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専門獣医師が解説するイシガメ・クサガメ・アカミミガメの飼育〔Ver.3〕

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水ガメの飼育

飼育は手間がかかる?

イシガメ、クサガメ、アカミミガメは昔から飼われている水ガメで、根強い人気があります。きちんと飼えば大きな病気にもならずに、40年以上生きていてもおかしくないです。

水ガメの飼育

水場と陸場の環境、温度管理、赤外線を出すバスキングライト(赤外線ライト)爬虫類用紫外線ライト、餌、水替えが飼育のポイントになります。

水ガメの飼育

いわゆるカメの甲羅干しは、昼に水場から陸場へ上がって、太陽に甲羅を向けて光を浴びています。これは太陽光を浴びて体温を上げて、骨や甲羅を強くする紫外線を吸収しています。

アカミミガメ 

環境

基本的にケージ内に水場と陸場を設けます。

ケージは水槽やタライ、衣装ケース、コンテナなどの容器を使用し、カメの背甲が隠れるくらいの水を張り、一部だけに陸場を設けます。

水ガメの飼育

水ガメの水槽の水量の解説はコチラ!

水場の水はカルキ抜きした水も薦められていますが、それほど気にしなくても大丈夫です。病気のカメでは、カルキ抜きした水やエアーポンプで酸素を提供した方がよいかもしれません。


水のフィルターはカメと水槽が小さい時にしか役にたちません。カメの脱皮した皮や甲羅、糞や食べカスはフィルターにつまりやすいので、定期的に全部の水を交換した方が断然衛生的になります。

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カメは緩慢なイメージがありますが、実際は活動的で、広いスペースで飼育することが理想です。具体的な飼育スペースの大きさの決まりはなく、幼体では小さい容器でも飼育できますが、成長が早いために体の大きさにあった大きいケージを用意しなければなりません。

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大きく成長すれば、ベランダや庭にカメを放し、その中で自由に入れる水を入れた容器(水場)を設置して飼えます。

ベランダや庭では自由に甲羅干しをできますが、必ず日陰を設けることと、ベランダからの落下や庭からの脱走対策はして下さい。

水場は運動不足を防ぐために、カメが十分に遊泳できるスペースが理想です。しかし、水槽やケージが大きくなると水換えが大変になります。

水ガメの水槽の水量の詳しい解説はコチラ!

水場に床石を敷きたがる方も多いですが、エサの食べカスや糞がたまって不衛生になり、掃除も面倒になるため、基本的にはおお薦めしません。

アカミミガメ

照明・温度

屋内飼育では骨や甲羅を丈夫にするための爬虫類用紫外線ライト、熱を出して体温をあげるバスキングライト(赤外線ライト)を設置します。

水ガメの飼育

ケージ内にバスキングライトを陸場に照射するように設置してホットスポットを作ります。ライトをケージの上や端に設置して陸場に照射するようにします。局所的に陸場に高温の部分をつくり、カメの体温を上げる(甲羅干し)ためのホットスポットになりますし。カメは自ら陸場に上がって甲羅干しをし、体温が十分に上がると、水場に戻ります。このような温度勾配を作ることが必要なので、適切なケージの大きさは一概に言えないのです。一般的に水ガメの至適環境温度域は25~35℃(ホットスポットは30~35 ℃、水場は約25 ℃)です。夏の水温は至適環境温度域を確保できることが容易ですが、冬や夜は水中ヒーターなどが必要になるかもしれません〔安川 2007(3)〕。夜はバスキングライトは消して下さい。

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爬虫類用の紫外線ライトは全体が照射されるようにケージの上に設置します。昼の間はずっと点灯しておき、夜は消して下さい。爬虫類用紫外線ライトは熱がほとんど出ていないので、熱源にはなりません。紫外線不足による代謝性骨疾患(MBD)に注意しなければなりません。

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冬眠について

クサガメ、イシガメ、ミシシッピアカミミガメは通常11月頃から冬眠に入りますが、飼育下で冬眠させるかは、飼育者の考え、ならびにカメの状態にもよります。冬眠させない場合は、屋内にてきちんと温度設定をして飼育します。しかし保温して飼育していても、冬になると食欲が落ちるカメが多いです。病気との鑑別は動物病院で診察しないと分かりません。冬眠さるかの最終的な判断は飼い主の選択になりますが、冬眠させた方が長生きするという考えもあります。しかし、幼体、体重が軽いカメ、病気のカメなどは冬眠から目が覚めないで死んでしまうことがあります。

冬眠させますか?その話はコチラ!

紫外線も赤外線も照射できるメタルハライドランプを使用すると便利です。メタルハライドランプを使用する場合は陸場を中心に当てて下さい。

ポイントはコレ(飼育環境)!
・水ガメは水中で生活するが、水場と陸場を設ける
・水中だけでは十分な運動量がかせげない?
・水槽に床石は敷かないほうが楽
・太陽光による甲羅干しをさせる
・甲羅干しができない時はバスキングライトと紫外線ライトを使う
・温度勾配をつけるのが難しい
・冬眠は健康体のみさる

メニュー
エサは水ガメ用のペレットを主食として与え、その他の食材はバラエティーをつけるための動物性タンパク質のエサや野菜、水草などは副食程度にします。

ペレットは水の中で浮く浮上性のタイプを使用するとカメは食べやすく、水も汚れにくいです。

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動物性タンパク質として、煮干しや肉片コオロギなどの昆虫ミルワームミミズなどを与えます。食べるようであればコマツナやチンゲンサイのような野菜や水草を少し与えても良いですが、食べカスで水が汚れますので、カスを網ですくったり、水替えの頻度が増えます。

回数と量
エサを与える間隔は、幼体は毎日、成体は週に1~3回程度です。水ガメの与えるエサの適量は明確になっていません。与え過ぎると肥満になるし、少ないと痩せてしまいます。エサの量も気になりますが、与える頻度も気にして下さい。水ガメのエサの量は5分以内で食べきるぐらい量を、とりあえず1回与えます。あるいはもちろんこれでは足りないので、2~3回に分けてあげますが、1回に与える量を少なくしないと、肥満になりやすいので注意しないといけません。また、1回に大量に与えると水の中でエサがふやけてしまい、食べなくなるのと、水が極度に汚れ、皮膚病の原因になります。食べ残しのエサはもったいないし、水も汚れる原因になるなんて、かなり無駄になります。

給餌時間

給餌時間は、基本的にライトあるいは太陽光を浴びて、体温が上がり胃腸が動き出す午前中が理想です。カメは餌が足りないと水槽から顔を出してねだり、騒ぎだします。カメの目の前で餌をチラつかせて騒いだら、空腹の状態です。しかし、外気温が下がる冬になると採食量は減少します。

水換え

水ガメは水中でエサを食べ、排泄もするために、水が汚れやすくなります。特にエサやりや排泄した後は、すぐに汚れるので、神経質な飼い主だと1日に何回も水換えをしているはずです。水ガメの水換えの回数は、決まった回数はありませんが、基本は水が汚れたらすぐに変えるようにしましょう。汚れた水では、皮膚病シェルロットになる原因につながります。夏はエサもたくさん食べるし、排泄物も多いので、水槽の大きさにもよりますが、1日に2~3回の水換えが理想です。春秋冬の場合は、最低でも1日に1~2回は換えたほうがよいです。使用する水は、ショップでは水のカルキ抜き剤が販売されていますが、基本的にカルキ抜きをしなくてもよいです。しかし、幼体や病気のカメの場合は体力がないので、カルキを抜いてあげたほうが良い場合もあります。

夏は毎日頻繁に水換えをしないと、水槽に苔がはえて、臭ってきます。水量に見合ったろ過器を使用することで、多少水替えの頻度を少なくできますが、多くのフィルターは魚の排泄物を生物学的に分解するもので、カメの排泄物を分解するには限界があります。あくまでも水換えの間隔が少し長くなる程度と思って下さい。

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水ガメはサルモネラ菌の保留率が高いです。爬虫類に常存するサルモネラ菌は爬虫類には無症状のことが多く、人に感染すると嘔吐や下痢などの消化器症状が起こり(サルモネラ中毒)、人獣共通感染症(ズーノーシス)として有名です。水換えの後に水槽も殺菌するために日光浴や消毒をするように心がけましょう。

爬虫類のサルモネラの詳細な解説はコチラ!

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水ガメはきちんと水替えをすれば臭いませんが、臭う場合は以下の対策を読んで考えてみて下さい。

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ポイントはコレ(エサ・水換え)!
・水ガメは浮上性のペレットを主食
・昆虫や野菜は副食程度
・野菜を与えると水が汚れる
・夏場は水の交換は毎日
・掃除は水洗いだけでなく消毒もする

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参考文献
■安川雄一郎.イシガメ属、イシガメ属とその近縁属の分類と自然史(前編).クリーパー39.クリーパー社.東京.p18-44.2007(1)
■安川雄一郎.イシガメ属、イシガメ属その近縁種の分類と自然史(後編).クリーパー40.クリーパー社.東京.p30-67.2007(2)
■安川雄一郎.アカミミガメ属(スライダーガメ属)の分類と自然史1.クリーパー36.クリーパー社.東京.p18-57.2007(3)

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