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モルモットの飼育(特別保存版Ver2)

 2019/03/16 2 モルモットの飼育 この記事は約 9 分で読めます。

モル飼育はストレス対策!

●モルモットはストレスを受けやすい動物なので、飼育にはどうストレスを少なくするかがポイントになります。

飼育

●夜行性の動物ですが、ペットのモルモットは人間の生活に合わせる個体が多いです。
●臆病な性格で、さらに聴覚が発達しているために、静かでストレスの少ない環境で飼うことが理想です。物音や気配で目を覚ますために、ケージを置く場所は、静かな部屋にしてあげましょう。
環境が悪いとストレスになり、食欲不振、軟便・下痢、体重減少などがみられることも珍しくないです。モルモットは敏感な動物です。

飼育頭数

●群れで暮らして社会的なコミュニケーションをとることを好むため、多くの飼育書では複数飼育が勧められています。しかし、集団の中で優劣が認められると、相手の毛や耳を齧ったりすることもありますので注意してください。オスとメスを一緒にすると繁殖をします。オス同士は喧嘩が起こりやすいです。理想はメス同志がよいでしょう。
●スイスの法律では、モルモットの単独飼育は禁止されています。群れで生活している動物を、一頭で飼うことは虐待という見解のためです。

スイスではモルモットは一頭で飼ってはいけない法律がある!

モルモット    モルモット

ケージ

●跳躍力が乏しいため、蓋のない水槽タイプや金網タイプのケージで飼育できます。
●立ち上がった時に肩の高さより高い壁を乗り越えることはできませんので、ある程度の高さがあれば、蓋がなくても飼育できます。

●ケージの中に床敷、エサ容器や給水器、小屋・巣箱などをレイアウトして設置してください。
モルモットケージ モルモットケージ
●臆病な性格のため、自分一人で落ち着ける場所が必要なので、中で動けるくらい余裕がある小屋・巣箱を1つ用意しておくとよいでしょう。
●環境の変化や騒音など過大なストレスを与えるため、十分に注意してください。
モルモット小屋

表:実験用モルモットのケージの大きさ〔(EUの実験動物保護指令〕

体重 床面積(cm2) 高さ(cm)
200g以下 200 23

 

200-300g 350
300-450g 500
450-700g 700
700g以上 900

●近年では、ケージの大きさに様々な考慮がなされ、さらに広い床面積が推奨されています。
●基本的にモルモットはトイレを覚えないです。糞やオシッコは床のあちこちでするので、トイレよりも床敷を取り換えやすいものにすることを考えましょう。
モルモット糞
床敷は牧草が理想ですが、大量の糞や尿のために不衛生になりやすいです。そのため、糞や尿が下に落ちる金網の床も勧められていますが、金網の床は、足をを引っかけることによる外傷や骨折が起こりやすい欠点があります。
モルモット牧草床敷 モルモット金網の床

温度・湿度・照明

●モルモットは暑さよりも寒さに強い動物です。
●夏はケージを直射日光が当たる所や閉めきった部屋に置くと、熱射病・熱中症になる可能性があります。部屋の温度を観察し、涼しい場所に置いてあげてください。それでも暑い場合は、冷房や送風などで温度を調節してください(温度・湿度)。
●冬はエアコンやヒーターなどで、保温をしてください(温度・湿度)。特に幼体や毛が無いスキニーギニアピッグは低温に弱いので、肺炎にならないように注意してください。
●モルモットは体の割には糞と尿の量が多く、掃除を怠ると湿気が高くなり、臭いもこもります。
●夜行性の動物なので、日光浴をさせる必要はありません。

表:温度・湿度〔Kaiser et al.1986〕

温度 18-24℃
湿度 50-60%

食事

エサ

●モルモットは草食動物で、牧草を主食にし、モルモット用ペレットや野菜を与えてください。

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●活動し始める夕方から夜の早い時間にかけて、エサを与えてください。
●牧草やペレットは常にエサ容器に入れておき、しおれやすい野菜は時間を決めて新鮮なものを与えてください。果物やおやつなどはコミュニケーションの一環として、時々与える程度にとどめましょう。

 


●エサの内容に敏感ですので、急な変更で拒食を示すことがあります。エサを変更する場合は数日以上の時間をかけて行って下さい。

ビタミンC

●モルモットは身体でビタミンC(アスコルビン酸)の合成を行うことができないため、エサから補給しなければなりません。必要量は15~20㎎/㎏/日で、妊娠中や授乳中のメスは、30㎎/㎏/日以上です〔Guide for the Care and Use of laboratory Animal 1985〕。
●ビタミンCはコラーゲン(動物の皮膚、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質)の生成に関係するため、欠乏すると皮膚や血管、骨、関節に異常があらわれます。うまく歩けなくなり、手並みも悪くなります。重症になると出血しやすくなり、免疫力も低下し、病気の原因になります。
●モルモット用ペレットにはビタミンCが添加されていますが、保管状態によっては劣化しやすいです。ビタミンCの補給源としてキャベツ、パセリ、ブロッコリー、トマト、キュウリなどの野菜、キウイフルーツ、オレンジといった果物、あるいはビタミンCのサプリメントを与えるなどの策がとられています。

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ペレット

●モルモットの栄養学の詳細は分かっていません。
●粗繊維は腸内細菌叢の維持に必要な栄養素で、腸内細菌叢は、繊維質を分解して、消化・発酵に役立ちます。
●粗繊維は約15%以上必要とされていますが〔Slade et al.1069〕、最低10%〔Cheeke 1987〕や9~18%〔田嶋 1970〕など、その見解には幅があります。

モルモットのペレット

粗繊維が少なく、糖質やでんぷんが多い、おやつや果物などのエサを多く与えると、腸炎消化管のうっ滞になりやすくなります。
●特殊加工された劣化しないビタミンCが添加されているモルモット用ペレットも開発されています。

●給水器も皿タイプとボトルタイプがありますが、多くがボトルタイプの給水器で飲んでくれます。
●モルモットはエサを口の中で長時間かけて水と混ぜ合わせる習性があり、その状態で給水器に口をつけるため、給水器の水が汚れることが多いです。ボトルタイプの給水器であると、水がエサが汚れて給水器の先が詰まることがありますので、注意してください。

表:採食量・飲水量〔Bauck et al.1997〕

項目 1日の体重100gに対する量
採食量 10-12g
飲水量 8-10mL

ケア

●ケージの中に動物をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。
●モルモットが持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、生息地に適応した体の特徴や生態を環境エンリッチメントに沿って考えてください。モルモットでは性格が温和でおとなしい個体、臆病な個体、活発で好奇心旺盛な個体など、それぞれの性格に合わせてケアを考えます。

運動

●活発あるいは好奇心旺盛な個体は、動き回ることのできる広い空間も提供しましょう。

●好奇心旺盛な動物で、興味をもつと積極的に周囲を探索するようになります。人に馴れてくるとスキンシップを求めてくることもあります。

コミュニケーション

●馴らすには、優しく声をかけながら、両手でそっと抱きあげて、コミニケーションをとってください。ケージの扉を開ける音に反応してモルモットが出てくるようにもなります。そして、嫌がったり逃げたりせずに触らせてくれるようになったら、膝の上にのせて、優しくなでてみましょう。

モルモット  

グルーミング

●長毛種ではグルーミングやブラッシングが必要となることもあり、いずれもストレスにならないように行ってあげてください。

爪切り

●野生では爪を削る環境がありますが、飼育下では爪が伸びすぎることがあります。おとなしい性格であれば定期的に切ってあげましょう。

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参考文献

■Cheeke PR.Nutrition of guinea pigs.In Rabbit Feeding and Nutrition.Cheeke PR ed.Academic Press.Orland.FL.p344-353.1987
■Slade LM,Hintz HF.Comparison of digestion in horses, ponies, rabbits and guinea pigs. Journal of Animal Science 28.842-843.1969
■DIRECTIVE 2010/63/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 22 September 2010 on the protection of animals used for scientific purposes(科学的な目的のために使用される動物の保護に関する2010年9月22日の欧州議会及び理事会指令2010/63/EU(抄) (EUの実験動物保護指令)
■Kaiser S,Kruger C,Sachser N.The guinea pig.In The UFAW Handbook on the Care &amp:Managment of Laboratory Animals 6th ed. Poole TB ed.Longman Scientific &amp:Technical.UK.p380-398.1986
■Guide for the Care and Use of laboratory Animal.U.S.Department of health,Education and Welfare.Public Health Service.NIH.1985
■田嶋嘉雄編.実験動物学.総論.朝倉書店.東京.1970

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