足の麻痺

徘徊して地面を掘る

●イグアナは産卵に適した環境を求めて非常に広い範囲を移動し、産卵適所を見つけると地面に深い穴を掘る行動がみられます。
イグアナ呼吸

腹部膨満・食欲不振・呼吸促拍・後ろ足の麻痺

●多数の成熟卵胞や卵は腹腔領域を占拠し、腹部が満します。
イグアナ腹部膨満
●腹部膨満のために、食欲不振、呼吸促迫、後ろ足の麻痺などがみられますが、健常なイグアナには治療は不要で、産卵後に症状が回復します。
イグアナ腹部膨満
●イグアナは産卵前に食欲が低下し、飲水だけを行いますので、病気と間違いやすいです。しかし、イグアナの健康状態が悪いと衰弱して死亡することもあり、外見的な症状だけで異常と判断することは容易ではないので、動物病院で検査を受けてください。

病気と紙一重!

抱卵期の対応

●うまく産卵させるには、産卵させる環境、栄養、温度と湿度、光がポイントになります。

  • 産卵環境
  • 栄養
  • 温度と湿度
  • 異性

産卵環境

●適切な産卵場所を設けないことが難産を招くといわれており、卵を持ったイグアナに徘徊できる広い産卵ケージと産卵床を用意してくだい。固い側壁と天井のついた構造の巣を提供し〔Barten 1993〕、巣穴を掘りやすい水で湿らせた床材を入れて、保温してください〔Schumacher et al.2003〕
イグアナ産卵床

運動させて掘らせて!

栄養

●体脂肪の蓄積も生殖活動に必要で、十分なエネルギーの蓄積がなければ卵巣の活動は低下し、繁殖活動に影響します。

温度と湿度

●イグアナは外気温動物で、保温と加湿をすることが基本です。体調を崩さないよう管理してください。

●光は内分泌に大きく影響します。光行性の爬虫類なので昼は明るく、夜は暗くして、明暗をしっかつけて飼育してください。

異性

●発情したら、オスとの接触した方が自然ですが、現実的に繁殖を試みないが多く、1頭で飼育している場合は接触できません。

繁殖期の卵巣・卵管

●メスは左右一対の卵巣と卵管からなり、繁殖周期によって、外貌が劇的に変化します。

(排卵前)卵胞期

●卵巣に多数の小型の卵胞が発育して、次第に卵胞が発達します。
イグアナ小型卵胞
●数10個の卵巣は黄身を含んだ大きな卵胞になり、卵巣の表面を覆い、ブドウの房のようになります。
イグアナ卵胞   イグアナ卵巣と卵管

まるで黄色い巨峰

(排卵後)卵形成期

●成熟卵胞は卵管に排卵されて、卵殻が形成されます。
イグアナ卵

卵胞吸収

●発達した卵胞は閉鎖して吸収されることもあります。卵胞は排卵する前の過程で発達を止めて、不完全な卵胞を排除し、卵胞の数の調節ともいわれています〔Rodda 2003〕。卵巣の成熟卵胞が完全に吸収されることがあります。
イグアナ卵胞

えっ、無くなることもあるの?

どれくらい待って産卵しないとやばいのか?

●Rodda(2003)の交配後2ヵ月以上を要して産卵するという報告、Schumacher ら(2003)の受精から卵を持つまで40~70日であるという報告から、約2ヵ月とが一つの基準と考えてよいでしょう。
●2ヵ月以上産卵しない場合は、病気かしれないので、検査を受けるべきです。また、卵を持つと食欲不振などが見られますが、ぐったりするなどの症状がある場合は急いで検査してください。

2ヵ月も待てる?

卵巣・卵管疾患

●抱卵期の症状以外にも、腹痛(じっとして腹を地面につける姿勢)、活動性の低下、痩せる、後ろ足のむくみ(浮腫)がみられたら、体が弱ってくたか、あるいは何か卵巣や卵管に病気が発生している可能性が高いです。

卵胞うっ滞

●成熟卵胞のまま、排卵しない状態を差します。環境が不適切なため、卵胞が十分に発育せず、卵管に排卵しないことが原因です。
イグアナ卵胞
●卵巣炎にために卵胞が変性したり、変性した卵胞は卵巣炎の原因にもなります。
イグアナ変性卵胞

卵閉塞

●卵が卵管内で通過しないで停滞を起こします。多くはイグアナが産卵できる環境作りになっていないことが原因です。
●卵殻が作られるために、低カルシウムの状態になっていることが原因かもしれません。
イグアナ卵
●変性卵が原因になったり、閉塞した卵は卵管炎の原因になります。
イグアナ変性卵

卵黄性腹膜炎

●卵胞黄がつぶれて卵黄がお腹の中に漏れだして腹膜炎を起こします。卵黄は腹腔へ刺激を与えるためにイグアナはとても痛がります。
イグアナ卵黄性腹膜炎  イグアナ卵黄

卵巣炎(肉芽腫性卵巣炎)

イグアナ卵巣炎
●卵巣炎は硬く固まってしまうこともあります。完全に固まると異常な症状が落ち着いてきます。
イグアナ卵巣炎

卵巣腫瘍

●卵巣が腫瘍化していることもあります。
イグアナ卵巣腫瘍
イグアナ卵巣腫瘍

卵巣・卵管の病気の検査

●一般的にレントゲン検査やエコー検査を行います。精密検査でCT検査をすると状態がよく分かります。全身状態の評価は血液検査になり、貧血や肝不全や腎不全、カルシウムの値などを確認します。

まとめ

●メスは1頭で飼育しても毎年、無精卵を産みますので、年末の繁殖期はドキドキですね。卵ができずに卵胞が吸収して無くなることもあるなんて不思議ですね。
●適切な環境作りがポイントですが、卵がどうなっているか、病気になっていないか心配ならば、動物病院で健診を受けましょう。

いわゆる妊婦さん健診!

参考論文
◼️Barten SL.The medical care of Iguanas and other Common pet lizards.p1213-1249.In The Veterinary Clinics of North America. Small Animal Practice.Exotic Pet MedicineI Vol 23(6).Quesenberry KE,Hillyer EV.eds,WB Saunders Company.Philadelphia1993
◼️Jacobson ER.Overview of Reptile Biology, Anatomy,and Histology.p1-130.In Infectious Disease and Pathology of Reptile.Jacobson ER.ed,CRC Press.New York.2006
◼️Rodda GH.Biology and Reproduction in the Wild.p1-27.In Biology,Husbandry and Medicine of the Green Iguana.Jacobson ER.eds.Krieger Publishing Company,Malabar.2003
◼️Schumacher J,Kohler G,Maxwell LK,Antonio FB,Ehrig RW.Husbandry and management. pp.75-95.In Biology,Husbandry,and Medicine of the Green Iguana.Jacobson ER eds.Krieger Publishing Co.Malabar.2003

\ SNSでシェアしよう! /

イグアナ情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の注目記事を受け取ろう

イグアナ卵

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

イグアナ情報室|専門獣医師による飼育と病気の解説の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • イグアナの品種 | 緑色じゃないじゃん!

  • トカゲは尾を自ら切る?

  • 山内イグアナ研究所

  • イグアナってどんなトカゲ?|知らないといけない生態と特徴

  • ハイパーブックレット・ケアーマニュアル・グリーンイグアナ

  • イグアナの雌雄鑑別と繁殖|無精卵産みすぎで困っちゃう!