水ガメの甲羅が白くなりました・・・専門獣医師が解説する甲羅の脱皮不全
正常?病気?どっち?
甲羅が白くなっている・・・・脱皮で古い甲羅がくっ付いているだけのこともありますが、古い甲羅がくっ付いたままだと、そこから感染を起こすこともあります。
甲羅も脱皮する
甲羅は年輪のように古い甲羅が剥がれて新しい甲羅が定期的に形成されます。カメの甲羅は角質の麟板と骨の骨板という二重構造をしています。実際に剥がれる甲羅は麟板のみで、自然に浮いてきて一枚一枚剥がれます(部分脱皮)。甲羅の脱皮は冬眠以外は、いつでも脱皮する可能性があり、年に1~3回くらいあります。
脱皮不全で甲羅が変形すると上手く脱皮しないで、剥がれずにくっ付いたままになっています。古い甲羅が積み重なると、それが何重にもミルフィーユのように層を形成します。代謝性骨疾患(MBD)などで甲羅が変形していると脱皮不全も起こりやすくなります。
甲羅の脱皮は甲羅が乾燥している時の法が分かりやすく、鱗状のものが浮いたように剥がれています。
重なった麟板は、その層に細菌や真菌感染を受けやすくなり、シェルロットの原因になります。
甲羅の脱皮不全とは?
脱皮が上手くいかないと古い麟板が重なって層になり硬くなっていたり、少し縁が浮いていることもあります。
古い麟板や浮いた麟板の隙間に、細菌や真菌(水カビ)の感染が起こりやすく、シェルロットの原因になります。水槽の水が汚かったり、食べ残しのエサが浮いた状態になっているなどの水質の悪化が感染を助長します。
原因
甲羅干しが足りない?ライトが悪い?
紫外線不足で甲羅のカルシウム代謝に異常が見られ、温度管理ができていないと代謝が低下して甲羅の脱皮が上手くいかなくなります
代謝性骨疾患
甲羅の骨板は骨と同じにカルシウムからできています。代謝性骨疾患(MBD)により甲羅が変形し、甲板の形が変形したり、甲羅が扁平になったり、縁が反ったりします。主な原因はカルシウム摂取の問題と紫外線の不足です。甲羅の変形により、その最も外層の麟板が上手く脱皮できなくなります。古い麟板は剥がれず、重なったり、一部だけ強くくっ付いていることもあります。
栄養のバランスが悪い
甲羅はカルシム以外に、特に麟板はアミノ酸であるタンパク質からできています。主食のエサがペレットでなく、エビが多いなどの理由で甲羅の代謝に影響が見られます。
対応は?
浮いた麟板であれば剥がして見ましょう。無理に剥がすと、血が滲むこともあり、カメは嫌がるので少しづつ優しく行い、無理はしないで下さい。
どうしても一部が剥がれない時には、剥がれた箇所だけをハサミでカットしてあげましょう。
予防は?
甲羅がきちんと脱皮するように、エサの栄養のバランスをよく考え、水場と陸場をきちんとレイアウトし、太陽光なり紫外線ライトを照射するなど、水ガメの適切な飼育環境を見直して下さい。水替えも日頃より多くいましょう。
まとめ
甲羅の脱皮不全は代謝異常なので、カメが健康に育っていれば起らないです。何らかの問題が飼育上での、エサや照明にあるから起こるのです。
必読!専門獣医師も読んでます!
分かりやすくて正しい情報で役にたつ!楽しみがら爬虫類の知識が身につく漫画!読まないともったいないです。