爬虫類の膀胱結石

カメもトカゲも膀胱結石ができる!
膀胱結石ができるのは膀胱があるカメとトカゲです。カメでは膀胱で水分吸収を強く行うリクガメに見られ、ケヅメリクガメ、ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメ、ホシガメなどに多く発生します。トカゲではなぜかグリーンイグアナとチャクワラに見られます。尿を貯める膀胱に結石ができる病気ですが、カメやトカゲでは、犬や猫のように結石が大きくなり、尿が出なくなるということが起きません。カメの腎臓で作られた尿は尿管を介して腎臓に運ばれずに、直接総排泄腔に流れ込み、そこから膀胱へ移動します。小さな結石は無症状ですが、結石が大きくなって初めて発見されることも珍しくはありません。
なぜできるのか?
結石は膀胱内に溜まる尿成分の尿酸結石が主ですが、カルシウム結石もあります。両者の成分が混ざりあった結石もあります。尿酸結石は高蛋白のエサ(カメ用ペレットなど)、飲水の不足、乾燥した環境も発生要因になり、運動不足で膀胱内で尿酸が沈殿することで結石ができやすくもなります。カルシウム結石はカルシウムのサプリメントの与えすぎが原因です。他にも膀胱炎や遺伝的な理由なども結石を作りやすくします。
症状は?
結石が小さいと無症状ですが、少しずつ大きくなっていくとオシッコ(尿酸)に血が混じったり、食欲が落ちたりします。膀胱内で大きくなった結石は、膀胱の脇に走行している直腸を圧迫するようになり、便秘が起こります。膀胱結石が移動して膀胱から総排泄腔に移動すると骨盤に詰まり、便もオシッコも出ずき、強く力みます。
痛みのために食欲も落ちます。お尻(総排泄孔)を見ると結石が見えることもあります。
検査は?
レントゲン検査で結石を確認します。しかし、結石の成分で、尿酸が多いとレントゲンに写りにくく、カルシウムが多いと明確に写ります。明確にするためにCT検査をすることもあります。
結石の成分を検査センターに提出して、尿酸とカルシウムの成分を調べます。
治療はどうするの?
結石が膀胱内にあるなら、甲羅を開けて開腹手術で摘出するしかありません。
膀胱結石が総排泄腔に移動すると、お尻(総排泄孔)から見えるますので、結石を取り出したり、削って取り出すことができます。
予防は?
結石が出来やすい種類のカメは健康診断ならびにレントゲン検査を受けてください。小さい結石であれば水を飲ませ、補液をたくさんして、オシッコと一緒に排泄するかもしれません。爬虫類の結石は哺乳類ほど硬くないので、オシッコを沢山させれば崩れ出ることもあります。
リクガメは草食なので、野草を中心とした植物食を心がけて下さい。リクガメ用ペレットは尿酸の成分が多いので避けてましょう。水を飲む環境を作る、つまり温浴の回数を増やしてもよいかもしれません。水分摂取を目的とてキュウリやレタスなどを多く与えるのも一方法です。尿酸成分が膀胱内で沈殿しないように、毎日しっかり歩かせて運動させましょう。