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モルモットの飼育(特別保存版Ver.5)

 2019/03/16 2 モルモットの飼育 この記事は約 11 分で読めます。 10,041 Views

モル飼育はストレス対策!

モルモットはストレスを受けやすい動物なので、飼育にはどうストレスを少なくするかがポイントになります。
モルモット

飼育

夜行性ですが、ペットのモルモットは人間の生活に合わせられます。臆病な性格で、さらに聴覚が発達しているために、静かでストレスの少ない環境で飼うことが理想です。物音や気配で目を覚ますために、ケージを置く場所は、静かな部屋にしてあげましょう。モルモットは環境に敏感な動物なので、環境が悪いとストレスになり、食欲不振、軟便・下痢、体重減少などが見られることも珍しくないです。

飼育頭数

群れで暮らして社会的なコミュニケーションをとることを好むため、複数飼育が薦められています。

モルモット

集団の中で優劣が認められると、相手の毛や耳をかじったりすることもありますので注意して下さい。

モルモット咬傷
オスとメスを一緒にすると繁殖をしますので注意して下さい。オス同士は喧嘩が起こりやすいです。理想はメス同志がよいでしょう。もしオスとメスを飼育し、繁殖させたくない場合は、ケージを隣合わせにして鳴き声を聞かせてあげましょう。スイスの法律ではモルモットの単独飼育は禁止されています。群れで生活している動物を、一頭で飼うことは虐待という見解のためです。
モルモット

ケージ

モルモットはあまり飛び跳ねないので、蓋のない水槽タイプや金網タイプのケージで飼育できます。ケージの中にエサ入れや給水器、小屋などをレイアウトして設置します。
モルモットケージ モルモットケージ

表:ケージの中に設置するグッツ

グッツ 必要度
小屋
エサ入れ
給水器
トンネル
かじり木

環境の変化や騒音などは、過大なストレスを与えるため十分に注意して下さい。
モルモット小屋
近年では、ケージの大きさに様々な考慮がなされ、さらに広い床面積が推奨されています。

表:実験用モルモットのケージの大きさ〔(EUの実験動物保護指令〕

体重 床面積(cm2) 高さ(cm)
200g以下 200

23

 

200-300g 350
300-450g 500
450-700g 700
700g以上 900

立ち上がった時に肩の高さより高い壁を乗り越えることはできませんので、ある程度の高さがあれば天井がなくても飼育できます。
 モルモットケージ

小屋

臆病な性格のため、自分一人で落ち着ける場所が必要なので、中で動けるくらい余裕がある小屋を1つ用意しておくとよいでしょう。
モルモット

トイレ

基本的にモルモットはトイレを覚えないです。糞やオシッコは床のあちこちでするので、トイレよりも床敷を取り換えやすい物にすることを考えましょう。
モルモット糞

床敷

床敷は牧草が理想ですが、大量の糞や尿のために不衛生になりやすいです。そのため、糞や尿が下に落ちる金網の床も勧められていますが、金網の床は、足をを引っかけることによる外傷や骨折の恐れがあります。
モルモット牧草床敷 モルモット金網の床

床板が硬い、運動不足、肥満などの原因で潰瘍性足底皮膚炎が多発します。

床敷として孔の開いたプラスチック製の床板(フットレスト床板)が使われることが多いです。足裏にも優しく、多孔なため、足の負荷が減り、糞やオシッコが下のスノコ落ちて衛生的で、潰瘍性足底皮膚炎の予防になります。
モルモットケージ

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温度・湿度・照明

温度

モルモットは暑さよりも寒さに強い動物です。夏はケージを直射日光が当たる所や閉めきった部屋に置くと、熱中症になる可能性があります。部屋の温度を観察し、涼しい場所に置いてあげて下さい。それでも暑い場合は、冷房や送風などで温度を調節しましょう(温度・湿度)。冬はエアコンやヒーターなどで保温をします(温度・湿度)。特に幼体や毛が無いスキニーギニアピッグは低温に弱いので、肺炎にならないように注意して下さい。

湿度

モルモットは体の割には糞とオシッコの量が多く、掃除を怠ると湿気が高くなり、臭いもこもります。

照明

夜行性の動物なので、日光浴をさせる必要はありません。

表:温度・湿度〔Kaiser et al.1986〕

温度 18-24℃
湿度 50-60%
これがポイント!(環境)
・群れで飼うとモルモットは安心する
・スイスではモルモットは一頭で飼ってはいけない法律がある
・静かな場所で飼う
・ケージの蓋は要らない
・フットレスト床板
・トイレは覚えない

食事

エサ

モルモットは草食動物で、牧草を主食にし、モルモット用ペレットや野菜を与えて下さい。

モルモットはエサ入れに体を入れる習性があり、エサ入れはケージに固定できるものか、陶製の器で重たいものを使いましょう。

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活動し始める夕方から夜の早い時間にかけて、エサを与えて下さい。牧草やペレットは常にエサ容器に入れておき、しおれやすい野菜は時間を決めて新鮮なものを与えます。果物やおやつなどはコミュニケーションの一環として、時々与える程度にとどめましょう。

 


エサの内容に敏感ですので、急な変更で拒食を示すことがあります。エサを変更する場合は数日以上の時間をかけて行って下さい。

ビタミンC

モルモットは身体でビタミンC(アスコルビン酸)の合成を行うことができないため、エサから補給しなければなりません。必要量は15~20㎎/㎏/日で、妊娠中や授乳中のメスは30㎎/㎏/日以上です〔Guide for the Care and Use of laboratory Animal 1985〕。ビタミンCはコラーゲン(動物の皮膚、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質)の生成に関係するため、欠乏すると皮膚や血管、骨、関節に異常があらわれます。上手く歩けなくなり、手並みも悪くなります。重症になると出血しやすくなり、免疫力も低下し、病気の原因になります。
モルモットビタミンC欠病
モルモット用ペレットにはビタミンCが添加されていますが、保管状態によっては劣化しやすいです。ビタミンCの補給源として野菜や果物、あるいはビタミンCのサプリメントを与えるなどの策がとられています。果物は嗜好性がよいのですが、偏食や肥満、糖尿病の原因になるので、なるべく野菜でビタミンCの補給をしましょう。

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ペレット

モルモットの栄養学の詳細は分かっていません。粗繊維15%、粗タンパク18%、粗脂肪1.33~4.00%が理想と言われています〔National Research Council 1995〕。特に粗繊維は腸内細菌叢の維持に必要で、腸内細菌叢は繊維質を分解して、消化・発酵に役立ちます。粗繊維は上記の15%が必要とされていますが、最低10%〔Cheeke 1987〕や9~18%〔田嶋 1970〕など、その見解には色々な見解があります。妊娠あるいは授乳期のモルモットには18~20%の粗タンパクが理想とされています〔Lister et al., 1965,Shelton 1971〕。
モルモットのペレット
粗繊維が少なく、糖質やでんぷんが多い、おやつや果物などのエサを多く与えると、腸炎消化管のうっ滞になりやすくなります。特殊加工された劣化しないビタミンCが添加されているモルモット用ペレットも開発されています。

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給水器も皿タイプとボトルタイプがありますが、多くがボトルタイプの給水器で飲んでくれます。モルモットはエサを口の中で長時間かけて水と混ぜ合わせる習性があり、その状態で給水器に口をつけるため、給水器の水が汚れることが多いです。ボトルタイプの給水器であると、水がエサが汚れて給水器の先が詰まることがありますので注意して下さい。

表:採食量・飲水量〔Bauck et al.1997〕

項目 1日の体重100gに対する量
採食量 10-12g
飲水量 8-10mL

上記の表に一般的なモルモットのエサの採食量と水の摂取量を列記しましたが、年齢やエサの内容などで変動しやすい特徴があります。6週齢のオスでは、採食量 6.9g/100g体重/日、飲水量は21.7 mL/100 g体重/日〔Liu 1988〕、体重 698±19g のオスに粗タンパク 20% 含むペレットを与えた場合、採食量4g/100g体重/日、飲水量7.5 mL/100 g体重/日でした〔Tsao et al.1989〕。

これがポイント!(エサ)
・主食は牧草
・エサからビタミンCをとる
・モルモット専用ペレットにはビタミンCが配合されている
・ビタミンCが多い野菜やビタミンCサプリメントを与える

ケア

ケージの中に動物をいれてエサを与えるだけという単調な飼育は、成長や健康維持、繁殖のみならず、精神的的なストレスの原因になります。モルモットが持つ野生本来の行動を発現できるような環境作りのために、生息地に適応した体の特徴や生態を環境エンリッチメントに沿って考えて下さい。モルモットでは性格が温和でおとなしい個体、臆病な個体、活発で好奇心旺盛な個体など、それぞれの性格に合わせてケアを考えましょう。

運動

活発あるいは好奇心旺盛な個体は、動き回ることのできる広い空間も提供しましょう。具体的には部屋を探索させる、屋外でサークルで囲って遊ばせるなどを行って下さい。
モルモット 
好奇心旺盛な動物で、興味をもつと積極的に周囲を探索するようになります。人に馴れてくるとスキンシップを求めてくることもあります。

コミュニケーション

馴らすには、優しく声をかけながら、両手でそっと抱きあげて、コミニケーションをとってください。ケージの扉を開ける音に反応してモルモットが出てくるようにもなります。そして、嫌がったり逃げたりせずに触らせてくれるようになったら、膝の上にのせて優しくなでてみましょう。

好物のエサを手渡しで与えることなどもよいでしょう。モルモットはエサをねだるようになり、声をだして催促するようになります。

ブラッシング

長毛種ではブラッシングが必要となることもあり、いずれもストレスにならないように行ってあげて下さい。

爪切り

野生では爪を削る環境がありますが、飼育下では爪が伸びすぎることがあります。おとなしい性格であれば定期的に切ってあげましょう。
モルモット爪

これがポイント!(エサ)
・馴れてくると以外に動く
・臆病なので少しづつ馴らす
・人とコミュニケーションをとれる
・長毛種はブラッシングをする

参考文献

■Cheeke PR.Nutrition of guinea pigs.In Rabbit Feeding and Nutrition.Cheeke PR ed.Academic Press.Orland.FL.p344-353.1987
■DIRECTIVE 2010/63/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 22 September 2010 on the protection of animals used for scientific purposes(科学的な目的のために使用される動物の保護に関する2010年9月22日の欧州議会及び理事会指令2010/63/EU(抄) (EUの実験動物保護指令)
■Guide for the Care and Use of laboratory Animal.U.S.Department of health,Education and Welfare.Public Health Service.NIH.1985
■Kaiser S,Kruger C,Sachser N.The guinea pig.In The UFAW Handbook on the Care:Managment of Laboratory Animals 6th ed. Poole TB ed.Longman Scientific Technical.UK.p380-398.1986
■Liu CT.Energy balance and growth rate of outbred and inbred male guinea pigs.Am  J Vet Res49.1752–1756.1988
■Lister D,McCance RA.The effect of two diets on the growth,reproduction and ultimate size of guinea pigs.Br J Nutr19.311–319.1965
■National Research Council 1995.4 Nutrient Requirements of the Guinea Pig. Nutrient Requirements of Laboratory Animals.Fourth Revised Edition.The National Academies Press.Washington DC.1995
■Shelton DC.Feeding the guinea pig.Lab Anim7.84–87.1971
■Tsao CS,Young M.Effect of dietary ascorbic acid on levels of serum mineral nutrients in guinea pigs.Int.J.Vitam.Nutr.Res59.72–76.1989
■田嶋嘉雄編.実験動物学.総論.朝倉書店.東京.1970

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